患者と信頼関係を築くための10の方法

自分でいうのもなんですが、私は患者とのコミュニケーションが非常に得意です。とくに高齢者との関係づくりは、誰にも負けないんじゃないかと思っています。

仲良くなるにはテクニックが必要です。ここで紹介する方法を心がけることで、あなたも患者と良好な関係を築くことができるはずです。

患者と信頼関係を築くための10の方法

いつでも笑顔

とにかく笑顔は大切です。とくに認知症でBPSDなんかを発症している人では、こちらに敵意を持って接してくることが多々あります。

しかし、笑顔で丁寧に接することで、ほとんどの人は笑顔で返してくれるようになります。BPSDを薬で抑え込もうとするなんて論外です。接し方さえ間違わなければ、良好な関係を築くことはできます。

とにかく褒める

次に大切なのは患者を褒めることです。「今日めっちゃ調子いいじゃないですか!」って言葉を、私は一日に30回ぐらいは言ってます。

あとは、「○○さんが僕の担当の中で一番頑張ってくれるから一緒にやっていて楽しいですよ!」って言葉もいろんな人に言ってます。

大切なのは、嘘でもいいのでとにかく褒めることです。褒めることで機能が向上することは科学的にも認められていますし、患者とも良好な関係を築けるので一石二鳥ですよ。

手をにぎる

若い人にはもちろんやめといたがいいですが、高齢者にはマジで効きます。手をにぎるという行為は、相手のことをしっかりと受け入れているという合図です。

たったこれだけで、高齢者と信頼関係を築くことができます。BPSDにも効果的で、拒否がないようなら積極的に行っていくべきです。

そして、自分が来ただけで患者が笑顔になるような、依存的な関係を築いてください。

強制しない

リハビリなどで拒否がある方には、ついつい強制してしまいがちになります。こちらはその人のことを思いながら促していても、そこで一気に信頼関係が崩れてしまうことがしばしばあります。

高齢者には、理論的な説明よりも共感的納得をはかり、自主性を促すことがなによりも大切です。プライドを傷つけてしまったら、もう取り返しのつかないことになりますので、強制だけはしないようにしてください。

しっかりと状態を診る

痛みの訴えなどがある場合に、軽く聞き流してしまったりすると、そこで関係が崩れることがよくあります。時間がなかったとしても、絶対にあしらうような態度をとってはいけません。

患者の多くは、医者などに相談してもしっかりと聞いてもらうことができずに不満を抱いています。そんなときに、患者の状態をちゃんと診てあげることができたら、そこで患者との強固な信頼関係が生まれます。

患者の訴えは信頼を築くチャンスです。見逃さずに取りにいきましょう。

プレゼントを渡す

少しセコイかもしれませんが、プレゼントを渡すという方法はかなり使えます。

100円均一などでゴムボールやチューブなどを買って、「これあげますんで、自主トレーニングで是非つかってください!」なんて言うと、患者は本当に喜んでくれます。

もう100円どころの効果ではないですよ。お礼に菓子折りをもらったり、いろいろと良くしてくれるようになります。あざとい方法ですが、マジで役立ちますよ。

プライベートな時間をつかう

病院で働いているときに、患者さんとどうやったらもっと深い関係を築けるかと考えた結果、この方法を思いつきました。

病院では18時ぐらいに仕事は終わるんですが、そのあとに患者の病室を訪れて30分ほど会話をするようにしました。すると、仕事以外の時間まで自分のことを考えてくれているんだと患者は考え、とても信頼してくれるようになりました。

そこからはリハビリがとてもやりやすくなるので、当時は結構この方法をつかっていました。

最敬礼する

かのエイブラハム・リンカーンは、40歳を過ぎたら自分の顔に責任を持てと言いました。なので、私は大いに人を見た目で判断します。

キッチリしてる人には、こちらもキッチリ対応する方が絶対にリスクは低いです。私がよくやるテクニックとして、そういった人に対しては綺麗な挨拶を心がけています。

具体的には、挨拶をする際は必ず一度立ち止まり、最敬礼するようにしています。そこまでやると、患者も「そこまでしないでくださいよ」と笑顔で言ってくれます。そしたらすぐに仲良くなれますので、どんどん踏み込んでいって大丈夫です。

味方であることをアピール

生物というのは、相手を敵か味方かに分けたがる性質があります。

なので、私はとにかく「あなたの味方ですよ」とアピールをします。患者が「あの人が嫌いだ」と言えば、「私も嫌いです」と言いますし、「こんな酷いことをされた」と言えば、「それは絶対に許せない!私から注意しますよ!」と言います。

別に嫌いでも注意するわけでもないですが、とりあえずそう言っておくことで安心するものです。

とりあえず泣く

もしも患者が悲しくて泣いていたら、とりあえず一緒に泣いてください。共感はいいけど同情はダメだとかよく言いますが、んなことはマジでどうでもいいです。

大事なのは一緒に泣くことです。患者がリハビリを頑張って良くなったときも、とりあえず泣いてください。「ここまでよく頑張りましたね。本当に良かったです」とか言いながら泣いてください。

そうすることで、この人はこんなに私のことを考えてくれるんだと思い、信頼してくれるようになります。

さらに仲良くなるための方法

信頼関係を築くための10の方法を紹介してきましたが、これらの行動を作意を持ってやっていると考えると、少し最低な気もしますね。

本当は自然にやれる人がいいんでしょうけど、そんな人はなかなかいません。これらの方法は、あくまで初期的なテクニックですので、少しでも関係性が作れそうなら一気に踏み込んでいくことが大切です。

具体的には、相手の趣味の話を聞き出し、たとえばパンを作ることが趣味なら、「自分もパン作りしたいと思ってたんですよ!おいしい作り方おしえてくださいよ!」とか言ってみたりします。

好きなことを話すってのは嬉しいことなので、どんどん会話が弾みます。たくさん話した相手には、自然と警戒心が薄れていきますので、徐々に言葉を崩していきながら仲良くなっていきます。

コミュニケーションはテクニックです。良好な関係が築けるように頑張ってください。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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