足関節捻挫後などで背屈や底屈に制限がある場合は、下腿の筋筋膜にアプローチすることが有効です。
背屈制限に関しては、下腿内側をリリースしていくことが必要で、理由としては足関節内側に屈筋支帯が存在することが挙げられます。
屈筋支帯が内側にあることから、足関節の屈曲(背屈)制限には下腿の内側に存在する筋肉の硬さが強く影響します。
具体的には、腓腹筋内側やヒラメ筋内側、後脛骨筋などをリリースしながら、下腿内側の筋筋膜を緩めていくことが必要です。
その後に屈筋支帯の圧痛を確認しながら、足関節背屈のモビリティが変化しているかをみていきます。
底屈制限に関しては、下腿外側をリリースしていくことが必要で、理由としては足関節外側に上腓骨筋支帯が存在することが挙げられます。
足関節前方には上伸筋支帯と下伸筋支帯が存在しており、前脛骨筋などの線維が流入しているため、下腿前方の筋肉はもちろん重要です。
しかしながら、それと同等に上腓骨筋支帯も重要であり、上腓骨筋支帯を滑走させることで即時にモビリティが向上することも多いです。
足関節は底屈すると内反の動きが入るため、内反を制限する腓骨筋群の硬さは底屈を阻害させる原因となります。
そのため、短腓骨筋や長腓骨筋などをリリースすることで上腓骨筋支帯の滑走性を促し、足関節底屈のモビリティを確認していきます。
足関節の硬さはあらゆる障害に繋がっていくので、初回のリハビリ時にできる限りにチェックするようにしてみてください。