この記事では、方形回内筋を治療するために必要な情報を掲載していきます。
方形回内筋の概要
方形回内筋は手首前面に位置する最深層の筋肉で、幅が約3〜4センチの平らな筋肉です。
橈骨前面から尺骨後面まで巻き込むようにして走行しており、前腕の純粋な回内筋で、手関節の動きには関与しません。
この筋肉が硬化すると手根管症候群と似た症状が出現するため、触診による鑑別が必要となります。
基本データ
項目 |
内容 |
支配神経 | 正中神経 |
髄節 | C8-T1 |
起始 | 尺骨の遠位端1/4の前面 |
停止 | 橈骨の遠位端1/4の前面 |
栄養血管 | 前骨間動脈 |
動作 | 前腕の回内 |
筋体積 | 11㎤ |
筋線維長 | 3.0㎝ |
運動貢献度(順位)
貢献度 |
前腕回内 |
1位 | 円回内筋 |
2位 | 方形回内筋 |
3位 | 橈側手根屈筋 |
方形回内筋の触診方法
写真では、肘関節90度屈曲位、手関節最大掌屈位からの前腕回内運動にて、方形回内筋を起始部(尺骨の遠位端1/4の前面)で触診しています。
表層は橈側より橈骨動脈、長母指屈筋、正中神経、深指屈筋、尺骨動脈、尺骨神経が通過していますので、それらの組織を避けながら触知していきます。
肘関節屈曲および手関節掌屈位に保つことで円回内筋の収縮を除外することができるため、方形回内筋単独の筋力が測定できます。
ストレッチ方法
手で棒を持ち、もう片方の手で前腕を支えます。棒の重さを利用して、前腕を回外させていきます。
筋力トレーニング
坐位にて机やベッドに前腕を乗せ、前腕は回外した状態で手首より先をベッドの外に出します。
その状態でダンベルを把持し、前腕を回内させていきます。
関連する疾患
- 円回内筋症候群(正中神経高位麻痺)
- 前骨間神経麻痺
- 前腕回内拘縮 etc.