この記事では、頭半棘筋を治療するために必要な情報を掲載していきます。
頭半棘筋の概要
頭半棘筋は脊柱側面深層に位置する筋肉で、頚部に作用する筋肉の中では、比較的に太くて強力な筋に分類されます。
頭棘筋と融合している場合が多く、頭棘筋は頭半棘筋として扱われることもあります。筋出力として、頭半棘筋のほうが大きいです。
半棘筋は、①頭半棘筋、②頚半棘筋、③胸半棘筋の3つが存在します。
どの筋肉も脊椎への動きに対する貢献度はわずかであり、基本的には脊柱を安定させる靱帯のような役割を担っています
基本データ
項目 |
内容 |
支配神経 | 脊髄神経の後枝 |
髄節 | C1-T6(またはT7) |
起始 | 第3頸椎~第4(~7)胸椎の横突起 |
停止 | 後頭骨の上項線と下項線の間 |
動作 | 頸椎の伸展,側屈(同側),回旋(反対側) |
筋体積 | 42.5㎤ |
筋線維長 | 10.0㎝ |
速筋:遅筋(%) | 55.0:45.0 |
運動貢献度(順位)
貢献度 |
頸部伸展 |
1位 | 板状筋群 |
2位 | 半棘筋群 |
3位 | 脊柱起立筋 |
頸部の断面図
頭半棘筋を断面図で見た場合、頸半棘筋よりも浅層に位置し、多裂筋と板状筋の間に位置しているのがわかります。
頭半棘筋は深層に位置する筋肉ですが、後頭部と首の境目付近では表面から確認もできます。
ストレッチ方法
頸椎を回旋させた後、頭部の向きとは反対側に屈曲・側屈します。
上位胸椎の屈曲が入ると頸半棘筋まで伸張されるため、頭半棘筋のみを選択的にストレッチするには胸椎を固定した状態で行います。
筋力トレーニング
うつ伏せになり、足を固定した状態で頸椎を伸展させていきます。
頭にタオルを巻いて抵抗をかけながら、頸椎を伸展させていきます。
マッサージ方法
半棘筋は僧帽筋や板状筋の深部に位置しているため、マッサージを実施する際はそれらの筋上から圧を加えていきます。
方法として、患者に腹臥位をとっていただき、後頭部の下方に親指を入れながら、頸椎の真ん中の棘突起の横のラインを母指で圧迫します。
半棘筋が凝っている場合は筋線維束の張りが感じられますので、それをほぐすようなつもりで下方にスリッピングしていきます。