通所リハビリテーション(デイケア)又は通所介護(デイサービス)において、中重度者ケア体制加算に関する情報を掲載しています。
中重度者ケア体制加算の単位
1.通所リハビリの場合
2.通所介護の場合
加算の算定要件
- 指定基準に定められた員数に加え、看護職員又は介護職員を常勤換算方法で2以上確保していること(通所リハの場合は常勤換算方法で1以上)
- 前年度又は算定日が属する月の前3月間の利用者数の総数のうち、要介護3以上の利用者の占める割合が100分の30以上であること
- 指定通所リハビリテーションを行う時間帯を通じて、専ら当該指定リハビリテーションの提供に当たる看護職員を1以上配置していること
中重度者ケア体制加算の留意事項
中重度者ケア体制加算を算定するためには、以下の6つの留意事項が示されています。
なお、通所リハビリの場合は文中の「常勤換算方法で2以上」とあるものは「常勤換算方法で1以上」と、「ケアを計画的に実施するプログラム」とあるのは「リハビリテーションを計画的に実施するプログラム」と読み替えて解釈してください。
①中重度者ケア体制加算は、暦月ごとに、指定居宅サービス等基準第93条第1項に規定する看護職員又は介護職員の員数に加え、看護職員又は介護職員を常勤換算方法で2以上確保する必要がある。このため、常勤換算方法による職員数の算定方法は、暦月ごとの看護職員又は介護職員の勤務延時間数を、当該事業所において常勤の職員が勤務すべき時間数で除することによって算定し、暦月において常勤換算方法で2以上確保していれば加算の要件を満たすこととする。なお、常勤換算方法を計算する際の勤務延時間数については、サービス提供時間前後の延長加算を算定する際に配置する看護職員又は介護職員の勤務時間数は含めないこととし、常勤換算方法による員数については、小数点第2位以下を切り捨てるものとする。 |
②要介護3、要介護4又は要介護5である者の割合については、前年度(3月を除く。)又は届出日の属する月の前3月の1月当たりの実績の平均について、利用実人員数又は利用延人員数を用いて算定するものとし、要支援者に関しては人員数には含めない。 |
③利用実人員数又は利用延人員数の割合の計算方法は、次の取扱いによるものとする。 |
イ) 前年度の実績が6月に満たない事業所(新たに事業を開始し、又は再開した事業所を含む。)ついては、前年度の実績による加算の届出はできないものとする。 |
ロ) 前3月の実績により届出を行った事業所については、届出を行った月以降においても、直近3間の利用者の割合につき、毎月継続的に所定の割合を維持しなければならない。また、その割合については、毎月ごとに記録するものとし、所定の割合を下回った場合については、直ちに第一の5の届出を提出しなければならない。 |
④看護職員は、指定通所介護を行う時間帯を通じて1名以上配置する必要があり、他の職務との兼務は認められない。 |
⑤中重度者ケア体制加算については、事業所を利用する利用者全員に算定することができる。また、注9の認知症加算の算定要件も満たす場合は、中重度者ケア体制加算の算定とともに認知症加算も算定できる。 |
⑥中重度者ケア体制加算を算定している事業所にあっては、中重度の要介護者であっても社会性の維持を図り在宅生活の継続に資するケアを計画的に実施するプログラムを作成することとする。 |
Q&A(厚生労働省通達)
Q.中重度者ケア体制加算において、通所リハビリテーションを行う時間帯を通じて、看護職員を1以上確保していることとあるが、2名の専従看護職員が両名とも体調不良等で欠勤し一日でも不在になった場合、利用者全員について算定できるか。 |
A.時間帯を通じて看護職員を1以上確保していることが必要である。 |
Q.指定通所介護の中重度者ケア体制加算と認知症加算を併算定する場合、認知症介護に係る研修を修了している看護職員1人を、指定通所介護を行う時間帯を通じて配置すれば、認知症介護に係る研修を修了している看護職員1人の配置でそれぞれの加算を算定できるのか。 |
A.中重度者ケア体制加算の算定対象となる看護職員は他の職務と兼務することはできない。このため、認知症加算を併算定する場合は、認知症介護に係る研修を修了している者を別に配置する必要がある。 |
Q.認知症加算及び中重度者ケア体制加算の利用者割合の計算方法は、届出日の属する月の前3月の1月当たりの実績の平均が要件を満たせば、例えば、4月15 日以前に届出がなされた場合には、5月から加算の算定が可能か。 |
A.前3月の実績により届出を行う場合においては可能である。なお、届出を行った月以降においても、直近3月間の利用者割合については、毎月継続的に所定の割合を維持しなければならない。 |
Q.指定通所介護の中重度者ケア体制加算と認知症加算を併算定する場合、指定居宅サービス等基準第93 条に規定する看護職員又は介護職員に加え、看護職員又は介護職員を常勤換算方法で4以上確保する必要があるか。 |
A.事業所として、指定居宅サービス等基準第93 条に規定する看護職員又は介護職員に加え、看護職員又は介護職員を常勤換算方法で2以上確保していれば、認知症加算及び中重度者ケア体制加算における「指定基準に規定する看護職員又は介護職員の員数に加え、看護職員又は介護職員を常勤換算方法で2以上確保する」という要件をそれぞれの加算で満たすことになる。 |
Q.認知症加算又は中重度者ケア体制加算の算定要件の一つである専従の認知症介護実践者研修等修了者又は看護職員は、通所介護を行う時間帯を通じて事業所に1名以上配置されていれば、複数単位におけるサービス提供を行っている場合でも、それぞれの単位の利用者が加算の算定対象になるのか。 |
A.サービスの提供時間を通じて1名以上配置されていれば、加算の算定対象となる。 |
Q.通所介護を行う時間帯を通じて1名以上の配置が求められる看護職員(中重度者ケア体制加算)、認知症介護実践者研修等の修了者(認知症加算)は、日ごと又は1日の時間帯によって人員が変わっても、通所介護を行う時間帯を通じて配置されていれば、加算の要件を満たすと考えてよいか。 |
A.日ごと又は1日の時間帯によって人員が変わっても、加算の要件の一つである「指定通所介護を行う時間帯を通じて、専ら当該指定通所の提供に当たる看護職員(認知症介護実践者研修等の修了者)を1名以上配置していること」を満たすこととなる。 |
Q.認知症加算、中重度者ケア体制加算それぞれについて、認知症高齢者の日常生活自立度Ⅲ以上の割合、要介護3以上の割合における具体的な計算方法如何。 |
A.認知症加算、中重度者ケア体制加算の算定要件である認知症高齢者の日常生活自立度Ⅲ以上の割合、要介護3以上の割合については、利用実人員数又は利用延人員数を用いて算定するものとされているが、例えば、以下の例のような場合であって、中重度者ケア体制加算の要介護3以上の割合を計算する場合、前3月の平均は次のように計算する。(認知症高齢者の日常生活自立度Ⅲ以上の割合、前年度の平均計算についても同様に行う。) |
|
要介護度 |
利用実績(回数) |
1月 |
2月 |
3月 |
利用者① |
要介護1 |
7 |
4 |
7 |
利用者② |
要介護2 |
7 |
6 |
8 |
利用者③ |
要介護1 |
6 |
6 |
7 |
利用者④ |
要介護3 |
12 |
13 |
13 |
利用者⑤ |
要支援2 |
8 |
8 |
8 |
利用者⑥ |
要介護3 |
10 |
11 |
12 |
利用者⑦ |
要介護1 |
8 |
7 |
7 |
利用者⑧ |
要介護3 |
11 |
13 |
13 |
利用者⑨ |
要介護4 |
13 |
13 |
14 |
利用者⑩ |
要介護2 |
8 |
8 |
7 |
要介護3以上合計 |
46 |
50 |
52 |
合計(要支援者を除く) |
82 |
81 |
88 |
①利用実人員数による計算(要支援者を除く) |
- 利用者の総数=9 人(1 月)+9 人(2 月)+9 人(3 月)=27 人
- 要介護3以上の数=4 人(1 月)+4 人(2 月)+4 人(3 月)=12 人
- したがって、割合は12 人÷27 人≒44.4%(小数点第二位以下切り捨て)≧30%
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②利用延人員数による計算(要支援者を除く) |
- 利用者の総数=82 人(1 月)+81 人(2 月)+88 人(3 月)=251 人
- 要介護3 以上の数=46 人(1 月)+50 人(2 月)+52 人(3 月)=148 人
- したがって、割合は148 人÷251 人≒58.9%(小数点第二位以下切り捨て)≧30%
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上記の例は、利用実人員数、利用延人員数ともに要件を満たす場合であるが、①又は②のいずれかで要件を満たせば加算は算定可能である。なお、利用実人員数による計算を行う場合、月途中で要介護状態区分や認知症高齢者の日常生活自立度が変更になった場合は月末の要介護状態区分や認知症高齢者の日常生活自立度を用いて計算する。 |
Q.加算算定の要件に、通所介護を行う時間帯を通じて、専従で看護職員を配置してい ることとあるが、全ての営業日に看護職員を配置できない場合に、配置があった日のみ 当該加算の算定対象となるか。 |
A.貴見のとおり。 |