介護老人保健施設(老健)において、経口移行加算を算定するための要件について掲載しています。また、原文のあとに簡単な解説を記載します。
経口移行加算の単位(老健)
経口移行加算の算定要件
5(19)
①経口移行加算のうち経管栄養から経口栄養に移行しようとする者に係るものについては、次に掲げるイからハまでの通り、実施するものとすること。 |
イ) 現に経管により食事を摂取している者であって、経口による食事の摂取を進めるための栄養管理及び支援が必要であるとして、医師の指示を受けた者を対象とすること。医師、歯科医師、管理栄養士、看護師、言語聴覚士、介護支援専門員その他の職種の者が共同して、経口による食事の摂取を進めるための栄養管理の方法等を示した経口移行計画を作成すること(栄養ケア計画と一体のものとして作成すること)。また、当該計画については、経口による食事の摂取を進めるための栄養管理及び支援の対象となる入所者又はその家族に説明し、その同意を得ること。なお、介護福祉施設サービスにおいては、経口移行計画に相当する内容を施設サービス計画の中に記載する場合は、その記載をもって経口移行計画の作成に代えることができるものとすること。 |
ロ) 当該計画に基づき、経口による食事の摂取を進めるための栄養管理及び支援を実施すること。経口移行加算の算定期間は、経口からの食事の摂取が可能となり経管による食事の摂取を終了した日までの期間とするが、その期間は入所者又はその家族の同意を得た日から起算して、180日以内の期間に限るものとし、それを超えた場合においては、原則として当該加算は算定しないこと。 |
ハ) 経口による食事の摂取を進めるための栄養管理及び支援が、入所者又はその家族の同意を得られた日から起算して、180日を超えて実施される場合でも、経口による食事の摂取が一部可能なものであって、医師の指示に基づき、継続して経口による食事の摂取を進めるための栄養管理及び支援が必要とされる場合にあっては、引き続き当該加算を算定できるものとすること。ただし、この場合において、医師の指示はおおむね2週間ごとに受けるものとすること。 |
②経管栄養法から経口栄養法への移行は、場合によっては、誤嚥性肺炎の危険も生じうることから、次のイからニまでについて確認した上で実施すること。 |
イ) 全身状態が安定していること(血圧、呼吸、体温が安定しており、現疾患の病態が安定していること)。 |
ロ) 刺激しなくても覚醒を保っていられること。 |
ハ) 嚥下反射が見られること(唾液嚥下や口腔、咽頭への刺激による喉頭挙上が認められること)。 |
ニ) 咽頭内容物を吸引した後は唾液を嚥下しても「むせ」がないこと。 |
③経口移行加算を180日間にわたり算定した後、経口摂取に移行できなかった場合に、期間を空けて再度経口摂取に移行するための栄養管理及び支援を実施した場合は、当該加算は算定できないものとすること。 |
【解説】経口移行加算が算定できる限度日数は180日である。 |
④入所者の口腔の状態によっては、歯科医療における対応を要する場合も想定されることから、必要に応じて、介護支援専門員を通じて主治の歯科医師への情報提供を実施するなどの適切な措置を講じること。 |
Q&A(厚生労働省通達)
Q.言語聴覚士又は看護職員による支援とは何か。 |
A.入所者等の誤嚥を防止しつつ、経口による食事の摂取を進めるための食物形態、接種方法等における特別な配慮のことをいう。 |