椎間板症は座位で腰椎屈曲位となりやすい人に生じるため、座位姿勢をチェックすることは必須です。
どのような椅子を使っているか、床に坐ることが多いか、その他に腰椎屈曲位をとる場面はないかもチェックしていきます。
椎間板症のほとんどはL4/5間またはL5/S間に起こるため、下位腰椎の状態をより重視することが大切です。
下位腰椎伸展位をとるためには骨盤前傾位をとることが必要で、座位は骨盤からコントロールするようにします。
ここを患者が理解していない場合は、胸椎のみを伸展したり、腰椎から伸展しようとして脊柱起立筋群が過度に緊張するケースが多いです。
あくまで動かすのは骨盤のみであり、腸腰筋や多裂筋にて骨盤前傾を引き出すことで、脊柱起立筋群の緊張は極力入らないようにしてください。
姿勢を保持するために筋肉の過度な緊張が必要だとしたら、絶対にその姿勢は長く続けることはできません。
筋肉の緊張が入りすぎないようにし、楽に保てるようにすることで、普段から椎間板に負担のかかりにくい状態を作ることができます。
座位での骨盤前傾を制限する因子として、ハムストリングスの拘縮(攣縮や短縮)が関与しやすいので必要に応じてストレッチを行います。
ハムストリングスを伸張する方法として、まずは座位で骨盤前傾位をとってもらい、ストレッチ側の膝関節をやや伸展します。
その状態からさらに骨盤を前傾させていき、ハムストリングスが軽く伸びているのを感じながら保持します。
時間は少なくとも1分以上はするようにして、その姿勢のままテレビを見るなどして、しばらく持続ストレッチしても構いません。
注意点として、骨盤前傾がうまく出せない場合に腰椎屈曲などで代償しようとするので、必ず腰椎伸展位だけは保持してください。