足部のぐらつきを5分で層別評価|犯人はどこ?

はじめに

「地面が不安定」「踏ん張れない」——足部の“ぐらつき”は同じ訴えでも関与層が違う(①距骨下関節、②横アーチ、③第1線)と処方が変わります。本稿は5分で犯人特定→即介入できる層別評価テンプレです。


1. 5分クイック評価フロー(テンプレ)

  1. 主訴の言語化(30秒)
     ・「どの瞬間に一番ぐらつく?(接地/中期/蹴り出し)」

  2. 視診(60秒)
     ・踵骨の傾き(回内/回外)、母趾MTPの伸展可否、前足部の開き

  3. 静的テスト(90秒)
     a. 距骨下内外反の手動誘導で安定感が変わる?
     b. 第1線(第1中足骨)押さえ込みで踏ん張りが出る?
     c. 横アーチ支持(メタヘッド2–4を軽く持ち上げ)で痛み/安定が変化?

  4. 機能テスト(60秒)
     ・シングルヒールレイズ(母趾ロールの有無)
     ・片脚スクワット(膝外反・外側崩れ)

  5. 分岐決定(30秒):最も改善した誘導=犯人層

  6. 即時ドリル(30秒):層別の1つを実施→再評価


2. 層別の“犯人像”早見表

典型訴え/所見 確認テスト(陽性所見) 主犯仮説 初手ドリル(10〜30秒体験)
距骨下関節 接地で内側/外側に流れる 手動で内外反を補正→安定感↑ 距骨下の位置/反応遅延 背屈10°で外反等尺5–8秒×3
横アーチ 前足部が広がり踏ん張り弱い 2–4中足骨頭を軽くリフト→痛み/安定↑ 横アーチ支持不足 タオルスクープ10回/前足部集め20秒
第1線(first ray) 蹴り出しで力が逃げる 第1中足骨頭押下→ヒールレイズで強さ↑ PL弱化/タイミング不良 PLバイアス・ヒールレイズ8–10回

3. 分岐アルゴリズム(決め打ち版)

  • 接地直後が怖い/外側に崩れる → 距骨下関節分岐

  • 中足部がべたっと広がる/前足部痛 → 横アーチ分岐

  • ラストの蹴り出しが抜ける/親指で押せない → 第1線分岐


4. 層別の詳解:評価→介入→再評価

4-1. 距骨下関節(接地期の安定化)

評価

  • 距骨下内外反の徒手誘導(中間位〜軽背屈)で接地の安心感が増すか

  • 片脚スクワットで踵骨の傾きを観察

介入(即効ドリル)

  • 外反等尺 @背屈10°:5–8秒×6(しびれ/鋭痛で中止)

  • 内外反コントロール歩行:ライン歩き10m×2(踵の向きを意識)

再評価

  • 片脚着地のぐらつき、片脚スクワットの膝外反


4-2. 横アーチ(前足部の集約)

評価

  • 2–4中足骨頭の軽リフトで疼痛/安定の変化

  • シングルヒールレイズで前足部が横に広がる

介入(即効ドリル)

  • タオルスクープ:足趾でタオル端を寄せる 10–15回

  • メタヘッド集約呼吸:息を吐きながら2–4を軽く寄せる20秒×2

再評価

  • ヒールレイズの垂直感、歩行中期の安定


4-3. 第1線(first ray/PL寄与)

評価

  • 立位で第1中足骨頭を足底側に軽く押す→ヒールレイズの出力変化

  • 母趾MTP伸展の出やすさ(立脚後期)

介入(即効ドリル)

  • PLバイアス・ヒールレイズ:第1線を“押さえたまま”踵上げ 8–10回

  • 軽底屈位チューブ外反+親指プッシュ:8–12回

再評価

  • 蹴り出しの力感、母趾ロールの滑らかさ


5. よくある誤りと修正キュー

  • 強い外反運動=全部OKの誤解 → 角度でバイアスが変わる(背屈=PB寄り/底屈=PL寄り

  • 横アーチ狙いで“握り込み”過多 → 指先握りよりメタヘッド集約を優先

  • 距骨下を無視して前足部だけ鍛える踵の向きが土台。まず踵を正す


6. ミニプロトコル(症状別)

6-1. 「接地で外側へ逃げる」タイプ

  1. 外反等尺@背屈10° 5–8秒×8

  2. ライン歩行10m×3

  3. 片脚着地で踵の向きをキュー

6-2. 「前足部が広がる/中足部痛」タイプ

  1. タオルスクープ10–15回

  2. メタヘッド集約呼吸20秒×2

  3. ヒールレイズ10回(広がらないを意識)

6-3. 「蹴り出しが抜ける」タイプ

  1. PLバイアス・ヒールレイズ8–10回

  2. チューブ外反+親指プッシュ8–12回

  3. 歩行で親指から押し出す音声キュー


7. 靴・インソールの実務メモ

  • 踵の剛性:カウンターが弱い靴は距骨下が暴れやすい

  • 前足部のねじれ剛性:横アーチ狙いなら過度に柔らかくないもの

  • インソール:第1線サポートは有効だが過補正厳禁(内側へ倒しすぎない)


FAQ

Q. タオルギャザーと何が違う?
A. 本稿は横アーチの“集約”と第1線の押さえを分けて処方。握り込み過多を避け、目的を明確化します。

Q. どれくらいで変化が出る?
A. 多くは即時効果が出るテストを選んでいます。継続強化は2–4週間を目安に再評価を。

Q. 痛みが強い時は?
A. NRS2–3/10以内を原則。しびれ・鋭痛・腫脹がある場合は中止し医療機関方針に従ってください。