腰が悪いヒトの多くは頚も悪いのですが、その理由について解説していきます。
身体には「運動パターン」というものが存在しており、例えば、腰椎が伸展すると胸椎は屈曲し、胸椎が屈曲すると頚椎は伸展します。
これは座位でイメージすることが大切ですが、座位で腰椎屈曲位となりやすいヒトは椎間板症や椎間板ヘルニアを発生しやすくなります。
腰椎屈曲パターンのヒトは、胸椎よりも頚椎から屈曲しやすくなるので、頚椎の椎間板も変性しやすくなっています。
そのため、腰椎椎間板症が認められる場合は、同時に頚椎椎間板症のリスクも高くなるので腰が痛いと首も痛いケースが多いです。
しかしながら、頚椎は腰椎と比較して、あまり椎間板が疼痛誘発組織になっていることは多くありません。
ほとんどの場合は頚椎椎間関節が疼痛を拾っているのですが、椎間板変性が存在していると椎間関節障害のリスクを高めます。
さらにもうひとつの要素として、上位胸椎屈曲位が影響していることが多く、前述したように胸椎屈曲は頚椎伸展の運動を促します。
上位胸椎屈曲は加齢変化(筋力低下など)で起こってきますので、そこに元々の椎間板症が存在することで誘発しやくなります。
そのため、若い頃から座位で腰椎屈曲位となりやすいヒトは、将来的に腰椎も頚椎も悪くなるので、姿勢を意識することが大切となるわけです。
中高年者では可動性を維持するためにも、上位胸椎だけは1日に1回でもいいのでしっかりと伸展させるように心がけてみてください!