リハビリ(治療)で役に立った本をランキング形式で紹介

ブログの売上は本にぶっ込んでいる管理人から、実際の治療で役に立った本をランキング形式で紹介していきます。

整形外科に勤務している関係から中枢の本はあまり読んでいないので、そこを除いたものを中心に完全な個人判断で掲載させてもらいます。

この記事の目次はコチラ

1位:アナトミー・トレイン

どの本を1位にするかはだいぶ迷いましたが、自分の臨床に最も影響を与えたのがアナトミー・トレインだと思ったので選びました。

筋膜と聞いてもまだ多くの理学療法士は、「よくわからないけど最近は頻繁に耳にするよね」ぐらいの感覚だと思います。

しかしながら、この筋膜の連結を頭に入れることができたら、あらゆる痛みの原因を理論的につなぎ合わせることができます。

例えば、患者が頚部から上肢まで波及する痛みやしびれを訴えた場合に、ほとんどの医者は頚椎で神経が圧迫されているからと想定します。

そこから頚部のMRIを撮影しても明確な神経の圧迫はみられず、とりあえず「頚椎症」と診断して頸椎牽引をやることになります。

もしもそこに筋膜の知識があったなら、頚部の筋膜が硬いために繋がりを持つ上肢に痛みが波及している可能性があると予想できます。

そういった医者が持っていない視点を獲得できることから、絶対にアナトミー・トレインだけは読んでおくことをお薦めします。

2位:腰椎の機能障害と運動療法ガイドブック

一位に熱量を費やしたのでここからはサクサク書きますが、次にこの本を選んだ理由は、とにかく著者である赤羽根先生の解説がわかりやすいというところに尽きます。

根っからの臨床家であるため、机上の空論は一切なく、理論的かつ効果の出る方法を中心に解説してくれています。

さらにこの値段で3時間の講義をおさめたDVD付きであり、実技に関しても動画で何度も見返すことができます。

セミナーに1回行くよりも断然お得なので、臨床でも遭遇しやすい腰痛に関しては、まずはこの本で勉強してみてください。

3位:姿勢の教科書

私が尊敬している竹井仁先生の著書で、姿勢の状態や矯正方法について一般向けに書かれた非常にわかりやすい一冊です。

一般向けではありますが、専門家が読んでも十分な読み応えがある内容となっており、これは絶対に手もとに置いておいたほうがいい良書です。

あまりの人気に上肢・下肢編まで出版されましたが、内容的には似た部分も多いので、個人的には1作目だけでも十分かと思います。

4位:肩関節拘縮の評価と運動療法

こちらも先ほど紹介した赤羽根先生の著書ですが、もうとにかくわかりやすいの一言に尽きるので、絶対に読んでほしいです。

肩痛や腰痛に関しては毎日のように診ることがあるかと思いますが、この本を読んでいるかどうかで改善率は大幅に変わってきます。

とくにお薦めしたいのはDVDのほうで、動画なら何度も治療方法を見ることができますので、確実に技術を身につけられます。

こちらは腰椎の書籍と異なり、DVDが別売りですので揃えると高く付きますが、セミナーに行くよりも絶対にコスパはいいです。

5位:整形外科運動療法ナビゲーション


疾患別のアプローチ方法が記載されている本の中でも、このシリーズは別格に質が高いといえるほどの内容になっています。

整形外科リハビリテーション学会が出版しているだけあって、とにかく実用的でわかりやすいです。

疾患の概要について説明したあとには、実際の症例報告といった形で記載されており、それが理解のしやすさを加速させています。

整形外科クリニックで働いているなら、絶対に持っておきたい一冊です。

6位:運動療法のための機能解剖学的触診技術


著者の林典雄先生は赤羽根先生の師匠にあたる人で、理学療法士のFIFAランクがあるなら1位だと勝手に思ってます。

あまり知られてはいませんが、松坂大輔選手の肩を治療して劇的な復活を遂げさせたのが何を隠そう林先生です。

評価や治療をするうえで触診技術が大切なことは今さら言うまでもありませんが、ただ筋肉や骨に触れるだけでは不十分です。

その他の軟部組織の触れ方についても解説しており、とくに臨床上で必要となる部分を中心に記載してくれています。

本書はどの分野で働いていても絶対に持っておいて損はないので、まだ見たことがないなら是非ともチェックしておいてください。

7位:機能解剖学的にみた膝関節疾患に対する理学療法

また赤羽根先生かよ!ってツッコミがきそうで恐縮ですが、本気で膝痛を治したいなら絶対にこの本を読んでください。

整形外科で働いているなら肩痛・腰痛・膝痛は毎日のようにみますので、ここまでの3冊を持っておくだけで、外来リハビリに来られる患者の多くに対応することができます。

こちらもDVDは別売りとなりますが、これだけで一生モノの知識と技術が身につくと考えるとお安いもんです。

8位:運動療法のための運動器超音波機能解剖〜拘縮治療〜

林典雄先生は「組織学的推論」の王様とも呼ばれており、機能解剖の知識と病態を解釈する力はすべての理学療法士の中で断トツです。

タイトルは運動器超音波機能解剖という名前ではありますが、内容は超音波でここが拘縮しているのが確認できるから写真ようなアプローチをすることが必要といった実技がメインとなっています。

臨床でも遭遇しやすい拘縮について書かれているので、とにかく実用的な内容となっていることを保証します。

9位:筋膜マニピュレーション 実践編

筋膜を治療するうえで欠かすことができない一冊です。

こちらは値段が高いうえに理論編や内部機能障害編などの姉妹本がありますが、買うなら実践編だけで十分です。

本書には筋膜が硬くなりやすいポイントがまとめられており、どのような関連痛を起こすか、どうやって治療するかがわかりやすく書かれています。

筋膜リリースと同じぐらい筋膜マニピュレーションは重要なので、興味が出てきたら購入を検討してみてください。


10位:関節可動域制限―病態の理解と治療の考え方

セラピストの治療対象で最も多いのが関節可動域制限といわれており、それについて深く理解しておくことはリハビリの質を高めるためには重要です。

本書は拘縮研究についての第一人者である沖田教授の集大成ともいえる一冊に仕上がっており、リハビリ職なら絶対に読んでおくべき本のひとつです。

少し内容はハードルが高い部分もありますが、これを理解できるようになると拘縮治療に根拠を持って取り組めるようになります。

11位:運動機能障害症候群のマネジメント

理学療法士ならこの本をベスト3に入れる方も多いのではないかというぐらい良書ですが、値段がやや高いのと初学者には難しい部分もあるのでこの順位にしました。

実際の症例をもとに系統立てて説明してくれますので、なぜそのような状態にあるのかを理論的に学ぶことができます。

海外でも評価されている本なので続編もありますが、こちらはさらに値段が高いので、まずは一作目からチェックしてみてください。

12位:前庭リハビリテーション

ここまでに紹介した本とはやや毛色が異なりますが、とにかくこの本は文章も内容も素晴らしいです。

前庭のリハビリテーションについて、最新の見解がこれでもかと詳しく、そしてわかりやすく書かれています。

また、実用的なアプローチ方法なども詳細に書かれており、この本を持っておくだけでエビデンスのあるバランス障害へのアプローチが可能となります。

13位:ブラッシュアップ理学療法

本書は全国の優秀な理学療法士たちが、実際に臨床で使っているテクニックを紹介しているとても興味深い内容となっています。

いろいろなテクニックを一気に吸収することができ、あなたの理学療法をブラッシュアップできること間違いありません。

本書は非常に好評だったために、次作として「新ブラッシュアップ理学療法」も発売されています。

14位:ねころんで読める呼吸のすべて

おそらく呼吸について書かれた本の中で、最もわかりやすい一冊だと思います。

これから呼吸リハを勉強したいと考えているセラピストは、まずはこの本から読むと非常に勉強しやすくなるはずです。

本書もあまりに好評だったために2が出ており、もう少し知識を深めたい人は購入を検討してはどうでしょうか。

15位:強める! 殿筋

この本は個人的にお気に入りで、臨床家が書いた本なので実践的かつ内容が非常にわかりやすくなっています。

大殿筋の攣縮が原因で痛みを起こしている患者は多いので、整形外科で働いている方ならぜひ本書で学んでみてください。

姉妹本に「目醒める! 大腰筋」がありますが、こちらは作者も異なるので全く別物として考えてください。

内容的には参考になる部分もならない部分もありますが、大腰筋についてこれだけ書かれた本は他にないので興味があるならチェックしてください。

16位:シュロス法による側弯症治療

日本側弯症学会は側弯症に対する運動療法の効果を否定していますが、臨床では側弯症を担当することも多いです。

そんなときに治療の指標となる考え方(専門書)が必要ですが、それは本書以外に存在しないと思います。

実際に読んでみるとわかるかと思いますが、内容はとても理論的であり、一般向けに書かれた側弯症の怪しい治療本とはわけが違います。

17位:運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学

こちらはリハビリ職向けの専門書の中でも、とくに高い評価を受けており、長年にわたってベストセラーを獲得している一冊です。

タイトルの通りに、臨床での「なぜそうなるのか」といった疑問について、非常にわかりやすく解説されています。

なで肩だと胸郭出口症候群になるのはなぜか? 人工骨頭置換術後の疼痛はどうすれば軽減できるのか?

そんな日頃の疑問に対して、明確な回答を用意してくれていますので、これを読むだけでレベルアップすることは間違いなしです。

運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学が売れに売れまくったので、その続編として登場したのが本書です。

こちらも期待をまったく裏切らない内容であり、これを読むだけで痛みの原因部位の特定が楽になります。

新人なら絶対に役立つ内容であり、中堅やベテランでも新しい発見がいくつもあるのではないかと思います。

厳密に書くと評価戦略の前に超音波解剖というシリーズ本が発売されていますが、前述した林先生の著書のほうが個人的にお薦めです。

18位:系統別・治療手技の展開

治療手技に関してまとめられた本はいくつもありますが、その中でもダントツにわかりやすくまとめられているのがこの一冊です。

あらゆる徒手療法に精通している竹井先生が編集をされていますので、その内容についても折り紙付きといえます。

19位:マッスルインバランスの理学療法

荒木茂先生の著書で、マッスルインバランス(筋の不均衡)に対する治療について書かれた本になります。

治療していくうえで根幹となる大切なことが多く書かれているため、現在の臨床にも大きく影響を与えている一冊です。

20位:非特異的腰痛の運動療法

整形外科で働いている療法士なら1度は読んでほしい良書です。

原因の特定が難しい腰痛に対して、その評価法から原因の特定方法まで詳しく書かれており、その理論や根拠も非常に納得のいく内容となっています。

本書も好評だったために姉妹本が発売されており、前作が運動療法が中心だったのに対して、次作はその前段階の評価と治療戦略が書かれています。

21位:林典雄の運動器疾患の機能解剖学に基づく評価と解釈


こちらも林典雄先生の著書ですが、初学者向けにイラストを多用しており、かなりわかりやすく書かれています。

上肢編と下肢編の2冊に分かれていますが、どちらも構成はほぼ同じなので、教科書を読んでも頭に入らないで寝てしまうような人向けです。

22位:股関節はもっともっと長持ちする

股関節の治療に人生を捧げた理学療法士で股関節専門の整体院を運営している松本正彦さんの著書です。

この本を読むことで変形性股関節症に対する考え方が180度変わったと言ってもいいぐらい衝撃的な内容でした。

23位:野球肩・ひじ・腰の鍛え方・治し方

スポーツ整形外科の第一人者である間瀬泰克先生が監修している本です。わかりやすくまとめられており、セラピストが読んでも勉強になります。

野球に特化して書かれていますが、その他の肘関節障害(テニス肘、ゴルフ肘など)の治療にも活かせる内容となっています。

24位:石井直方の筋肉まるわかり大事典

筋肉博士でお馴染み(?)の石井教授の一冊です。もうとにかくその知識量は半端ではなく、一般読者を対象としているために内容も非常にわかりやすいです。

石井教授の執筆している本はすべて持っていますが、その中でもとくにお勧めなのがこの一冊です。理学療法士なら絶対に読んでおくべき本です。

25位:痛みの考えかた しくみ・何を・どう効かす

リハビリを行う上で最も治療の対象となりやすいのが疼痛であり、外来リハにおける患者の主訴も、そのほとんどが痛みです。

痛みについて書かれた本はこれまでにいくつも読みましたが、その中でも最も詳しく、そしてわかりやすく書かれている本だと思います。

痛みについて正しく理解しておくことは、患者を治療していくうえで絶対に必要不可欠な知識といえます。

26位:ファッシャル・リリース・テクニック

1位で紹介したアナトミー・トレインの著者であるトム・マイヤーズ氏が書いた筋膜リリースの実技書です。

こちらに具体的なテクニックは書かれていますので、筋膜マニピュレーションと合わせて手元に置いておきたい一冊です。

27位:筋肉の使い方・鍛え方パーフェクト事典

このパーフェクト辞典のシリーズ本もすべて持ってはいるのですが、ここでは最新作をピックアップして紹介したいと思います。

この本は石井教授が監修しているだけあって情報は確かですし、その内容も非常にわかりやすい構成となっています。

一冊は持っておいて損はないはずです。

28位;オステオパシーの内臓マニピュレーション

内臓については苦手なセラピストが多いかと思いますが、私もその中のひとりです。筋肉や関節は好きですが、内科はどうも専門外な感じがあります。

そのような気持ちで勉強がてらに読んだ一冊ですが、この本を読むことで大きく視野を広げることができるようになりました。

内臓のことを少しでも知っておくと、患者のことをより深く理解することができるようになり、治療の効果がグッと上がるはずです。

29位:自分で治せる! 腰痛改善マニュアル

腰痛体操で有名なマッケンジー体操について、一般向けにわかりやすく書かれているのが本書です。

なぜこれほどまでに世界中に拡がっていったかを想像しながら読むと、それだけでも面白い本だと思います。

30位:クリニカルマッサージ

本書はアマゾンで何年にもわたってベストセラーを続けている良書で、主に筋肉の走行に沿って圧を加えていくストリッピングの手技が中心になっています。

そのため、筋肉の走行についても理解できますし、書籍のほうには筋肉の関連痛など詳細についても記述されており、とてもお勧めな一冊です。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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