上双子筋の概要
上双子筋(superior gemellus muscle)は股関節深層外旋六筋のひとつで、臀部深層に位置する小さな筋肉です。梨状筋と内閉鎖筋の間に存在し、股関節外旋に働きますが、筋量は小さいため直接的な貢献度は僅かとされます。
それでも深層外旋筋群の一員として、股関節の安定性や骨盤の支持に関与しています。
基本データ
| 項目 | 内容 |
| 支配神経 | 内閉鎖筋神経 |
| 髄節 | L5–S2(S1中心) |
| 起始 | 坐骨棘 |
| 停止 | 内閉鎖筋腱と癒合して、大腿骨大転子内側面(上内側部)へ付着 |
| 栄養血管 | 主に下殿動脈(+内陰部動脈分枝からの寄与) |
| 動作 | 股関節外旋(屈曲位では外転補助)、関節包張力の維持 |
| 筋体積 | 約6 cm³ |
| 筋線維長 | 約2.8 cm |
| 速筋:遅筋 | 50:50 |
臨床的意義
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股関節の外旋筋としては小さい筋ですが、内閉鎖筋と協働して関節包を補強する働きがあります。
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深層外旋六筋の一部が機能不全に陥ると、股関節の安定性が低下し、姿勢保持や立位バランスに影響する可能性があります。
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股関節手術(人工股関節置換術など)では切離対象になることがあり、術後の外旋制限や脱臼リスクに間接的に関与します。
評価のポイント
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疼痛誘発:股関節屈曲位での内旋+内転で伸張痛が出やすい。
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筋力:等尺外旋テストは他の深層外旋筋の影響が大。持久的外旋耐性(軽抵抗での保持)をみると差が出やすい。
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画像:超音波では上双子筋単独の特定は難しく、内閉鎖筋腱周囲の肥厚・滑走不良として捉える。
介入(ストレッチ/活性化のコツ)
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ストレッチ:股関節**屈曲+内旋(+内転)**で複合体を伸張。痛みは“手前”で小振幅。
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活性化:側臥位で股関節屈曲90°、足部先行の外旋を軽抵抗で3–5秒保持×8–12回。骨盤前傾や腰部回旋の代償をブロック。
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機能統合:立位での軽い外旋トルクを保った荷重コントロール(ヒップヒンジ、片脚スタンス)へ展開。
よくある質問(FAQ)
Q1. 上双子筋はどのくらい重要な筋肉ですか?
A. 筋体積は小さく、股関節外旋への直接的な貢献は僅かですが、深層外旋六筋の一部として安定性をサポートします。
Q2. 上双子筋はどのように触診できますか?
A. 大殿筋の深層にあり直接触診は困難です。解剖学的位置を推定しながら、周囲の深層外旋筋と合わせて臨床的に評価します。
Q3. 上双子筋をストレッチするには?
A. 股関節を屈曲・内旋させることでストレッチ可能です。ただし単独で伸ばすことは難しく、他の深層外旋筋と一緒にアプローチする形になります。
Q4. 上双子筋が障害されると症状は出ますか?
A. 単独での障害は稀ですが、深層外旋六筋群の機能低下の一部として股関節不安定性や殿部痛に関与する可能性があります。
最終更新:2025-10-16
