手関節橈側の痛みの原因とリハビリテーションによる治療方法について解説していきます。
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①狭窄性腱鞘炎
腱鞘と腱の間に炎症が起きた状態を腱鞘炎と呼び、長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の通過する伸筋支帯の第1区画に好発します。
中年の女性や育児をする母親に多く、ド・ケルバン腱鞘炎ともいいます。
治療方法として、腱の炎症が治まるまでは患部の安静を図り、必要に応じてサポーターなどを着用します。
疼痛が落ち着いてきてからは長母指外転筋と短母指伸筋のストレッチを実施し、柔軟性を確保していきます。
②舟状骨骨折
舟状骨骨折は、スポーツや転落などで手関節が背屈強制された際に起こりやすく、手根骨の中で最も折れやすい箇所です。
舟状骨は軟骨で覆われている部分が多いために血行不良となりやすく、偽関節を呈しやすい骨折になります。
また、受傷直後はレントゲン写真で骨折線が見えず、1〜2週間ほど経過してから写ることも多いため、診断にも十分な注意を要します。
治療方法として、保存療法では肘までのギプス固定を行い、手関節や母指の運動は約12週間ほど控えます。
手術療法にてスクリュー固定をしている場合は、手関節と母指は装具にて固定し、運動は術後6週以降となります。
③母指CM関節症
母指CM関節は可動性が高い反面、不安定性を呈しやすく、変形性関節症による疼痛を起こしやすい箇所です。
母指の伸展方向へのストレスや、軸圧へのストレスが増すような動きを繰り返すことで痛めやすい傾向にあります。
治療方法として、関節の不安定性や疼痛が強い時期は装具にて3ヶ月ほど固定し、母指CM関節の安定化を図ります。
母趾内転筋や母指球筋、小指球筋の柔軟性が低下していると関節へのストレスを高めるため、必要に応じてストレッチを加えていきます。