腎臓(kidney)は、左右に1つずつ存在しており、合計で2つあります。
肝臓や胃、腸、膵臓などと共に腹腔内に存在していますが、その中でも最も深部に位置しています。
上の模型を見ていただくとわかりますが、左腎臓のほうが右腎臓よりも高い位置に存在しています。
これは右腎臓の上部に肝臓が位置しているからであり、通常は左腎臓のほうが1〜2センチほど上にあります。
さらに詳細に位置を描くと、腎臓の上端は第11肋骨、下端は第2〜3腰椎(ヘソの高さ)に位置しています。
腎臓の大きさは、長さ12㎝、幅7㎝、厚さ3㎝になります。
もう少しアップで見てみると、腎臓には腎動脈と腎静脈が入り込んでおり、さらに尿管がつながっているのがわかります。
簡単に説明すると、腎動脈から血液が腎臓に流れ込んでいき、そこで濾過されてから腎静脈に戻っていきます。
その一部(1%ほど)は尿管のほうに流れ込んでいき、それが膀胱まで下行していき、尿として排出されます。
腎臓の形状はそら豆に激似であり、腎臓サポート協会の会報誌は「そらまめ通信」という名前にしているほどです。(全然関係ないですけど)
腎臓は小さくて、非常にデリケートな臓器です。
内臓脂肪が付きすぎるのはよくありませんが、反対になさすぎると臓器を守るクッションがなくなった状態となります。
そこに激しい運動が加わると毛細血管が引き伸ばされて出血し、血尿が出ることも少なくありません。
腎臓の関連痛は、前方では腹部から膀胱あたりまでに、後方では腰部あたりに出現することが特徴です。
左右に1つずつ存在していますので、右側の腹部や腰部が痛むなら右腎臓を、左側の腹部や腰部が痛むなら左腎臓の障害を疑います。
腎臓は尿管と連結して膀胱につながるので、腎臓が原因で膀胱まで痛くなることは容易に想像がつきます。
腎臓で腰痛が出現する理由としては、腹腔に存在する臓器の中でも腎臓は最も背部に存在していることが大きいです。
右腎臓はとくに最大の臓器である肝臓が上方に位置しているため、肥大などが存在すると影響を受ける可能性は高くなります。
内臓の関連痛の場合は、安静にしていても痛みがおさまることはなく、重苦しい痛みが続くことになります。
腎臓に問題がある場合は、T12-L1の横突起の間、棘突起と横突起の先端の中間に圧痛点が出現します。
背中の筋肉(脊柱起立筋群や多裂筋)に覆われているため、直接的に臓器に触れるわけではありません。
触診したい場合は、仰向けに寝た状態で両膝を曲げて、腹筋群を十分に緩めた状態に保持します。
そこから臍の6㎝ほど外側に親指を押し込んでいき、小腸の上から間接的に触れて、硬さを感じることが可能となります。
左腎臓の場合はやや上方に位置しているため、右腎臓よりも1〜2㎝ほど上方から触れるようにします。
腎臓は滑らかで固い石鹸のような感触ですので、その感覚を目安にして触れるようにアプローチしてみてください。