車椅子座位のポジショニングと不良姿勢について解説

車椅子のポジショニング(シーティング)の基本について解説していきます。

車椅子の基本姿勢

車椅子の基本姿勢
頚部 頭を真っ直ぐに保持できない場合はヘッドサポートを使用する
体幹 円背や体幹の捻じれがある場合はクッションを利用して整える
上肢 膝上に大きめのクッションを置くとリラックスした姿勢がとりやすい
下肢 座面にアンカーサポートなどを入れることで滑り座りを防止する
足部 足底全体がフットサポートに接地するよに整える

寝たきり患者が座位をとる意味

正しい姿勢で座ることは、様々な機能の維持や改善につながります。また、離床することで生活にリズムを持つこともできます。

定期的に座位をとることは心身の二次障害の防止、体幹の筋力維持、呼吸器系や消化器系の機能改善、褥瘡予防などの効果が期待されます。

褥瘡が起こりやすい部位

座位は背臥位などよりも荷重を担うスペースが狭くなるため、圧が集中しやすく、褥瘡を起こしやすい姿勢といえます。

そのため、ひとりで身動きがとれないヒトに対しては、1時間おきに姿勢を整えることが推奨されます。

車椅子座位で褥瘡が起こりやすい部位は、①仙骨部(尾骨部)、②肩甲骨部、③脊椎突起部などがあります。

円背がある人の車椅子座位

脊椎の突起部が背もたれに当たって痛みを起こす場合があるので、バックサポートが柔らかいものを選んだり、クッションを使用して除圧を図ります。

また、座面に対して深く腰かけることができませんのでお尻が前方に滑ってしまい、ずり落ちてしまうリスクがあります。

その場合は三角クッションやすべり止めマットを使用して、前方への滑りを防止できるように整えていきます。

車椅子の不良姿勢

ダイソーで購入できる役立ちグッズ

上で紹介したクッションや滑り止めは、簡易的なものでいいならダイソーで購入することをお勧めします。値段が全然違いますからね。

まずはあらゆる場面で活用できる滑り止めマットですが、このサイズで100円というのはかなりお買い得です。

身動きがとれない高齢者では滑り落ちてしまう危険性があるため、座面に引いておくだけで転倒を予防することができます。

ダイソーのすべり止めマット100円 車いすの座面に滑り止めマットを使用してずり落ちを防止

もうひとつのお勧めがアームカバーです。高齢者では皮膚が非常に弱いため、移乗などで軽く擦って皮膚が剥離する事故が非常に多いです。

その防止として皮膚を守る目的に柔らかいカバーを付けておくことは有効です。モコモコの靴下などを調整して使用することもお勧めです。

ダイソーのアームカバー

身体につけるのではなく、アームレストやフットレストに巻きつけて使用することでも、擦った際の皮膚損傷を予防することにつながります。

姿勢を整えるクッションも大きいものから小さいものまで取り揃えておきたいので、ダイソーで購入することをお勧めします。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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