【介護保険】入所前後訪問指導加算の算定要件(老健)

介護老人保健施設において、入所前後訪問指導加算(Ⅰ)又は(Ⅱ)を算定する場合の要件について掲載しています。なお、原文のあとに簡単な解説を加えています。

入所前後訪問指導加算の単位(老健)

報酬項目 単位
入所前後訪問指導加算(Ⅰ) 在宅強化型の場合 450
在宅強化型以外の場合 450
入所前後訪問指導加算(Ⅱ) 在宅強化型の場合 480
在宅強化型以外の場合 480

加算の算定要件

入所前後訪問指導加算を算定するためには、以下の7つの要件を満たしている必要がある。

①入所前後訪問指導加算(Ⅰ)(Ⅱ)は、入所期間が1月を超えると見込まれる入所予定者の入所予定日前30日から入所後7日までの間に、当該入所予定者が退所後生活する居宅を訪問して退所を目的とした施設サービス計画の策定及び診療の方針の決定(以下「施設サービス計画の策定等」というを行った場合に、入所中に1回に限り加算を行うものである。
【解説】入所前後訪問指導加算(Ⅰ)(Ⅱ)は入所予定日前30日から入所後7日までに1度だけ算定できる。
②入所前後訪問指導加算(Ⅱ)は、①における施設サービス計画の策定等にあたり、⑤に掲げる職種が会議を行い、次のイ及びロを共同して定めた場合に、入所中に1回に限り加算を行うものである。
イ) <生活機能の具体的な改善目標>当該入所予定者が退所後生活する居宅の状況に合わせ、また入所予定者及びその家族等の意向を踏まえ、入浴や排泄等の生活機能について、入所中に到達すべき具体的な改善目標を定めること。
ロ) <退所後の生活に係る支援計画>入所予定者の生活を総合的に支援するため、入所予定者およびその家族等の意向を踏まえた施設及び在宅の双方にわたる切れ目のない支援計画を作成すること。当該支援計画には、反復的な入所や併設サービスの利用、インフォーマルサービスの活用等を広く含み得るものであること。当該支援計画の策定に当たっては、終末期の過ごし方及び看取りについても話し合いを持つように努め、入所予定者およびその家族等が希望する場合には、その具体的な内容を支援計画に含むこと。
【解説】(Ⅱ)を算定するには、医師や看護職員、支援相談員、リハビリ職、栄養士、介護支援専門員等が集まって会議を行い、「生活機能の具体的な改善目標」と「退所後の生活に係る支援計画」を定めておく必要がある。
③入所前に居宅を訪問した場合は入所日に算定し、入所後に訪問した場合は訪問日に算定すること。
【解説】予定が変更されて入所とならなかった場合は算定できない。
④入所前後訪問指導加算は、次の場合には算定できないものであること
イ) 病院又は診療所のみを訪問し、居宅を訪問しない場合
ロ) 他の介護保険施設のみを訪問し、居宅を訪問しない場合
ハ) 予定の変更に伴い、入所しなかった場合
⑤入所前後訪問指導は、医師、看護職員、支援相談員、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士、栄養士、介護支援専門員等が協力して行うこと。
【解説】全ての職種が訪問をする必要はないが、訪問者は事前に他職種から情報をもらい、情報収集する内容や指導すべきことをまとめておく必要がある。
⑥入所前後訪問指導は、入所者及びその家族等のいずれにも行うこと。
【解説】退所後の身体状態や生活設定を予測して、入所者と家族等に生活上の注意点などを伝えておく。
⑦入所前後訪問指導を行った場合は、指導日及び指導内容の要点を診療録等に記載すること。
【解説】入所前後訪問指導を実施した証拠をカルテに記載しておく。

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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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