O脚やX脚の靴の選び方について解説していきます。
O脚とX脚の特徴について
O脚の場合は、立位時に膝関節の間が開いた状態となり、体重は足底外側に集中するようになります。そのため、靴底は外側が磨り減った状態となります。
X脚の場合は、立位時に膝関節の間が閉じている状態となり、体重は足底内側に集中するようになります。そのため、靴底は内側が磨り減った状態になります。
上図のようの靴底が磨り減った状態のままに歩き続けていると、O脚やX脚をさらに助長させる方向に負荷が高まり、変形を加速させることになります。
そのため、靴底を定期的に確認することにより、足のどの部分に負担がかかっているかを知り、中敷き(インソール)などで調節することが求められます。
基本的なインソールの選び方
O脚の場合は、靴底の外側を高くすることで脚の位置を矯正することができます。その手段として最も簡単な方法がインソールの使用です。
X脚の場合は、O脚とは反対に靴底の内側を高くすることによって矯正することができます。これがまずは矯正の基本になります。
内外側を高くすることで足関節の負担が大きくなり、痛みを起こす場合もありますので、足関節のサポーターなども併せて検討していきます。
過伸展型のO脚について
通常、O脚は中年以降の変形性膝関節症にて発生することが多く、膝関節は伸展制限となっている場合がほとんどです。
しかし、近年では若年者のO脚が増えており、その特徴として膝関節は過伸展(反張膝)を呈しています。
その場合は、膝の皿やつま先が内側を向いた状態となっていますので、インソールを使用するとかえって状態を悪化させてしまう可能性があります。
また、ヒールの高い靴は膝関節を伸展方向を誘導してしまうので、なるべく踵の高い靴は避けるべきだといえます。
インソールなどの使用を検討する際は、O脚やX脚の矯正に加えて、膝やつま先の位置が正しく矯正できていることを確かめてから使用してください。
膝関節が曲がっている場合の対処法
高齢者では膝関節の変形によって伸びきらない場合が多く、その状態では膝関節をロックできずに歩きが不安定となってしまいます。
なので、膝を伸ばす方向への援助が必要となります。その方法として、アーチサポートやロングカウンターを設置することが効果的です。
通常、足底部は弧を描くようにアーチが存在しています。しかし、そのアーチが消失しているとスムーズな体重移動ができずに膝関節の動きが制限されます。
そこで、中敷きや靴下などを使用してアーチを矯正的に保つことで、膝関節の動きを援助することができます。
カウンターとは、靴の踵部分に装着された硬い芯の部分です。このカウンター部分を長めに調節することにより、歩行時の前方への推進力が増加します。
そうすることで膝関節の伸展動作を援助することができ、安定した歩行が可能となる場合があります。
おわりに
足は歩く際の感覚を一挙に担う大切な部分です。そこが偏った接地をしていると、身体のバランスは崩れて、膝関節の変形や痛みを誘発することにつながります。
高齢になっても元気に歩き回れるように、O脚やX脚の人は早めに自分に合った靴やインソールを選ぶことを心がけるようにお願いします。