以前に足関節の勉強をしようと思って購入した書籍の中に、足部と体幹の安定性(コアスタビリティ)について書かれた面白い本を見つけました。
タイトルは『要は「足首から下」〜足についての本当の知識〜』で、簡単に書くと硬い足であることがコアを高めるには重要という内容でした。
硬い足とは何かというと、内側縦アーチが高くなっており、足部が内反している状態にあると考えたら理解しやすいです。
反対に柔らかい足とは、内側縦アーチが低くなっており、いわゆる扁平足(足部外反)をイメージしてもらえるとわかりやすいです。
![]() |
歩行において、足を接地する時期は衝撃を和らげるために柔らかい足になりますが、接地した直後から足は硬い状態に変化します。
そこから足部を安定させた状態で体重を乗せていき、蹴り出しのときは母趾から抜けるようにして柔らかい足に変化させていきます。
![]() |
上の画像を見ていただくとわかりやすいですが、正常なら踵外側から接地してアウトエッジを通過し、最後は母趾から抜けます。
それが過剰回内(扁平足)にあると、柔らかい足のままに体重が乗ることになってしまい、多くの足部障害を招く原因になります。
最初に書いたように、柔らかい足はコアスタビリティを低下させることになり、スウェイバックのような弛緩姿勢を引き起こします。
それは結果的に腰痛(椎間関節障害)や膝痛(膝蓋大腿関節症や内側半月板損傷)、肩痛(腱板損傷)の発生リスクを高めることに繋がります。
そのため、多くの疾患別リハビリを実施していくうえで、コアスタビリティを活性化させることは非常に重要となっていきます。
ここからが本題になりますが、一般的な体幹トレーニング(腹筋運動や四つ這いでの片手片脚挙上)は、実施後にコアスタビリティを減衰させる方向に働くことが以下の書籍に書かれていました。
こちらは先ほど紹介した本の著者である水口慶高氏が執筆していますが、コアスタビリティを活性化させる方法を中心に書かれています。
例えば、普通の腹筋運動ではコアが減衰するのに対して、脚を持ち上げて反動を利用しながら上体を起こすとコアは活性化します。
椅子から立ち上がるときは、股関節を内旋(ニーイン)しながら立つと減衰し、股関節を外旋(ニーアウト)しながら立つと活性化します。
そのような普段の動きや意識からコアスタビリティは変化するので、まずはそこからアプローチしていくことが大切となるわけです。
そこから純粋に筋力が足りない部分はコアトレーニングで強化していき、全体を整えていくことが有効だと考えられます。
弛緩姿勢が原因で起こる障害というのは、徒手療法(ベッド上でのリハビリ)だけでは根本的な問題を解決することは不可能です。
ここで紹介した本は、運動療法を考えていくうえで参考になる部分も多いので、読んだことない人はぜひチェックしてみてください。