筋の拘縮は「攣縮」と短縮」に分類できる

先日に赤羽根先生の新著「五十肩の評価と運動療法」が発売されたので早速購入しました。

その本に拘縮は「攣縮」と「短縮」に大別でき、双方の治療は異なるため、両者を区別してからアプローチすることが大切であると書かれていました。

私は赤羽根フリークなので先生の著書はすべて持っていますが、その本のどれもに「攣縮」という言葉が使われており、何となく理解していたつもりでいました。

しかしながら、その明確な違いについて書かれているものがなかったので、今回はそれを表にして掲載してくれているのは非常に有難かったです。

攣縮 短縮
圧痛 認める 認めにくい(少ない)
伸張位 緊張増大、疼痛出現 緊張増大
弛緩位 緊張低下も緊張は残存 緊張低下
等尺性収縮時痛 顕著に出現しやすい 出現しにくい
筋力低下 認めやすい 認めにくい

生理学的には、筋攣縮は「意識とは関係なく筋の痙攣と虚血が生じている状態」と説明されています。

これは脊髄反射を基盤としており、運動神経による活動電位が高ぶることで筋内の血管が圧迫され、血液循環が滞ることで筋細胞が徐々に変性し、その過程で発痛物質が放散されます。

この過程を考えると、圧痛が認められる筋肉は攣縮しているため、マッサージなどで緩めて血流を良くすることで疼痛を緩和させることができるといえます。

筋の拘縮(攣縮・短縮)は腱や骨の負荷が増加し、その期間が長期化すると、腱と骨の間に痛みを認めるようになります。

ケースによっては腱に腫脹や部分断裂が生じるので、できる限りに拘縮を取り除くことがリハビリを実施していくうえで重要な視点になってきます。

五十肩では、筋の攣縮も短縮もどちらも生じるため、その具体的なアプローチ方法を知りたい方はぜひ赤羽根先生の新著をチェックしてみてください。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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