手首が痛いのを解消するための最善の方法

あなたの手首が痛いのは、使い過ぎによって炎症が起きていることが原因です。それを医療用語で腱鞘炎と呼びます。腱鞘炎を解消する方法はとても簡単です。手を使わないようにする。たったこれだけです。

それでも治らないという人は、腱鞘炎ではないのか、もしくは知らないうちに負荷がかかっているのです。ここでは、手首の痛みを解消するための最善の方法を紹介します。

腱鞘炎はマッサージでは治らない

マッサージなんかで腱鞘炎が治ると言い張る整体師は信じないようにしてください。絶対に治りませんから。下記の写真を見てもらったらわかりますが、これが炎症というものです。

手首が痛い原因は炎症

皆さんも何度も経験しているでしょうが、このように皮膚が赤くなって腫れて、触ると熱感をおびており、痛みが起きているのが炎症です。

これがマッサージで治ると思いますか。治らないですよね。写真のように目に見えてわかる状態なら、素人でも普通にわかるはずです。揉んでも治らないことなんて。

しかし、腱鞘炎では皮膚の下でこのような状態になっているため、素人がみたらどうして痛いのかがわかりません。そこにつけ込む隙があるのです。

本当にはやく治したいなら安静第一

炎症がマッサージでは治らないことは理解していただけたと思いますが、ではどうやったら治るのでしょうか。その答えは、勝手に治るのを待つということです。

先ほどの写真のように、指に軽い炎症がおきた場合、放っておいたら自然と元に戻りますよね。それを「自然治癒」と呼びます。

人間の自然治癒力を最大限に高めることこそが、腱鞘炎を早く治すためには必要なことです。以下の計算式を見てもらったら、より簡単に理解できるはずです。

”「自然治癒力」-「炎症部位への負荷」=「回復度」

回復度を最大にするためには、自然治癒力を高めるか、炎症部位への負荷を減らすことが大切です。負荷のほうが高い場合は、状態がさらに悪化してしまう危険すらあります。

実際には、自然治癒力を高めるよりも、負荷を減らすことのほうが遥かに有効なので、結局は安静にしてくださいと説明することになるのです。

腱鞘炎に対するサポーターの選び方

手首への負荷を減らすためには、サポーターで固定する方法が有効となります。しかし、サポーターにも多くの種類があり、なにを選んだらいいのか迷うところです。

個人的にお勧めしたいのは、とにかく固定力が強いものです。いろいろと試してもらった結果、bonboneのサポーターが手首の固定には適しています。

親指にまで痛みが出現している場合は、親指の固定が必要になってきますので、MuellerのサムスタビライザーJPプラスあたりが適しています。

病院で治療してもらっても治らないのか

固定の重要性ばかりを述べてきましたが、腱鞘炎で病院に行くといろいろな治療をしてもらうことになります。それにはどんな意味があるのかを解説していきます。

治療は主に、炎症を早期に鎮める治療と自然治癒力を高める治療が存在します。しかし、これらの効果は微々たるものであり、気休め程度にしかなりません。

何度も書くように、最も大切なのは安静であり、最も効果があるのも安静なのです。なので、病院に通ったところで治るわけではないことを理解していただけたらと思います。

安静をとらずに使い続けると、何年も痛みが治まらなかったり、最悪の場合は手術が必要となります。そうならないためにも、腱鞘炎について正しく理解しておくことが重要です。

どうしても治らないという方へ

腱鞘炎が治りにくい原因のひとつに、主婦や漫画家に発生しやすいことが挙げられます。仕事や子育てはやめられないので、どうしても安静がとれなかったりするのです。

どんなにサポーターでしっかり固定していても、手首に負担をかけずに生活するというのはほぼ不可能です。肘から手首にかけて付いている筋肉があるため、肘を使うだけでも負担なのです。

なので、徹底的に負担をかけないようにするためには、アームホルダーで腕を吊るしてしまい、肘まで固定することです。あとはいい方の手だけでどうにか生活してください。

これは冗談で言っているわけではありません。安静にしているつもりでも悪化しているようなら、そこまでする必要があるということです。

実際には難しいかと思いますが、一日でも早くに治癒させるためには、それだけ安静が重要だということだけでも覚えておくようにお願いしますね。


他の記事も読んでみる

The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
rehatora.net © 2016 Frontier Theme