【介護保険】重度療養管理加算の算定要件(通所リハ)

通所リハビリテーション(デイケア)にて、要介護3以上で重度療養管理加算を算定するための要件について掲載しています。原文のあとに簡単解釈を付け加えて解説します。

重度療養管理加算の単位

報酬項目 単位
重症療養加算/日 100

加算対象の拡大について

平成27年度の報酬改定にて、加算の対象者を要介護3-5に拡大しました。算定要件や加算単位については従来と変更ありません。

重度療養管理加算の算定要件

①重度療養管理加算は、要介護3、要介護4又は要介護5に該当する者であって別に厚生労働大臣の定める状態(利用者等告示)にある利用者に対して、計画的な医学的管理を継続的に行い通所リハビリテーションを行った場合に当該加算を算定する。当該加算を算定する場合にあっては、当該医学的管理の内容等を診療録に記録しておくこと。
【解釈】要介護3以上で下記に記載する条件のアからケに該当する場合は、療養に人手を要すると判断されて算定可能となる。
②当該加算を算定できる利用者は、次のいずれかについて、当該状態が一定の期間や頻度で継続している者であることとする。なお、請求明細書の摘要欄に該当する状態(利用者等告示第18号のイからケまで)を記載することとする。なお、複数の状態に該当する場合は主たる状態のみを記載すること。
ア) 利用者等告示第18号イの「常時頻回の喀痰吸引を実施している状態」とは、当該月において1日当たり8回(夜間を含め約3時間に1回程度)以上実施している日が20日を超える場合をいうものであること。
イ) 利用者等告示第18号ロの「呼吸障害等により人工呼吸器を使用している状態」については、当該月において1週間以上人工呼吸又は間歇的陽圧呼吸を行っていること。
ウ) 利用者等告示第18号ハの「中心静脈注射を実施している状態」については、中心静脈注射により薬剤の投与をされている利用者又は中心静脈栄養以外に栄養維持が困難な利用者であること。
エ) 利用者等告示第18号ニの「人工腎臓を実施しており、かつ、重篤な合併症を有する状態」については、人工腎臓を各週2日以上実施しているものであり、かつ、次に掲げるいずれかの合併症をもつものであること。

  1. 透析中に頻回の検査、処置を必要とするインスリン注射を行っている糖尿病を行っている糖尿病
  2. 常時低血圧(収縮期血圧が90mmHg以下)
  3. 透析アミロイド症で手根管症候群や運動機能障害を呈するもの
  4. 出血性消化器病変を有するもの
  5. 骨折を伴う二次性副甲状腺機能亢進症のもの
  6. うっ血性心不全(NYHAⅢ度以上)のもの
オ) 利用者等告示第18号ホの「重篤な心機能障害、呼吸障害等により常時モニター測定を実施している状態」については、持続性心室性頻、拍や心室細動等の重症不整脈発作を繰り返す状態、収縮期血圧90mmHg以下が持続する状態、又は、酸素吸入を行っても動脈血酸素飽和度90%以下の状態で常時、心電図、血圧、動脈血酸素飽和度のいずれかを含むモニタリングを行っていること。
カ) 利用者等告示第18号ヘの「膀胱または直腸の機能障害の程度が身体障害者福祉法施行規則(昭和25年厚生省令第15号)別表第五号に掲げる身体障害者障害程度等級表の四級以上に該当し、かつ、ストーマの処置を実施している状態」については、当該利用者に対して、皮膚の炎症等に対するケアを行った場合に算定できるものであること。
キ) 利用者等告示第18号トの「経鼻胃管や胃瘻等の経腸栄養が行われている状態」については、経口摂取が困難で経腸栄養以外に栄養維持が困難な利用者に対して、経腸栄養を行った場合に算定できるものであること。キ 利用者等告示第18号トの「経鼻胃管や胃瘻等の経腸栄養が行われている状態」については、経口摂取が困難で経腸栄養以外に栄養維持が困難な利用者に対して、経腸栄養を行った場合に算定できるものであること。
ク) 利用者等告示第18号チの「褥瘡に対する治療を実施している状態」については、以下の分類で第三度以上に該当し、かつ、当該褥瘡に対して必要な処置を行った場合に限る。

  • 第一度: 皮膚の発赤が持続している部分があり、圧迫を取り除いても消失しない(皮膚の損傷はない)
  • 第ニ度: 皮膚層の部分的喪失(びらん、水疱、浅いくぼみとして表れるもの)
  • 第三度: 皮膚層がなくなり潰瘍が皮下組織にまで及ぶ。深いくぼみとして表れ、隣接組織まで及んでいることもあれば、及んでいないこともある
  • 第四度: 皮膚層と皮下組織が失われ、筋肉や骨が露出している
ケ) 利用者等告示第18号リの「気管切開が行われている状態」については、気管切開が行われている利用者について、気管切開の医学的管理を行った場合に算定できるものであること。
【解釈】診療録には上記のどの状態に該当するのかを記載し、実施している証拠としての記録をカルテに残す必要がある。

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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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