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浅指屈筋,深指屈筋,長母指屈筋


浅指屈筋、深指屈筋、長母指屈筋に関する充実したデータをここでは閲覧できます。目次は以下になります。

①浅指屈筋の概要

浅指屈筋(flexor digitorum superficialis)は前腕前面やや深層に位置する筋肉です。

前腕屈筋の中で最大の筋肉で、長掌筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋の奥に位置します。深指屈筋とともに親指を除く手指屈曲の主力筋として働きます。

浅指屈筋
支配神経 正中神経
髄節 C7-T1
起始 ①上腕尺骨頭:上腕骨の内側上顆
②尺骨頭:尺骨粗面の内側および内側側副靭帯
③橈骨頭:橈骨の上方前面
停止 第2-5中節骨底の前縁
動作 第2-5指PIP関節の屈曲、手関節の掌屈
栄養血管 尺骨動脈
筋体積 74㎤
筋線維長 12.3㎝

浅指屈筋の触診方法

下記の写真では、第2,4,5指を伸展位に固定した状態から、第3指のPIP関節を屈曲運動させて、中指へ向かう浅指屈筋腱を触診しています。

浅指屈筋

浅指屈筋の個別ストレッチング

ストレッチ側の腕を肘関節伸展,前腕回外,手関節背屈位とし、反対側の手で第2-5指のPIP関節までを把持します。

そのまま手関節と手指MP,PIP関節を伸展していきます。この際に、手指DIP関節は伸展しないように注意します。(深指屈筋が伸ばされるため)

浅指屈筋,ストレッチ,方法

②深指屈筋の概要

深指屈筋(flexor digitorum profundus)は前腕前面深層に位置する筋肉です。

浅指屈筋の深層にあり、停止部は浅指屈筋の腱の隙間を通過して指先(末節骨)まで達します。人差し指から小指までを曲げる指屈曲の主力筋のひとつです。

深指屈筋
支配神経 ①第2,3指:正中神経
②第4,5指:尺骨神経
髄節 C8-T1
起始 尺骨前面、前腕骨間膜の前面
停止 第2-5指骨の末節骨底の掌側
動作 第2-5指DIP,PIPの屈曲、手関節の掌屈
栄養血管 前骨間動脈
筋体積 92㎤
筋線維長 11.0
速筋:遅筋(%) 52.7:47.3

深指屈筋の触診方法

下記の写真では、第2指のMP,PIP関節を伸展位で保持した状態から、DIP関節のみを屈曲するように指示し、示指に向かう深指屈筋腱を手掌にて触診しています。

深指屈筋

深指屈筋の個別ストレッチング

ストレッチ側の腕を肘関節伸展,前腕回外,手関節背屈位とし、反対側の手で第2-5指のDIP関節までを把持します。

そのまま手関節と手指全体(DIP関節まで)を伸展していきます。この際に、肘関節を軽度屈曲すると停止部が主に伸張されます。

深指屈筋,ストレッチ,方法

③長母指屈筋の概要

長母指屈筋(flexor pollicis longus)は前腕前面に位置する筋肉です。深指屈筋と並んで走行し、筋腹は浅指屈筋に覆われています。

長母指屈筋
支配神経 正中神経の前骨間神経
髄節 C8-T1
起始 橈骨前面、前腕骨間膜の前面
停止 母指末節骨底の掌側
栄養血管 前骨間動脈
動作 母指のIP,MP関節の屈曲、手関節の橈屈
拮抗筋 短母指伸筋、長母指伸筋

長母指屈筋の触診方法

下記の写真では、母指IP関節だけの屈曲運動にて、長母指屈筋を触診しています。

長母指屈筋

長母指屈筋の個別ストレッチング

ストレッチ側の腕を肘関節屈曲,前腕回外,手関節背屈位として、反対の手で母指を把持します。

そのまま母指を伸展させていくのと同時に前腕回外と手関節背屈を増大させていきます。伸張時は、母指の全関節を伸展するようにしてください。

長母指屈筋,ストレッチ,方法

手指屈筋の運動貢献度(順位)

貢献度 手指屈曲 手関節掌屈 母指屈曲
1位 浅指屈筋 浅指屈筋 長母指屈筋
2位 深指屈筋 深指屈筋 短母指屈筋
3位 虫様筋 尺側手根屈筋 母指対立筋
4位 橈側手根屈筋

前腕の断面図

前腕中央を断面でみた場合、浅指屈筋は長掌筋と橈側手根屈筋の深層に位置しています。浅指屈筋の深層には深指屈筋と長母指屈筋があります。

浅指屈筋は深指屈筋と比較すると断面積はやや小さいですが、浅部に位置しているために手関節や手指の屈曲に対しては貢献度が高くなっています。

前腕中央の断面図|深指屈筋、浅指屈筋、長母指屈筋

手指屈筋(外在筋)について

手指の屈筋は大きく分けて内在筋と外在筋に分類することができます。

手内在筋は、手根骨もしくは手指骨に起始と停止を共に持つ筋肉のことを呼びます。それ以外に起始や停止を持つ場合は外在筋とされます。

手指屈筋 支配神経
内在筋 短小指屈筋 尺骨神経
短母指屈筋 正中神経,尺骨神経
虫様筋 正中神経,尺骨神経
外在筋 浅指屈筋 正中神経
深指屈筋 正中神経,尺骨神経
長母指屈筋 正中神経

屈筋腱の腫脹は手根管症候群を招く

手指屈筋の外在筋(浅指屈筋,深指屈筋,長母指屈筋)は正中神経とともに手根管内(下図の緑色部分)を通過しています。

そのため、外在筋が障害を受けて腫脹を起こすと、手根管の内圧が上昇して正中神経を圧迫し、指先に痺れを生じます。その状態を手根管症候群と呼びます。

症状を和らげるためには、前腕を走行している外在筋を弛緩させるように操作を加え、炎症症状の早期鎮静に努めます。

手根管を通過する筋肉や腱

関連記事:手根管症候群のリハビリ治療

筋力トレーニング

①柔らかいゴムボールなどを把持して、指で潰すようにして握りしめていきます。
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②母指の屈曲運動に対して、反対の母指にて抵抗をかけます。選択的に長母指屈筋を強化することができます。
長母指屈筋,筋トレ,徒手抵抗,方法
③上肢を前方に挙上した状態でグーパーの動作を繰り返します。しっかりと大きく指は動かすようにし、腕がだるくなるまで反復します。
深指屈筋,筋トレ,方法,グーパー
④手の平を上に向けてバーベルなどの重りを持ち、手関節を掌屈させます。
浅指屈筋,ダンベル,筋トレ

手指屈筋(外在筋)のマッサージ方法

手指屈筋は表層を長掌筋と橈側手根屈筋に覆われており、その下に浅指屈筋が位置し、さらに下方に深指屈筋と長母指屈筋が位置しています。

そのため、表層筋の上から母指などを用いて深く押圧しながら、筋の走行をイメージして圧を加えていくことが必要となります。

屈筋支帯をマッサージする場合は、術者の母指を手首から約2-3㎝遠位の掌側に置き、横側に滑らせていきます。

深部には正中神経や腱が走行していますので、あまり強く圧迫しすぎないように注意しながら実施していきます。

お勧めの一冊

筋肉の走行を見ながら触診やマッサージ方法を学ぶことができるベストセラー書です。付属のDVDで実際の流れを見て覚えることができるのでお勧めです。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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