変形性膝関節症は片脚立位を安定させる

膝に変形を起こす原因に「歩行時のラテラルスラスト」があります。

膝が外側に動揺(スラスト)すると内反膝を起こしますが、外側スラストの原因に膝関節の伸展制限や周囲筋の筋力低下があります。

筋力低下がある可能性が高い筋肉として、①内側広筋、②大内転筋、③大殿筋、④中殿筋などが挙げられます。

とくに内転筋群に弱化(緊張低下)がある患者では、積極的な筋力トレーニングが必要となるケースも多いです。

膝関節の動きとしては屈伸運動と回旋運動を行なう螺旋関節であるため、基本的に内外反の動きは担っていません。

それにも関わらず、慢性的な内外反ストレスが加わり続けると、徐々に軟骨や半月板が削られて変形が進行していきます。

膝関節の治療においては、隣接関節の状態を把握することが重要で、股関節と足関節の可動性を確認していきます。

中高年者では股関節内転筋群が弱化しており、そこから連結する後脛骨筋も弱化し、足部外反(扁平足)となっている場合が多いです。

そのようなヒトは変形性膝関節症(O脚)のリスクが高いため、股関節内転筋群とそこに連結する内側広筋の強化は必須となります。

治療目標としては、疼痛の緩和(再発予防)と変形の進行を防ぐことであるため、片脚立位が安定するように調整していきます。

そのためには土台となる足部にもアプローチすることが求められるので、前述した画像のように4つのタイプに分類すると理解しやすいです。

片脚立位はできる限りに膝関節のスラストがない状態に調整し、正しいフォームで行えるように指導していってください。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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