腓骨神経麻痺のリハビリ治療について、わかりやすく解説していきます。
腓骨神経麻痺の概要
腓骨頭部に位置する腓骨神経が、外部からの圧迫などによって麻痺してしまった状態を腓骨神経麻痺と呼びます。
症状として、下腿外側や足背、足趾背側(第5趾以外)の知覚障害、足関節及び足趾の背屈障害(下垂足)を発症します。
原因として、下肢の牽引などで仰向けに寝た姿勢が続いたり、ギプス固定をしているときに圧迫されて生じることが多いとされています。
また、ガングリオンや腫瘍、挫傷、骨折などでも発生します。
腓骨神経の支配領域
支配筋肉
総腓骨神経 | 浅腓骨神経 | 深腓骨神経 |
大腿二頭筋(短頭) | 長腓骨筋 | 前脛骨筋 |
- | 短腓骨筋 | 長母趾伸筋 |
- | - | 長趾伸筋 |
- | - | 第三腓骨筋 |
- | - | 短趾伸筋 |
- | - | 短母趾伸筋 |
総腓骨神経は、脛骨神経と並ぶほどの太い神経であり、膝窩の上方で腓骨に沿って外側を走行しています。
膝窩で腓骨頭を回り、浅腓骨神経と深腓骨神経に分枝します。
支配知覚
装具療法
腓骨神経麻痺では下垂足となり、歩行時につまずいて転ぶリスクが高まります。
そのため、足関節を背屈位で保持する短下肢装具やストラップタイプの装具を作成して転倒を予防します。
麻痺が軽度の場合は、靴が足首まであるようなブーツタイプでも、足関節底屈を予防できる場合があります。
装具を使用しない場合は、つまずかないように下肢を高く上げてから歩く「鶏歩(鶏のような歩き方)」が出現します。
激安EMSで腓骨神経麻痺を治療する
ドンキ・ホーテで買い物をしていると、EMSの機械がなんと999円で売られていました。
しかも、当時に担当していた患者が腓骨神経麻痺を発症しており、職場に電気治療器がなかったので衝動買いしてしまいました。
それにしても激安です。さすがはドンキ・ホーテ。恐るべし。
強さは10段階から調節でき、6種類のモード(Hzの違い)と設定時間(5-30分)を選択できました。
電気治療器は値段が高いから効果があるというワケでもないので、しっかりと目的の筋肉に刺激が伝われば効果は出るかと思います。
腓骨神経麻痺の治療として購入したので、前脛骨筋の収縮が十分に出るように教科書を見ながら貼ってみました。
しかし、うまく対象に電気刺激が伝わらず、下腿三頭筋などの方が収縮が強く出現し、足関節底屈の動きとなってしまいます。
何度か付け直しながら調節し、私の場合は下記のように貼ることで前脛骨筋の収縮(足関節背屈及び内反)が出現しました。
実際に腓骨神経麻痺の患者にも使用してみましたが、若干の内反と微弱な背屈が出現したので、収縮に合わせて自動介助運動を行いました。
腓骨神経麻痺がある方の背屈は非常に出にくいのですが、今回は停止腱部での収縮を確認しながら貼付場所を付け替えました。
電気治療をしながら随意的に動かすように指示しましたが、最初は「力が入らない」と言って随意運動は不可能でした。
しかし、2回目で若干ではありますが随意的な収縮が可能となり、「あっ、わかった!」と言って動かす感覚を理解できました。
やっぱり高価な機械だからいいのではなく、うまく当てられるなら安物でもいいのだと再認識させられました。
さすがに激安なのでパッドの部分はベタベタになり、何回使えるかわかりませんが使用できる回数は少ないと思います。
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ポケスリムはAmazonで購入できる激安EMSの代表で、交換用替えパッドも安価で買うことができるのでお薦めです。