CTの読影について

CT(Computed tomograohy:コンピュータ断層撮影)は1972年にイギリスの電子技術者であるハンス・フィールドにより発明されました。

X線管が患者の周りを回転しながら撮影していくため、身体を立体的にとらえることが可能となります。

これは単純X線写真の弱点を克服するものであり、苦手であった長軸方向からの評価もより正確に可能となっています。

CTの画像は「断層」であり「断面」ではないため、画像は厚みを持っており、断面(切り口の表面)ではないことに留意してください。

近年ではコンピューターのスペックが上昇したことで3次元画像処理が簡単に行えるようになり、直感的な評価も可能となっています。

CTを撮影する利点としては、X線写真よりも遥かに骨の状態が詳細にわかるということです。

ただし、X線写真と比較してCTは放射線の被曝量が多く、時間や費用もかかることから全てをCTにて撮影することはありません。

上述した画像では、左側の恥骨と仙骨に骨折が認められるため、骨折部がつながるまでは周囲の筋収縮(離開ストレス)は控える必要があります。

近年ではスマホアプリで3Dアトラスも簡単に見ることができるので、骨折部に付着する筋肉も合わせて確認するといいです。

そうすることで安静期間であっても選択的に周囲筋のトレーニングを行うことができ、廃用を最小限に抑えることができます。

3次元画像は専門的な知識がなくても簡単に読影できるので、CT画像があるなら必ずチェックしておくことが大切です。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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