歪みやすい骨は問題を起こしやすい。
最近はそんなことを感じながら臨床をやってる管理人ですが、具体的にどの骨がズレやすいかを具体的にまとめていこうかと思います。
この記事の目次はコチラ
1.肩甲骨の歪み
まずは肩甲骨ですが、肩甲骨は胸郭にかぶさるようにして位置しており、めちゃくちゃ偏位しやすい骨の代表格です。
なぜズレやすいのかというと、周囲の筋肉の緊張によって位置を保っているため、それらの筋肉に問題が生じると容易に引っ張られるからです。
そうすると肩甲上腕関節に問題をきたして肩の痛みを起こしたり、過緊張にある筋肉にコリを感じたりします。
肩甲骨に起始する筋肉は、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋、大円筋、烏口腕筋、肩甲舌骨筋、三角筋肩峰部・肩甲棘部、広背筋肩甲部、上腕二頭筋、上腕三頭筋長頭があります。
肩甲骨に停止する筋肉は、肩甲挙筋、小胸筋、前鋸筋、僧帽筋中部・下部、大菱形筋、小菱形筋があります。
ここで重要なのは偏位させる筋肉は基本的に肩甲骨に停止している筋肉であり、それらの筋肉は非常に問題を起こしやすいことです。
とくに肩甲挙筋や小胸筋、菱形筋は硬くなりやすいため、首こりや肩の痛みを訴える場合には必ずチェックが必要です。
肩甲骨を偏位させる筋肉と方向については、昨日に書いた記事(小胸筋が原因の肩関節痛について)を参考にしてみてください。
2.骨盤(腸骨)の歪み
次に歪みやすい骨として骨盤がありますが、整体に行くと骨盤矯正をメニューに取り入れているところは非常に多いかと思います。
骨盤は肩甲骨よりもガチっとはまり込んでいる骨ではありますが、軸を保つために非常に強力な筋肉が周囲に付着しています。
そのため、骨盤が大きくズレているときは腰痛を強く感じている場合が少なくありません。
腸骨に起始する筋肉は、腸骨筋、大殿筋、中殿筋、小殿筋、大腿筋膜張筋、縫工筋、大腿直筋、内腹斜筋、腰方形筋 、腹横筋、腰腸肋筋があります。
それに対して腸骨に停止する筋肉は外腹斜筋のみです。
先ほどの肩甲骨のパターンでいくと、偏位させる筋肉は基本的に停止している筋肉なので外腹斜筋が重要となります。
また、腸骨の場合は腰方形筋の過度な緊張が歪みに関与している場合が多いため、そちらもチェックすることが大切です。
3.膝蓋骨の歪み
最後に歪みやすい骨として膝蓋骨がありますが、膝蓋骨は大腿骨の上にかぶさっているだけなので非常に偏位しやすい状態といえます。
膝蓋骨に起始している筋肉はなく、停止している筋肉は大腿四頭筋のみになります。
そのため、大腿四頭筋の状態が非常に重要なわけですが、一括りに大腿四頭筋でまとめてしまうと偏位する流れが理解できません。
だからこそ大腿直筋・内側広筋・外側広筋・中間広筋の4つに分けて考えることが重要となってきます。
基本的に膝蓋骨は外側上方に偏位しやすく、外側上方に引き付ける筋肉は外側広筋であるため、ズレている方向で問題の筋肉を予測できます。
膝蓋骨がズレて動きが悪くなると膝の筋力を発揮できませんし、膝蓋骨の裏にある軟骨が磨り減ってしまうリスクもあります。
内側広筋が萎縮しやすいことは周知の事実ですが、そこには膝蓋骨の外側上方への歪みも伴いやすいことを理解しておくとよいです。
おわりに
わたしが日頃から歪みやすいと感じている骨について書いてきましたが、これらの問題はちょうど肩・腰・膝の痛みに直結します。
この3つは日本人が痛みを感じやすい部位のトップ3なので、歪みがあるようなら早期に是正することで疼痛や変形を予防できると思います。
臨床でも役立つ知識なので、是非とも参考にしてみてください。