これまでの5度の転職経験をもとにして、リハビリ職が最も働きやすく、将来性がある職場はどこかについて解説していきます。
各法人について
理学療法士や作業療法士が就職する場所は、大きく分けて、①医療法人、②社会福祉法人、③営利企業(株式会社)の三つがあります。
①や③については幅が広すぎるので詳細は後述しますが、平均値を考えてザッと表にまとめると以下のようになります。
法人 | 将来性 | 倒産 | 給与 |
医療法人 | ★★★ | ★★ | ★★★ |
社会福祉法人 | ★ | ★ | ★ |
営利企業 | ★★ | ★★★ | ★★ |
優秀な人なら営利企業で活動した方が絶対にいいですが、将来的に会社を起こしたり、出世したいと考えていないのなら営利企業はお勧めできません。
以下に、各法人への就職について記述していきます。
医療法人への就職
医療法人への就職先は主に病院(20床以上)、または医院(19床以下)で、医療事業に該当します。
場合によっては、医療法人でも介護事業である介護老人保健施設や通所リハで働く場合がありますが、これらは医師の在中が要件にあるので、そのほとんどが病院や医院の併設になります。
病院の中でも、さらに国立病院や大学病院といった大きな病院(大病院)と、地域密着の小さな病院(小病院)に分けることができます。
種類 | 将来性 | 倒産 | 給与 |
大病院 | ★★★ | ★ | ★★★ |
小病院 | ★★ | ★★ | ★★ |
医院 | ★ | ★★★ | ★★ |
お勧めなのは大病院で、母体が大きいので福利厚生がしっかりしており、スタッフの数も多いので教育に力を入れているところが多いです。
反対にお勧めできないのは医院で、田舎の医院は後継者がおらず、院長が亡くなって閉院となるところも非常に多いです。
また、私の周りでも昇給がなくなってしまったというリハビリ職は非常に多く、経営状態の影響を受けやすいといえます。
社会福祉法人への就職
社会福祉法人は知ってるようで知らない人が多いと思いますので説明すると、社会福祉事業を行うことを目的として社会福祉法の規定により設立された法人です。
ちょっと表現がわかりづらいですが、簡単に書くと公益性が高く、営利を目的としない民間法人になります。
その公益性の高さから、設立後も所轄庁等の厳しい監督下に置かれることになりますが、補助金の交付や税制面での優遇措置といったメリットがあります。
そのため、倒産するといったリスクはほとんどないことが最大の利点です。
理学療法士や作業療法士が社会福祉法人で働く場合、そのほとんどは介護老人保健施設(または併設する通所サービス)にて従事することになります。
デメリットとしては、営利企業ではないので利益は低く、職員への給与もあまり高くはならないといった部分があります。
営利企業への就職
営利企業とは、株式会社や有限会社などのいわゆる一般企業です。そのため、その規模や職域も非常に様々です。
その中でも大きく分けると、理学療法士が主に就職する先は、介護事業と非保険事業のふたつになります。
介護事業の場合は、民間会社でも設立できる訪問リハビリや通所介護といった職域が主な就職先になります。
非保険事業とは、例えば球団の専属トレーナーであったり、整体業であったり、保険を使わずに利益を得ている事業になります。
まだ就職先としては非常に少ないですが、今後はリハビリ職の供給過多による職域拡大で増えていく形態かと思います。
営利企業のメリットとデメリットは表裏一体な部分があり、頑張れば頑張った分だけ給与が上がる可能性があります。
また、会社内でノウハウを蓄積することにより、いずれは自分で開業に結びつけることもできます。
しかし、努力を怠っていると給料もすぐに頭打ちになり、出世の可能性もありません。また、常に倒産のリスクがあるといった側面もあります。
最近は理学療法士や作業療法士の起業家も増えてきましたし、中には経営者としても相当に優秀な人がいたりします。
例えば、株式会社エバーウォークの輪違社長なんかは凄いですね。
他にも株式会社メディカルエージェンシーという会社もやってますし、そちらはリハビリ職向けで最大の情報サイトです。知ってる方も多いのではないでしょうか。
もしも、わざわざ民間の営利企業で働くのなら、やはり優秀な社長がいるところで働いたほうがいいと思いますよ。
医療事業と介護事業のどちらがいいか
この問いに対して、一概に答えを出すことは難しいですが、今後のことも考えると医療事業のほうが私はいいと考えています。
介護事業で働いている療法士はおわかりかと思いますが、前回の介護報酬改定で作成する資料が大幅に増え、かつ会議の数も爆発的に増えました。
その負担がそっくりそのままリハビリに回ってきたというところは多いのではないでしょうか。これは由々しき事態だと思います。
なぜそのような経緯に至ったかというと、介護事業で慢性的にリハビリを受け続ける人たちの締め付けというのが大きなひとつの理由です。
今後もその傾向は続いていきますので、リハビリ職の仕事としてはさらに面倒なことが増えていくのではないかと推察されます。
これらのことを考慮すると、医療法人かつ介護事業をやっていないところが仕事的には最も楽になっていくのではないかと勝手ながらに思っています。
しかしながら、大病院の倍率はとても高く、首都圏では1名の枠に何十人と応募が殺到する光景も普通になってきています。
今後は人気の就職先と不人気の就職先がますます二極化されていき、このままでは介護事業はさらに不人気となっていく可能性が高いです。
転職を成功させるためには
転職するまでには履歴書を書いたり、職場を見学したり、面接を受けたりと、かなりの時間や体力を必要とします。
そこまでして職場を変えたのに、実際に働いてみたら想像していたのと全然違ったということは多々あります。
転職を失敗しないためには、事前にその職場の情報をどれだけ手に入れることができるかにかかっています。
それを解決してくれるのがキャリアコアンサルタントの利用で、私は担当者に条件を伝えて、なるべく情報を得るようにしました。
転職サイトの中にはあまり情報を持っていないところも多いので、医療介護に精通した会社を選ぶことがポイントです。
私が実際に使用したのは大手転職サイトのマイナビで、ここは医療職の転職サイトでも最大手なので条件のいい求人も揃っています。
もしも将来的に転職を考えているなら、リハビリ職は今後も激増していきますので、今すぐに行動してください。
条件のいい求人はすぐになくなりますので、とにかく情報をチェックして、その機会を虎視眈々と待ち続けることが大切です。
転職を成功させるためには、それ相応の準備と努力が必要です。
そのことを肝に銘じていただき、是非ともいい職場に就けるように今日から頑張ってみてください。
下記より1分で簡単に登録できますので、どのような求人があるかを見たい方は活用してみてください。