通所リハビリの変更点をわかりやすく解説2015

この記事は前回の介護報酬改定(2015年度)の記事になります。

2018年度の介護報酬改定に伴う通所リハビリの変更点については、以下の記事を参考にしてください。

通所系は大幅な減額

今回の改訂では、訪問介護や小規模多機能型のサービスが増額した一方で、特養や通所系のサービスが減額となりました。以下に具体的な増減額を記載します。

事業所 増減幅
訪問介護 +4.8%
通所介護/通所リハビリ -1.6%
特別養護老人ホーム -2.4%
24時間の定期巡回・随時対応 +4.5%
看護小規模多機能型の在宅介護 +3.8%

基本報酬の見直しと個別リハビリテーション実施加算の包括化

以前より、延々と継続されている維持期のリハビリテーションの必要性については議論されてきたのですが、今回の改正で個別リハビリテーション実施加算を廃止し、その報酬額は基本利用額に含まれることになりました。

個別リハの実施の有無については、「実施することが望ましい」と記載されています。ですので、しなくてもペナルティはないと思います。どちらかというと、マンネリ化したリハビリからの脱却をはかるためにも、自主的に状態を維持できるようにもっていくべきですよね。

利用額の実際

基本利用額の増額分を、一日の所要時間6時間以上8時間未満の場合で見ていきたいと思います。

従来 改訂 比較
要介護1 677 726 +49
要介護2 829 875 +46
要介護3 979 1,022 +43
要介護4 1,132 1,173 +41
要介護5 1,283 1,321 +38

上記をみてもわかる通り、これまでは個別リハビリテーション実施加算が「80単位/回」でしたので、今回の改訂で約30-40単位ほど減額される計算になります。

また、介護度が軽いほど加算が大きく、介護度が重いほど加算が少なくなります。要するに、重度な人ほどリハビリの必要性が乏しいと判断されたのだと思います。(通所リハビリテーション費の詳細はコチラ

介護予防通所リハビリテーションの大減額

今回の改訂で、要支援の通所リハと通所介護の利用額がこれでもかってぐらいに減額されることになりました。要支援を中心にとっていたところは、かなりの大打撃ですね。下記に従来と改定後の月額の単位数の比較を掲載しておきます。

  要支援 従来 改訂 比較
通所リハ 1 2,433 1,812 -621
2 4,870 3,715 -1,155
通所介護 1 2,115 1,647 -468
2 4,236 3,377 -859

今回の介護報酬改定において、小規模型デイサービスが最大で「-9.8%」の減額と新聞に大きく出ていましたが、なんてことはありません。要支援の利用にいたっては、通所リハの要支援1で「-25.5%」の減額です。すさまじいですよね。

要支援を中心にとっている短時間型のリハビリに特化した通所リハは、今回の改訂で確実に崩壊しますね。維持期リハビリの受け皿として役割を持っていたはずなのに、今回のやり方はあんまりですね。

リハビリテーションマネジメントについて

これまでは、リハビリテーションマネジメント加算(230単位/月)と訪問指導等加算(550単位/月)が算定できたのですが、今回の改正では訪問指導等加算が廃止になり、リハビリテーションマネジメント加算が(Ⅰ)と(Ⅱ)に分割されることになりました。

単位は、リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)が「230単位/月」、リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)は「開始月から6月以内は1020単位/月、6月超は700単位/月」となります。

一見すると、リハマネ加算(Ⅱ)によって増額し、個別リハの減額分を補っているように見えますが、実際は算定要件がかなり厳しくなっていますので、取得できる施設がどれだけあるのか疑問が残ります。以下にリハマネ加算の算定要件を記載していきます。

リハマネ加算(Ⅰ)の算定要件

従来のリハビリテーションマネジメント加算とほぼ同じ要件です。(リハマネ算定の詳細はコチラ

リハマネ加算(Ⅱ)の算定要件

  1. リハビリテーション会議を開催し、目標やリハビリテーションの内容を、通所リハビリテーション事業所の職員の他、介護支援専門員、居宅サービス計画に位置づけた指定居宅サービス等の担当者、その他関係者と共有すること
  2. 通所リハビリテーション計画は、医師が利用者又はその家族に対して説明し、同意を得ること
  3. 開始月から6月以内の場合は1月に1回以上、6月を超えた場合は3月に1回以上、リハビリテーション会議を開催し、通所リハビリテーション計画を見直していること
  4. 理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が、介護支援専門員に対し、利用者の有する能力、自立のために必要な支援方法及び日常生活上の留意点に関する情報提供をすること
  5. 理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が、家族若しくは指定訪問介護等の指定居宅サービスの従業者に対し、利用者の居宅で、介護の工夫及び日常生活上の留意点に関する助言を行うこと
  6. 1から5のプロセスについて記録すること

以上の6つが算定要件となります。利用者宅での訪問指導の頻度についてですが、Q&Aにて、「適時適切に行う」と回答されています。必要がないと判断したら、ずっと行かなくてもいいのかとも思いますね。

まあケアマネが開催する会議をリハ会議として扱っていいので、その際に自宅を訪問することが効率的にいいかと思います。

リハマネ(Ⅰ)及び(Ⅱ)は月毎に変更可能

平成25年6月1日のQ&Aでリハマネ(Ⅰ)及び(Ⅱ)が月毎に変更可能であることが正式に発表されました。従来は(Ⅱ)から(Ⅰ)への変更はできないとか、基本的に変えてはいけないとされていましたが、これで正式に「状況に合わせて柔軟に変更できる」ことが示されました。(平成25年6月1日のQ&Aはコチラ)

通所リハビリ利用のイメージ図(厚労省HP引用)

通所リハビリ|平成27年度改訂

今回の改正内容や上記の図をみてもわかる通り、通所リハビリはあくまで一時的なリハビリ提供の場であり、その後は自立や通所介護への移行を強く進めていく方針のようですね。これは従来から言われ続けているので、ある意味ではしょうがないですね。いずれはリハビリ難民の居場所はなくなると思われます。

短期集中個別リハビリテーション加算

従来は、退院(所)日又は認定日から起算して1月以内は120単位/日、1月超3月以内は60単位/日でしたが、今後は3月以内は110単位/日に統一されるようです。

加算の合計額は上がっていますが、算定要件が「1週につき概ね2日以上、1日あたり40分以上の個別リハが必要」となっていますので、従来は「1月超3月以内は20分以上」だったのに対し、より労力が必要になります。

また、生活行為向上リハビリテーション実施加算又は認知症短期集中リハビリテーション実施加算を算定している場合は、算定することができません。その他の要件として、通所リハビリテーション費におけるリハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)または(Ⅱ)を算定していることが条件になります。

認知症短期集中リハビリテーション加算

従来の認知症短期集中リハビリテーション実施加算は、今回の改訂で認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)と(Ⅱ)に分割されました。

この背景として、認知症高齢者は個別リハよりも集団活動が有用である場合も多いため、認知症の状態に合わせた効果的な方法や介入頻度、時間を選択できるように新たな報酬体系として、「認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅱ)(1920単位/月)」が新設されました。

認知症短期集中リハビリテーション加算(Ⅰ)の算定要件

従来の認知症短期集中リハビリテーション加算と同じ要件です。一週間に2日を限度として個別にリハビリテーションを実施していることが必要となります。時間は「個別に20分以上」となっていますので、短期集中個別リハビリテーション加算の「個別に40分以上」よりもかなり楽ですね。

認知症短期集中リハビリテーション加算(Ⅱ)の算定要件

  1. 月に4回以上リハビリテーションを実施すること
  2. リハビリテーションの実施頻度、実施場所及び実施時間等が記載された通所リハビリテーション計画を作成すること
  3. 退院(所)日又は認定日から起算して3月以内であること

上記の3つを満たしている場合に算定することができます。注意点として、「月に4回以上のリハビリ」と書かれていますが、基本的には「8回程度」と記載されています。4回で統一してたら監査で言われるんですかね。

生活行為向上リハビリテーション実施加算(新設)

より強力な通所リハの卒業を促す方法として、今回より生活行為向上リハビリテーション加算が導入されました。これは単位がとても高く、開始月から起算して3月以内は2000単位/月、3月超6月以内は1000単位/月となります。

しかし、こんな高報酬な加算を算定しているにも関わらず、6ヶ月以内に通所リハを卒業できなかった場合はペナルティとして、翌月から6月間は1日につき基本利用額の100分の15に相当する単位数を減算されることになります。利用するには諸刃の剣ってやつですね。

生活行為向上リハビリテーション実施加算の算定要件

  1. 生活行為の内容の充実を図るための専門的な知識若しくは経験を有する作業療法士又は生活行為の内容の充実を図るための研修を修了した理学療法士若しくは言語聴覚士が配置すること
  2. 目標及びリハビリテーションの実施頻度、実施場所及び実施時間等が記載された生活行為向上リハビリテーション実施計画書を作成すること
  3. 当該リハビリテーションの終了前1月以内にリハビリテーション会議を開催し、リハビリテーションの目標の達成状況及び実施結果を報告すること
  4. 通所リハビリテーション費におけるリハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)を算定していること

上記に加えて、短期集中個別リハビリテーション実施加算又は認知症短期集中リハビリテーション実施加算を算定している場合は、算定することができません。

これらを見るかぎり、算定要件はやや厳しいものがありますし、短期集中リハと重複して加算もとれないため、無理をしてまで取らない施設が多いのではないでしょうか。

また、計画書とは別に「生活行為向上リハビリテーション実施計画書」というのを作らないといけないですし、リハビリスタッフは研修を受けている必要があります(この研修費が高すぎる)。

今後、この加算をどれだけの施設で算定することになるのか見物ではありますね。

社会参加支援加算(新設)

これは、利用者が通所リハを積極的に卒業できている施設には報酬を上げましょうといった内容です。通所介護などへの移行でも評価されますので、本気で取り組めば可能な範囲だと思われます。実際の加算は平成28年度からの取得になります。

その評価対象期間は、平成27年1月から3月は算定対象者いないものとし、同年4月から12月の状況をもって、翌年の3月15日までに届出を行う必要があります。

加算単位は「12単位/日」なので、人数が多い施設は馬鹿にできない報酬になりそうです。厚労省が発表しているイメージとしては以下になります。

通所リハビリ|介護報酬改定

社会参加支援加算(新設)の算定要件

  1. 評価対象期間において指定通所リハビリテーションの提供をした者(生活行為向上リハビリテーション実施加算を算定した者を除く)のうち、指定通所介護、指定認知症対応型通所介護、通所事業その他社会参加に質する取組を実施する者の占める割合が100分の5を超えていること
  2. 評価対象期間中に指定通所リハビリテーションの提供を終了した日から起算して14日以降44日以内に、指定通所リハビリテーション事業所の従業者が、リハビリテーションの提供を終了した者に対して、その居宅を訪問すること又は介護支援専門員から居宅サービス計画に関する情報提供を受けることにより、指定通所介護、指定認知症対応型通所介護、通所事業その他社会参加に質する取組の実施状況が、居宅訪問等をした日から起算して、3月以上継続する見込みであることを確認し、記録していること
  3. 12月を当該指定通所リハビリテーション事業所の利用者の平均利用月数で除して得た数が100分の25以上であること

中重度者ケア体制加算(新設)

中重度の要介護者を積極的に受け入れ、看介護の職員を手厚く配置している施設は評価されるようになり、中重度者ケア体制加算(20単位/日)が算定できます。

中重度者ケア体制加算の算定要件

  1. 指定基準に定められた員数に加え、看護職員又は介護職員を常勤換算方法で1以上確保していること
  2. 前年度又は算定日が属する月の前3月間の利用者数の総数のうち、要介護3以上の利用者の占める割合が100分の30以上であること
  3. 指定通所リハビリテーションを行う時間帯を通じて、専ら当該指定リハビリテーションの提供に当たる看護職員を1以上配置していること

重度療養管理加算の拡大

従来の重度療養管理加算(100単位/日)について、加算の対象者を「要介護4,5」から「要介護3,4,5」に拡大しました。

算定要件や加算単位については従来と変わりありません。

送迎時における居宅内介助等の評価

これは、送迎時にスタッフがベッドへの移乗や窓の施錠などを行った場合に、その時間も通所リハの所要時間に含めていいですよといった内容になります。

もしかしたら、これでかなり助かる施設もあるかもしれません。算定要件として、居宅サービス計画と通所リハビリテーション計画に内容が記載されており、介助時間は30分以内にすることです。

注意してほしいのは、計画書にあげていないと算定できず、急な対応などは含まれないので注意してください。

延長加算の拡大

従来は、加算の対象となる延長時間の上限が10時間でしたが、今回の改正で14時間まで拡大となりました。これにより、仕事と介護の両立がより実用的になるかと思います。

加算は、8時間を越えてからは、1時間増すごとに「50単位」が加算されます。最大で「13-14時間(300単位)」の加算となります。

送迎がされない場合の見直し

利用者が自ら通う場合など、事業所が送迎を実施していない場合は、片道につき「-47単位/回」の減算対象となりました。

同一事業所内の通所リハと訪問リハの共通化

同一事業所内で通所と訪問を利用している場合、リハビリテーション会議の開催等を通じて、共通の目標及びリハビリ提供内容について整合性のとれた計画を作成したなら、計画書を統一できることになりました。また、計画書を統一した場合は診療記録も統一できるものとなります。

リハビリテーション実施計画書の変更

今回の介護報酬改訂に伴い、リハビリテーションマネジメントとプログラムに活用する様式について整理がなされました。通所リハビリ/訪問リハビリの新書式(平成27年度版)というページに内容は詳しく書いており、書式の方もダウンロードできるようにしていますのでご確認をお願いいたします。

通所リハビリテーションに関するQ&A

以下のQ&Aは、厚労省が平成27年4月1日に通達した内容を参考にしています。(原本はコチラ

Q.介護支援専門員が開催する「サービス担当者会議」への出席をリハビリテーション会議としていいか?
厚労省の見解では、可能とのことです。ただし、リハビリテーション会議と同等の構成員であり、リハビリテーションに関する専門的な見地から情報を共有する必要があります。議事録や不参加者の理由なども忘れずに記載した方がいいと思います。
Q.リハマネ加算(Ⅱ)の医師から説明で、家族への説明は電話等でもよいか?
厚労省の見解では、可能とのことです。ただし、利用者に対する同意については、書面等で直接行うこととしています。
Q.居宅訪問の頻度はどの程度か?
厚労省の見解は、「適時適切」とのことです。曖昧ですよね。3カ月に1回はさすがに厳しいので、6ヶ月に1回程度が無難でしょうか。
Q.一事業所が利用者によってリハマネ加算(Ⅰ)又は(Ⅱ)を取得できるか
リハマネ加算は利用者ごとに(Ⅰ)か(Ⅱ)を決めることができます。ただし、途中からの変更ができないことに留意する必要があります。

超効率的な通所リハの形態についての考察

以上の改訂を踏まえて、超効率的な通所リハのポイントについて3つにまとめてみました。

  1. 要支援は短時間(1-2時間利用)でしかとらない
  2. 通所リハは6ヶ月で必ず終わり、その後はデイサービスに移行する
  3. 受け皿となるデイサービスを起ち上げる

解説しますと、基本的に通所リハは退院後の受け皿のみに限定します。要支援はお金にならないので短時間のみのリハビリとし、外来リハのような形態をとります。

要介護は、6ヶ月で終了であることを伝え、それを必ず順守し、その間にリハマネ加算(Ⅱ)や生活行為向上リハビリテーション加算、社会参加支援加算を必ず取得するようにします。

汚い話ですが、せっかく獲得した利用者ですので、外部の施設にまわすのではなく、自分たちで起ち上げたデイサービスを終了後の受け皿として活用するようにします。

そうすることで、うまい具合に循環させることができます。病院やクリニックであれば、必要最低限の人員をデイケア配置にしておくことでマンパワーのロスも防ぐことが可能です。いかかでしょうか。

報酬比較表(要介護)

報酬項目 従来 改訂 備考
算定対象時間が8時間超 8時間以上9時間未満 50 50 継続
9時間以上10時間未満 100 100 継続
10時間以上11時間未満 150 新設
11時間以上12時間未満 200 新設
12時間以上13時間未満 250 新設
13時間以上14時間未満 300 新設
「1時間以上2時間未満」で基準を超えた専従常勤PT,OT,STを2名以上配置している場合 30 30 継続
通常の事業の実施地域を超えた地域の利用者に行った場合(加算) 5% 5% 継続
入浴介助加算 50 50 継続
居宅訪問による計画の作成・見直し加算 550 廃止
リハビリテーションマネジメント(Ⅰ)/月 230 230 継続
リハビリテーションマネジメント(Ⅱ)/月 開始日から6月以内 1020 新設
開始日から6月以超 700 新設
短期集中リハビリテーション実施加算 退院(所)日又は認定日から1月以内 120 廃止
退院(所)日又は認定日から1月超3月以内 60 廃止
短期集中個別リハビリテーション実施加算 110 新設
個別リハビリテーション実施加算 80 廃止
認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅰ)/日 240 240 継続
認知症短期集中リハビリテーション実施加算(Ⅱ)/月 1920 新設
生活行為向上リハビリテーション実施加算/月 開始日から3月以内 2000 新設
3月超6ヶ月以内 1000 新設
生活行為向上リハビリテーション実施を継続した場合(基本利用額を6ヶ月間減算)/日 85/100 新設
若年性認知症利用者受入加算 60 60 継続
栄養改善加算 150 150 継続
口腔機能向上加算 150 150 継続
重症療養加算 100 100 継続
中重度者ケア体制加算 20 新設
事業所と同一建物に居住する者若しくは同一建物から利用する者に通所リハビリテーションを行う場合又は事業所が送迎を行っていない場合 -94 -94 継続
事業所が送迎を行わない場合(片道につき) -47 新設
社会参加支援加算/日 12 新設
サービス提供体制強化加算 (Ⅰ)イ 18 新設
(Ⅰ)ロ 12 12 継続
(Ⅱ) 6 6 継続
介護職員改善処遇改善加算 (Ⅰ) 所定単位×34/1000 新設
(Ⅱ) 所定単位×17/1000 所定単位×19/1000 増額
(Ⅲ) (Ⅱ)×90/100 (Ⅱ)×90/100 継続
(Ⅳ) (Ⅱ)×80/100 (Ⅱ)×80/100 継続

通常規模型や大規模型などの基本利用料については量が多いのでここでは省きますが、39-56単位の範囲で増額となっています。

これは個別リハビリテーション実施加算(80単位/日)が包括化された結果なので、実質的には24-41単位の減額とも言い換えることができます。

上記の報酬項目をクリックをすることにより、算定要件や留意事項などを記載した詳細ページに移ることができます。要件を覚えていない項目については、ぜひ確認されてみてください。

報酬比較表(要支援)

報酬項目 従来 改訂 備考
介護予防通所リハビリテーション費/月 要支援1 2,433 1,812 -25.50%
要支援2 4,870 3,715 -23.70%
入所定員の超過、または職員等の欠員減算 70/100 70/100 継続
通常の事業の実施地域を超えた地域の利用者に行った場合(加算) 5% 5% 継続
若年性認知症利用者受入加算 240 240 継続
事業所と同一建物に居住する者又は同一建物から利用する者に介護予防通所リハビリテーションを行う場合 要支援1 -376 -376 継続
要支援2 -752 -752 継続
運動器機能向上加算 225 225 継続
栄養改善加算 150 150 継続
口腔機能向上加算 150 150 継続
選択的サービス複数実施加算(Ⅰ) 運動器機能向上及び栄養改善 480 480 継続
運動器機能向上及び口腔機能向上 480 480 継続
栄養改善及び口腔機能向上 480 480 継続
選択的サービス複数実施加算(Ⅱ) 運動器機能向上、栄養改善及び口腔機能向上 700 700 継続
事業所評価加算 120 120 継続
サービス提供体制強化加算(Ⅰ)イ 要支援1 72 新設
要支援2 144 新設
サービス提供体制強化加算(Ⅰ)ロ 要支援1 48 48 継続
要支援2 96 96 継続
サービス提供体制強化加算(Ⅱ) 要支援1 24 24 継続
要支援2 48 48 継続
介護職員改善処遇改善加算 (Ⅰ) 所定単位×34/1000 新設
(Ⅱ) 所定単位×17/1000 所定単位×19/1000 増額
(Ⅲ) (Ⅱ)×90/100 (Ⅱ)×90/100 継続
(Ⅳ) (Ⅱ)×80/100 (Ⅱ)×80/100 継続

要支援についてはほとんどの報酬項目で変化はないものの、基本利用料の大減額によって苦しい状況になったといえます。

サービス提供体制強化加算や介護職員改善処遇改善加算で若干の補填ができる事業所もあるかと思いますが、利用料の減額を補うほどの報酬はまったくありませんよね。

おわりに

変更点は以上となっており、通所リハビリにはより社会復帰を目指していく姿勢が求められることになりました。

そのため、回転率がいい施設は利益が上がると思いますが、そうでない施設はより厳しい状況に追い込まれると思います。

今後もQ&Aなどが掲示されましたら、随時更新していきたいと思います。

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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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