科学的な適職という本を読んでみて、仕事について考えるきっかけになったので考察していきます。
好きなことを仕事にするべきか
理学療法士という仕事が大好きで資格をとり、働き始めてからも楽しくて毎日充実しているという人は一体どれだけいるでしょうか。
自分の場合はどんな仕事かもよく知らずに専門学校に入り、特に思い入れもないので途中で親に学校を辞めると宣言したこともあります。
そこを乗り越えてどうにか就職したはいいけど情熱が沸くこともなく、たったの2年で理学療法士をやめてしまいました。
そこから数年ほど別の仕事やニートをしてから、働き口がなかったからしょうがなくPTに戻ってきたような状態でした。
しかしながら、今となっては仕事が楽しいですし、この資格を取ることができて本当に良かったと思っています。
科学的な適職という本にも書かれていましたが、「好きなことを仕事にするのが幸せ」と考えるタイプよりも、「仕事は続けるうちに好きになるもの」と考えるほうが将来的な幸福度は高くなるそうです。
自分の場合も出戻りしたときに、「これからこの仕事でずっと食べていくのなら楽しいほうがいい」と思い、楽しくなるためには結果を出せるようになることが一番だと考えて勉強することにしました。
その積み重ねが仕事を楽しいと思えるようになった理由であり、ただ単純に仕事を続けるのではなく、そこにたどり着くまでの努力も同時に必要だと今では感じています。
仕事への情熱は自分がこれまでに注いできたリソースの量に比例するので、努力する行為そのものが、仕事への情熱につながります。
職場の人間関係
仕事を辞める理由は様々ですが、その根底の理由のほとんどに「人間関係」が関わっていると言われています。
人生のほとんどは仕事をしているわけですから、その環境でストレスがあるというのは非常に良くない状態ともいえます。
職場に3人以上の友達がいる人は、人生の満足度が96%も上がり、同時に自分の給料への満足度が2倍になるそうです。(同じ金額でも)
さらに職場に最高の友人がいる場合は、仕事のモチベーションが7倍になり、作業スピードが上がることが報告されています。
それだけ職場の人間関係というのは生きていくうえで重要であり、給料などの要因よりも人生に影響を与える因子となります。
私はジョブホッパーだったので、これまでにいろいろな職場を経験してきましたが、やはり楽しかった職場というのは例外なく仲のいい友達がいました。
これは働いてみないとわからない要素なので、現在の職場で仲が良い同僚が複数人いるなら、それだけでラッキーだといえます。
労働時間と通勤時間
職場を選ぶうえで重要視したほうがいい部分として、労働時間と通勤時間があります。
通勤時間が長くなるほどに幸福度が下がっていくことがわかっており、離婚率も高くなることが報告されています。
また、週の労働時間が40時間を超えると脳卒中のリスクが高くなり、55時間を超えると心疾患や糖尿病のリスクまで高まります。
この結果から言えることは、残業がある職場は健康リスクを高めることになり、それは結果的に幸福度を下げることにつながります。
労働時間や通勤時間は事前に調べることが可能であり、人間関係のような不確定要素が少ないので参考にすべきポイントになります。
労働環境のポイント
雇用が不安定であることや、組織内に不公平が多い職場は、幸福度を大きく下げる原因となります。
理学療法士は正社員であるケースが多いので、これらの項目に該当することは少ないかもしれませんが、もしも非正規の場合は注意が必要です。
ボーナスなどに差があったり、正社員と扱いが異なることは多いので、それが気になるようなら転職も検討すべきです。
もうひとつ幸福度を下げる要因として、仕事のコントロール権がないことが挙げられており、平たく書くなら意見が通らない環境ともいえます。
仕事において「こうしたい」という思いがあったとしても、そのような発言を許されないことは多々あります。
役職などが付いて、発言権が出てきたら同時にコントロール権も出てきますが、それだけしか方法がないというのは理不尽です。
誰でも気兼ねなく意見を言えるフラットな環境のほうが、結果的に幸福度の高い(離職率の低い)職場を作ることにつながるはずです。
おわりに
あなたにとってPTが適職かはわかりませんが、少なくとも10年前の私にはPTは適職ではありませんでした。
しかしながら、現在の私には適職であり、誰にでも適職にできる可能性はあると今では考えています。
そのために必要なことが冒頭で紹介した本に書かれており、とても勉強になる部分が多かったです。
仕事が楽しくないと考えている人は、ぜひとも一読してみてください!