以前から気になっていた運動と医学の出版社の「入谷誠の理学療法〜評価と治療の実際〜」を読んでみました。
発売から3ヶ月ほどにも関わらず、Amazonでのレビューがすでに74件もついており、これはリハビリ本の中では異例の数字です。
読んでいただくとわかりますが、真の臨床家が書いているだけあって、とても実践的かつ効果的な方法が惜しみなく紹介されています。
タイトルには入谷先生の名前が入っていますが、実際に執筆されているのは入谷先生の一番弟子であり、運動と医学の出版社の社長でもある園部俊晴先生です。
冒頭にも書かれていますが、入谷先生は2014年に癌を患われており、2016年に亡くなられています。
園部先生は入谷先生の奥様から癌の報告を受けたあと、程なくして師匠である入谷先生に「先生の臨床を書籍に残したい」と伝えています。
それまでも一番ちかくで入谷先生の臨床をみてこられ、最も入谷式足底板を熟知している園部先生だからこそ執筆することができたのだと思います。
私はこれまで多くのリハビリ本を読んできましたが、その中でも確実にベスト3に入るであろう良書です。
まだ全部を読んで理解できたわけではないので、本当の凄さを理解できるのはもっと先の話になるかと思います。
それでも現時点で臨床の参考になることばかりであり、毎日の臨床をさらに楽しみに感じられるようになりました。
以前に園部先生が林典雄先生を組織学的推論の王様と呼んでいましたが、同様に入谷先生や園部先生は力学的推論の王様と呼べるはずです。
力学的推論は組織学的推論と合わせて、考えるべき最重要ポイントになるので、是非とも参考にしてみてください。