理学療法士の生涯収入は国立・公立病院が圧倒的に高い

理学療法士の生涯給料を考えた場合に、民間病院や一般企業で働くよりも、圧倒的に国立・公立病院で働いたほうが高くなります。

私の友人は某公立病院に勤めており、50歳で役職なしの先輩理学療法士の給与明細を見たらしいですが、その明細から計算するに年収は約700万円ほどだったそうです。

おそらく役職が付いたなら年収で800万円ちかくになると考えられ、この額を民間病院でもらうことはまず不可能でしょう。

もちろん公立病院は地方公務員なので県や市によって給与はピンキリなので、就職する前に調べておくことが大切です。

例えキリだとしても、ボーナスや退職金はしっかりと出ますし、昇給もあるはずです。

これが民間病院や一般企業だと定期の昇給がないところもかなり増えており、ボーナスも売上げに左右されてしまいます。

また、退職したあとの年金にも差が出てしまい、公務員なら共済年金となるために厚生年金よりも高いお金が入ってきます。

すべてを考慮すると生涯収入で1.5倍〜2倍ちかい違いになるため、圧倒的に国立や公立病院に就職したほうが良いといえるでしょう。

さらに年間の休みも多いですし、残業もほとんどありません。

リハビリテーション科の売上なんて気にしてないところも多いので、単位をとることに追われることもないでしょう。

これが民間企業ならより多くの単位をとるために無理な予定を組まされたり、週6出勤で毎日8時間勤務といったブラックなところも結構あります。

場所によっては医師の後継者がおらずに閉院したり、患者数が減少してリハビリ室を閉めたりして、再就職に困っている知り合いもいます。

国立病院などではこのような心配事もないので、もう圧倒的にお薦めという話になるわけです。

しかしながら、大卒以上でコネがあったりしない限りは、普通のなにもない専門卒が今から入職するのは難しいです。

ここからは少しだけ視点を変えた話を書きますが、民間には民間のメリットが多くあると私は考えています。

そのひとつが「転職」です。

私はこれまでに5度の転職を経験しましたが、そこで多くの経験を積んでおり、他のセラピストよりも広い知識を持っています。

そのうちのひとつは介護学校の運営であり、他の2箇所では通所リハビリテーションの起ち上げを行いました。

これらの経験から、株式会社を設立して介護保険事業所(通所介護や訪問看護ステーション)を運営することも可能です。

ただ、私の場合は人を雇ってから上に立つような器ではないので、サイトを運営しながら収益を上げるスタイルをとっています。

サイトの運営に関しても、これまでの経験がなかったら絶対にできなかったでしょうから、すべては積み重ねのおかげです。

話を戻しますが、国公立の病院に勤めていたら将来は安泰かもしれませんが、そこに大きな波風は立ちません。

それはある意味で退屈なレールを若くに敷かれることであり、将来の可能性を犠牲にしていると言い換えられます。

起業を目指すのなら、民間病院や一般企業に就職するほうが知識を得られるので、そこに注力することが大切です。

国公立の病院に勤めている同期が何人かいますが、その人たちよりも私の年収は高くなっています。

それは努力を続けてきた結果がであり、職を変えながら知識や経験を蓄え続けてきた部分が大きいです。

理学療法士や作業療法士にとっては、将来に対してのお金の不安がある人が大半だと思います。

あまり参考にはならないかもしれませんが、私が経験してきたことをまとめた記事も書いてますので、そちらも良かった読んでみてください。

  • 理学療法士が副業と転職で収入をアップさせる3つの方法

 

国公立の病院が圧倒的に給料も高くて安泰だと書きましたが、これは「現在の状態が続くなら」といった前提があってこそです。

日本の財政において、その半分は国債(借金)によってまかなわれており、そこから国や市の職員は給与を得ています。

ギリシャのように財政が破綻してしまうと、公務員は一斉に解雇されたり、給与が激減する可能性も非常に高いです。

そのように考えてみると、必ずしも安泰とはいえまず、この先にどう転ぶかなんて誰にもわからないでしょう。

もちろん、医療保険や介護保険の制度が崩壊したら、そこから給料をもらっているリハビリ職も同時に危ういわけですが。。。

だからこそ、その時に備えてどうするかを常日頃から考えるようにし、人に頼らないで生きていく方法を見つけておいてください。

現在の職場において、今後の給料やスキルアップに期待がもてないなら、将来のことを考えて職を変えるのもひとつの手段です。

PT・OTの求人情報に関しては、マイナビなどの大手転職サイトを使用したほうが情報を集めやすいです。

とくに関東や関西、東海地方はハローワークよりも情報が充実していますので、転職の希望があるなら是非とも目を通しておいてください。

 


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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