首の痛み(頸部痛)の原因について解説していきます。
この記事の目次はコチラ
①筋・筋膜性頸部痛
頸部痛を引き起こしやすい筋肉として、①後頭下筋群、②僧帽筋上部線維、③肩甲挙筋などが挙げられます。
現代生活のなかでは、パソコンなどの使用によって頭部前方位姿勢を強制される場面も多く、前述した筋肉の疲労が蓄積されます。
そのため、単純に硬くなっている筋肉をマッサージするだけでは根本的な解決とはならないケースがほとんどです。
頭部前方位姿勢は胸椎の過後弯が関与していることが多く、胸部の筋肉が硬くなっていることも多くあります。
その場合は、姿勢を矯正しない限りは根本的な改善が望めないので、頭部前方位とならないようなアプローチが必要となります。
②頸椎椎間関節障害
椎間関節への圧縮ストレスが増加し、痛み(炎症)が生じている状態を椎間関節障害といいます。
頸部痛全体の50%以上を占めているとされ、頸部を伸展させたり、障害側に側屈させることで痛みが生じます。
また、椎間関節障害の場合は頸部の片側に痛みを訴え、関節を直接圧迫することで痛みを誘発できます。
椎間関節への圧縮ストレスが増加する原因として、胸椎後弯の増強(胸椎の伸展制限)があり、代償的に頸椎伸展のモビリティが高くなっていることが挙げられます。
椎間板の圧潰があるケースでは、相対的に椎間関節の負担が増加するので、椎間関節障害を引き起こしやすくなっています。
③頸椎椎間板症
椎間板が変性(圧潰)してしまった状態を、椎間板症といいます。
椎間板は左右の脊髄洞神経が支配しているため、片方に障害が起きていても幅広く首の真ん中に痛みを訴えます。
椎間板内圧は頸部屈曲位で高くなるため、椎間板性疼痛では頸部の屈曲によって痛みが起こる場合が多いです。
椎間板症は下位頸椎に起こりやすく、そこにはストレートネックなどの頸椎の生理的弯曲の減少が関与しています。
胸椎の後弯(屈曲)が乏しいケースでは、代償的に頸椎屈曲のモビリティが高まるため、椎間板症を引き起こしやすくなります。
椎間板症は疼痛部位を尋ねると「この辺り」と手のひらを置いて場所を限局できないのに対して、椎間関節障害の場合は「ここ」と指先で示すことができることが特徴です。