リハビリテーション介護職でいいよね。一定の知識、技術水準担保されるし。捉え方によっては、なかなかなブルーオーシャンだと思うけどなー。それが嫌なら何かで突き抜けるしかないよね。 https://t.co/iOWS38y3hg
— 羽田真博@複業人生 (@yorisoiya) 2019年1月5日
これからさらに介護士が足らなくなる問題において、数の多いリハビリ職が介護士の仕事を手伝うようになるのは必然の流れだと思います。
リハビリテーション介護職という響きが妙にしっくりきたので上記のツイートを引用しましたが、ここには多くの問題が潜んでいます。
①リハビリ職の給与問題
理学療法士や作業療法士を介護職に誘導したい場合は、転職して給与が下がりすぎないようにある程度の額を支払うことが条件となります。
この問題を解決するためには事業所レベルでは無理な話なので、介護報酬改定にて、介護職の中にリハビリ資格保持者を一定数配置している事業所には加算がとれるようにします。
そうすることでリハビリテーション介護職の給与を確保できるようにし、転職への障壁を少なからず取り除くことができるはずです。
ただし、現実的な話を書くと、国としては社会保障費を上げたくはないので報酬を増やす方向に持っていくことは難しいでしょう。
それよりもリハビリ職は増えすぎたせいで給与が下がっており、介護職は足らなすぎて給与が上がっています。
この流れが続くと自然に給与は逆転していきますので、新たな加算を作らなくても、給与を上げるためにリハビリ職が介護職へ転職するといった事例が徐々に増えていくのではないかと考えています。
②介護福祉士との棲み分け
理学療法士や作業療法士はあくまでリハビリ職のため、現状、介護職になったら扱いは無資格者と同じです。
介護の国家資格はあくまで介護福祉士だけであり、介護のプロフェッショナルは看護師でも理学療法士でもありません。
すでに施設の配置基準などで介護福祉士を一定数配置している事業所に加算がとれるような制度は存在しており、ここにリハビリ職を組み込んだ場合に、どのような棲み分けとするかは難しいところです。
リハビリ職は身体に関する専門的な知識や技術を持ってはいますが、介護に関しては素人も同然です。
もちろん実際は身体を動かすプロなので介護(介助)も得意なのですが、介護福祉士よりも介護職として上位資格と位置付けることはできません。
このあたりは非常にシビアな問題なので、どのように棲み分けをしていくかは多くの課題が残るのではないでしょうか。
③介護の仕事を本当に選ぶのか
そもそもリハビリの仕事をやりたくて資格を取得した若者たちが、果たして介護の仕事を選ぶのかといった問題があります。
給与は変わらない、もしくは少しだけいいとしても、学校を卒業するまで想像もしていなかったような仕事をやることになるわけです。
しかもリハビリテーション介護職としての立ち位置もフワフワした状態なら、おそらくは絶対にやりたくはないはずです。
この流れができると病院などの退職者は確実に減り、希望の求人がないのでしょうがなく介護の仕事をするといった新卒者が増えます。
もしくはこの流れを危惧して資格をとる人たちが激減してしまい、また人手が足らなくなるといったことにもなりかねません。
おわりに
未来のことは誰にもわからないとかよく言いますが、それは必ずしも正しくはなく、わかる未来も当然にあるわけです。
例えば、「将来、日本人の人口は減る」なんて未来は、そのへんの小学生でも知ってるよう未来です。
この感じでわかる未来を書くと、①あと25年は高齢者が増え続ける、②リハビリ職は増えすぎて余る、③介護職はさらに足らなくなるなどがすでにわかっているわけです。
わからない未来を予測して動くよりも、絶対にやってくる未来を見据えて動くほうがまずは大切ではないでしょうか。
リハビリテーション介護職という位置づけができるかはわかりませんが、高齢者が増えすぎて、介護士が足らなすぎて、リハビリ職が余ってくるのは紛れもない事実です。
そのときに自分はどうしていたいかを考えるべきであり、それに向けて今から準備しておくことが大切なわけです。
人生は先がわからないから面白い、みたいなギャンブル思考はやめて、これから起こる日本の問題についてみんなで真剣に考えていきましょう!