母趾内転筋(adductor hallucis)

この記事では、母趾内転筋を治療するために必要な情報を掲載していきます。

母趾内転筋の概要

母趾内転筋の起始停止

母趾内転筋は横頭と斜頭を持つ二頭筋であり、名前の通りに母趾を内転させる主力筋です。

母趾内転筋・母趾外転筋・短母趾屈筋は母趾中足骨の内転・回外を制動し、前足部横アーチの保持に貢献します。

そのため、これらの筋肉に障害が起こると、母趾を正常な位置に保つことができず、外反母趾を引き起こすことになります。

基本データ

項目

内容

支配神経 外側足底神経
髄節 S2-3
起始 ①横頭:第3-5中足趾節(MTP)関節の関節包、深横中足靱帯

②斜頭:第2-4中足骨の底、立方骨、外側楔状骨

停止 1基節骨の底、第1中足骨の外側種子骨
動作 ①横頭:母趾MTP関節内転

②斜頭:母趾MTP関節内転・屈曲

前中部横アーチの支持

圧痛点と関連痛領域

母趾内転筋の圧痛点(トリガーポイント)は筋腹に出現し、関連痛は前足底部の内側に起こります。

関連する疾患

  • 外反母趾
  • 開張足
  • 中足骨頭部痛
  • 足底胼胝 etc.

外反母趾

外反母趾と母趾外転筋

外反母趾を呈している場合は、母趾内転筋が短縮している状態にあります。

そのため、治療では筋肉のリラクゼーションを図り、ストレッチを加えてアプローチしていくことが必要となります。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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