X脚の原因と判定方法について

外反膝(X脚)の判定方法とその原因について、わかりやすく解説していきます。

X脚の判定方法(視診)

外反膝を判定する方法としては、膝蓋骨を正面に向けた立位をとり、両大腿骨顆が触れるようにしてもらいます。

その状態で両内果間距離が2横指以上離れている場合を外反膝、1横指から3cm以内は亜外反膝になります。

外反膝は大きく分けて、構造的外反と機能的外反の2つがあり、どちらに該当するかを鑑別することは治療において非常に重要です。

画像診断による判定方法

膝関節の構造的な外反を判定するためには、単純X線写真から大腿脛骨角(FTA)を計測する必要があります。

正常では170〜176度の範囲をとりますが、これが構造的な外反膝では165度以下となります。

変形性膝関節症(構造的外反)では荷重時に外反傾向が増大しますので、片脚立位時に外反が変化するかを確認することも大切です。

単純X線写真で外反膝が認められず、前述した視診で外反膝が認められる場合は、見かけ上のに外反膝(機能的外反)が疑われます。

構造的外反膝

X脚変形は内反足(凹足)のヒトに多いですが、その原因のひとつに歩行時(片脚立位時)に下肢内方傾斜が起こることが挙げられます。

下肢内方傾斜が起こると脛骨に内方弯曲方向へのストレスと、内旋方向への捻れが発生します。

修正方法としては、荷重のかけ方の矯正(片脚立位時に足部の直上に股関節が来るように調整)したり、インソールなどで対処していきます。

機能的外反膝(見かけ上の外反膝)

骨盤の前傾または前方回旋が存在すると、大腿骨は内旋位(内股)となり、見かけ上の外反膝を呈します。

修正方法としては、大腿骨内旋位を矯正するように外旋ストレッチをしたり、あぐらをかくような運動を実施していきます。

基本的に股関節外旋位では内反膝(O脚)に見えますが、膝関節が過伸展している場合は外反膝に見えるケースも存在しています。

修正方法としては、股関節周囲の筋バランスを整えて、股関節内旋筋群を強化するエクササイズが重要となります。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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