骨盤重心が前方にあるヒトでは、足関節背屈位と膝関節過伸展位となるため、腓腹筋(とくに内側頭)や内側ハムストリングスが緊張します。
ハムストリングスが硬くなると骨盤が後傾しやすく、腰仙関節(L5/S間)の椎間板症が生じやすくなります。
さらに腰多裂筋が十分に働いていない(緩い)場合は、骨盤後傾に連動して腰椎屈曲が生じるため、腰椎間の椎間板症も起こりやすいです。
内側ハムストリングスが硬いケースでは、連結する仙結節靭帯や腰多裂筋が硬くなっていることも多く、腰椎屈曲が生じないこともあります。
腰椎屈曲が生じない場合は、基本的に椎間板症のリスクは低いですが、筋・筋膜性疼痛や椎間関節障害は発生しやすくなります。
このようなケースにおいては、内側ハムストリングスの緊張をやわらげ、連結する仙結節靭帯や腰多裂筋までリリースしていきます。
骨盤重心が前方にあるヒトでは、股関節伸展位となるために腸腰筋も緊張しやすくなり、連結する腰方形筋や横隔膜にも影響を与えます。
立位では反り腰となっていますので、姿勢を見るだけでもある程度に硬くなっている筋肉を予測することは可能です。
腰椎の動きについては座位でみていくようにし、どのレベルの椎間板が負担を受けやすくなっているかを予測していきます。
可能ならMRIで椎間板の輝度変化がみられる場所を確認することで、より姿勢と疼痛との関連性が明らかとなります。
姿勢で緊張する筋肉は変化するので、骨盤重心が前方にある反り腰タイプはここで書いたところをチェックしてみてください。