頭部前方位姿勢や猫背(胸椎後弯の増加)といった不良姿勢では、前斜角筋は硬く、密着し、短くなっていることがほとんどです。
通常、前斜角筋は頸部屈曲に作用しますが、頭部(厳密には起始のある第3-7頚椎)が前方にあると頸部伸展に作用が変化します。
その状態で前斜角筋が短縮してしまうと、永続的な頭部前方位を招いてしまうことになり、不良姿勢の自己修正が困難となります。
前斜角筋は横突起の前結節から起始するのに対して、中斜角筋は横突起の後結節から起始しています。
中斜角筋よりも前斜角筋の起始のほうが前方に位置していることから、頭部前方位で作用が変化するのは前斜角筋のほうが早くなります。
このことから、頭部前方位と前斜角筋の関係性は極めて重要であり、運動方向が変化しないように普段から正しい姿勢を心がけることが大切です。