第2趾つけ根の鋭い痛みは「足底板損傷」かも

要約(1分)

  • 第2中足趾節(MTP)関節の足底板(plantar plate)損傷は、前足部痛(ボール部痛)の主要原因。進行すると**不安定・内外偏位(クロスオーバートゥ)**を生む。PubMed

  • 臨床ではMTPの背側引き出し(dorsal drawer/Lachman様)とフォーカル圧痛で疑い、鑑別は足底腱膜炎・Morton神経腫・疲労骨折など。サイエンスダイレクト+2Cleveland Clinic+2

  • 画像は超音波=感度高MRI=特異度・重症度評価に有用が総括。PubMed+2EJ Radiology+2

  • 保存療法の柱はオフロード(テーピング・硬め/ロッカーソール)+メタパッド/インソール+活動調整。改善乏しければ直視下修復が選択肢。PMC+4Cleveland Clinic+4RunningPhysio+4


1. どんなときに疑う?

  • 部位:第2趾付け根の足底側(時に第3も)。点状の圧痛が典型。

  • 誘因:ヒール・細いトウボックス、長距離歩行/ラン、急な活動量増。

  • 症状:踏み込むと鋭い痛み、進行でグラつき感趾の背側偏位/内外偏位PubMed

鑑別の分岐

  • 足底腱膜炎:踵寄り・朝一歩痛が強い。Cleveland Clinic

  • Morton神経腫:2–3趾間の焼ける/しびれる痛み、Mulderクリック。

  • 疲労骨折:持続痛・腫脹・叩打痛、X線/画像で確認。オーソインフォ


2. ベッドサイド評価(素早く・再現性高く)

  • 背側引き出しテスト(dorsal drawer/modified Lachman)
    第2趾基節骨を把持し、中足骨頭に対する背側方向のゆるみと痛みを確認(>約2 mmの背側シフトや固い終末感の消失で陽性)。サイエンスダイレクト+1

  • クロスオーバートゥの観察
    進行例で第2趾が母趾側に交差する所見は特異度が高いPMC

  • 荷重位での痛点確認
    中足骨頭直下の限局圧痛+踏み込みで増悪なら疑いを強める。PubMed


3. 画像検査の押さえどころ

  • 超音波感度が高く“見逃しにくい”。動的評価で機能的不安定も見やすい。PubMed

  • MRI全体像・重症度(裂離の方向/範囲、側副靭帯合併)の把握に優れる。総合特異度で優位という報告が多数。EJ Radiology+1


4. 保存療法(まずはここから)

4-1 オフロード設計

  • テーピング:第2趾を軽度底屈位(約10°)に保持するクロス(X)テープで張力を減らす。外出時は連続数日を目安に。Cleveland Clinic+1

  • 硬めのソール/前足部ロッカー、つま先は広め。前足部の曲がる位置が母趾MTP直下にあるものを選ぶ。Cleveland Clinic

  • インソールメタタルサルパッドや中足骨頭部のオフセットで局所圧を分散。Human Locomotion

4-2 活動調整と経過観察

  • 痛み基準0–3/10内で**距離・時間・速度の“どれか1つだけ”**を週10%以内で増やす。

  • ランやつま先立ち系は数週オフ→痛みが引いてから段階復帰。FootCareMD

4-3 併用オプション

  • 短期のNSAIDs、場合により足底板周囲の装具/サポーター。専門判断で注射を検討するケースも。FootCareMD


5. リハの着眼点(家庭でできる補助)

  • 足趾“グー・パー”&短母趾屈筋の促通:前足部の支持性を底上げ。

  • ヒップヒンジ/カーフレイズ(痛み0–3/10):前足部の過負荷を避けつつ推進力を確保。

  • 靴内環境の最適化:厚手ソックスやつま先の余裕で当たりを減らす。
    (※痛み増悪時は中止してオフロードを優先


6. 受診・手術の目安

  • 数週の保存療法で改善乏しい明らかな不安定(背側引き出し著明)変形進行(クロスオーバー)は足の外科へ。

  • 代表術式は直視下の足底板修復(近年は背側アプローチの成績報告が蓄積)。変形・短縮を伴う場合は骨切り併用が検討される。PMC+1


よくあるQ&A

Q1. 朝の一歩で痛い=足底腱膜炎?
A. 踵寄りなら足底腱膜炎が典型だが、前足部中央の点状痛踏み込み痛なら足底板損傷を優先して鑑別。Cleveland Clinic

Q2. テーピングはどれくらい続ける?
A. 数週を目安。痛みが落ち着いたら靴・インソール中心に切替、負荷を段階的に戻す。Cleveland Clinic

Q3. 画像は必ず必要?
A. 所見がはっきりしない、競技復帰手術適応の判断が必要な場合に超音波→MRIの順で検討する。PubMed


参考リソース(臨床者向け)

  • 診断の要点まとめ(Narrative Review, 2025):クロスオーバー趾の特異度高、超音波とMRIの使い分け。PMC+1

  • 画像まとめ(メタ解析, 2022)超音波は感度高/MRIは特異度高の傾向。PubMed+1

  • 保存〜術後の概説(AAOS/FootCareMD):休養・テーピング・装具~手術の流れ。FootCareMD

  • 術式・成績(レビュー):**直視下修復(背側アプローチ)**の有望な成績。PMC