ロードシスの原因と治し方

不良姿勢の代表である「ロードシス」の原因と修正方法について、わかりやすく解説していきます。

ロードシスとは

ロードシスは、①腰椎前弯の増強(骨盤前傾)、②下部体幹が後方変位となっている姿勢をいいます。

立位では腰椎前弯位(伸展位)をとりますが、腰椎のモビリティが高いケースも多く、座位や体幹前屈時に腰椎屈曲が過剰に出現する場合もあります。

そのようなケースでは、腹横筋や腰仙部脊柱起立筋(骨盤から下位腰椎に付着する多裂筋線維)の弱化が疑われます。

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正常の脊柱はS字カーブとなっていますが、座位などで腰椎屈曲位となるケースでは、腰椎の椎間板変性が生じやすくなります。

腰椎屈曲モビリティが高くなると、隣接する胸椎屈曲モビリティは低下し、さらに上位の頸椎屈曲モビリティは高くなります。

それは結果的に頸椎の椎間板変性を引き起こしやすくなり、不良姿勢に伴う椎間板性疼痛を起こします。

ロードシスに関しては、腰椎屈曲モビリティが高くなっていないケースもあり、その場合は椎間板変性のリスクは低くなります。

ロードシスの治し方

ロードシスでは腹横筋(コア)の筋力低下があるので、引き込み法(ドローイン)を行うことで腹横筋を随意に活性化させます。

方法としては、背臥位にてお腹をへこませる(おへそを脊柱の方向に引き込む)ようにして、10秒間保持するようにします。

その際に息は止めないようにし、この運動を10回繰り返してもらいます。

次いで、腹横筋を働かせた状態で腹直筋が収縮できるようにするため、ドローインした状態で両肩甲骨が浮く程度まで上体を起こします。

腹横筋が働いていない状態でアウターマッスルだけ働いてしまうと、下部腰椎が過剰に屈曲してしまうヒンジ状の動きとなってしまうので注意してください。

もうひとつ重要な筋肉が大殿筋であり、大殿筋は多裂筋表層線維(腰仙部脊柱起立筋)と繋がりを持つため、強化することで腰仙部の安定化に寄与します。

方法としては、腹臥位にて膝関節を90度屈曲位とし、腹筋群に力を入れて(床から軽く浮かせる)、お尻を締めた状態で股関節を伸展させます。

その際に脊柱起立筋やハムストリングスが過剰に収縮しないように確認し、お尻(大殿筋)に力が入っていることを意識しながら行うことが大切です。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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