背中(肩甲骨の内側)が痛むとの訴えがある場合に、チェックしておきたい筋肉に胸最長筋や胸棘筋があります。
これらは脊柱起立筋群のひとつであり、胸椎に停止する筋肉です。
筋肉の大前提として、起始よりも停止部のほうが動く(引っ張られる)ため、停止部に障害が起こりやすくなっています。
脊柱起立筋群に攣縮が存在すると、腰部痛よりも背部痛のほうが生じやすく、筋膜に滑走不全が存在すると棘上靭帯にも影響します。
胸椎屈曲が制限されてしまうので、患者によっては息苦しさを訴える場合もあります。
胸最長筋や胸棘筋に触れていく場合に、浅層には広背筋や僧帽筋下部線維、菱形筋などが存在し、深層には多裂筋が存在しています。
このあたりの配置を意識しながら触診していくことで、より鮮明に問題のある場所を探していくことができます。
問題のある場所(攣縮のある筋線維)というのは、他よりも感度が高くなっていたり、明らかな滑走不全がみられます。
そこをどれだけ見つけてリリースできるか、そして再発しないように姿勢や動作の意識、ストレッチなどの自主運動の定着が重要となってきます。
背部痛は臨床的にも遭遇しやすいところなので、是非ともチェックしてみてください。