筋肉のコリや痛みを治すために必要なこと

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筋筋膜性疼痛を起こす原因のほとんどは「働きすぎの筋肉」と「働いてない筋肉」が存在することによります。

働きすぎの筋肉は、最初は疼痛感受性の弱い骨格筋がコリとして認識する程度に過ぎません。

それが徐々に疼痛感受性の強い深筋膜まで硬くなっていくと、柔軟性を失った深筋膜が牽引ストレスによって微細損傷して激しい痛みが生じます。

働いていない筋肉を見つける方法としては、共同筋(同じ方向に働く筋肉)はなにかを考えることが重要です。

例えば、三角筋中部がガチガチに硬くなっている場合は、同じく肩関節外転に作用する棘上筋が働いていない可能性が考えられます。

そのため、単純に硬くなっている三角筋中部をほぐすだけでは良くならず、働いていない棘上筋をうまく働かせることが必要となるわけです。

肩こりは揉んでも治らないとよくいわれるのは、頑張りすぎている僧帽筋上部を揉んで疲労をとっても、働いていない僧帽筋下部が働かない限りはずっと僧帽筋上部が頑張り続けてしまうからです。

このように硬くなっている筋肉の多くの陰にサボっている筋肉の存在があるため、そこにアプローチしていくことが大切となります。

以下に共同筋(同じ方向に働く筋肉)の中で、働きすぎる筋肉とサボりがちな筋肉を分類した表を掲載していきます。

肩甲骨上方回旋

働きすぎ 働いてない
僧帽筋上部線維 僧帽筋下部線維
姿勢
いかり肩
特徴
肩関節挙上時に肩甲骨が挙上する

単純に僧帽筋下部線維の筋力強化をするだけでなく、鏡をみてもらいながら、肩甲骨が挙上しないように意識させる方法が効果的です。

肩甲骨挙上

働きすぎ 働いてない
肩甲挙筋 僧帽筋上部線維
姿勢
なで肩
特徴
肩甲骨は下方回旋している

肩甲骨内転

働きすぎ 働いてない
菱形筋 僧帽筋下部線維
姿勢
なで肩
特徴
肩甲骨は下方回旋している

肩関節内旋

働きすぎ 働いてない
大胸筋 肩甲下筋
姿勢
上腕骨頭の前方変位
特徴
肩関節内旋時に上腕骨頭が前方にすべる

肩関節外転

働きすぎ 働いてない
三角筋中部線維 棘上筋
姿勢
特徴
肩関節外転時に上腕骨頭が上方にすべることで肩峰下インピンジメントを起こす

腰椎伸展

働きすぎ 働いてない
脊柱起立筋、大腰筋 多裂筋
姿勢
ロードシス
特徴
腰部の筋肉が硬くなっている

骨盤後傾

働きすぎ 働いてない
ハムストリングス 腹筋
姿勢
スウェイバック
特徴
坐骨結節が下方に引かれて骨盤が後傾する

骨盤後傾②

働きすぎ 働いてない
腹直筋 外腹斜筋
姿勢
フラットバック
特徴
下部腹筋(外腹斜筋)の運動を行おうとしても腹直筋が強く働くために胸郭の下制または体幹の軽い屈曲が起こる

股関節伸展

働きすぎ 働いてない
ハムストリングス 大殿筋
姿勢
スウェイバック
特徴
お尻の盛り上がりが弱い(大殿筋の萎縮)、大殿筋を鍛えようとしてもハムストリングスが働いて攣りやすい

こちらは逆パターンも存在しています。

働きすぎ 働いてない
大殿筋 ハムストリングス
姿勢
ロードシス
運動の特徴
お尻の盛り上がりが強い(大殿筋が硬くなっている)

股関節屈曲

働きすぎ 働いてない
大腿筋膜張筋、大腿直筋 腸腰筋
姿勢
スウェイバック
特徴
股関節屈曲時に内旋する

股関節外転

働きすぎ 働いてない
大腿筋膜張筋、中殿筋前部線維、小殿筋 中殿筋後部線維
姿勢
特徴
股関節外転時に内旋・屈曲する

股関節伸展・膝関節屈曲

働きすぎ 働いてない
半腱様筋、半膜様筋 大腿二頭筋
姿勢
特徴
ハムストリングスを伸張すると股関節が内旋する

膝関節伸展

働きすぎ 働いてない
外側広筋 内側広筋
姿勢
特徴
膝蓋骨の外方変位、膝関節の屈伸時に膝蓋骨外側に軋轢音がする

膝関節伸展②

働きすぎ 働いてない
ハムストリングス 大腿四頭筋
姿勢
スウェイバック
特徴
歩行で足部が地面に接地して固定された際に体幹をわずかに屈曲して膝を伸展させる

足関節背屈

働きすぎ 働いてない
長趾伸筋 前脛骨筋
姿勢
特徴
足関節背屈時に足趾が伸展する

カラダの使い方を学ぶ


このツイートがわかりやすかったので引用させてもらいますが、硬くなっている筋肉を揉むだけの状態というのは濡れた床を拭き続けてる状態です。

それでは時間が経つとまた床が濡れてしまうので、根本的な原因である屋根を直さないことには一向によくなりません。

ただし、家で生活してる人も当然にいるわけなので、まずはサッと床をある程度に拭いた後に時間のかかる屋根も少しずつ修理していきます。

具体的に書くと、硬くなっている筋筋膜をまずは緩めてから、その後にサボっている筋肉を働かせるように促していきます。

深筋膜を緩めるためには、揉むのではなく、圧迫と伸張を加えながら2~3分ほど保持しておくことが必要です。

理由としては、深筋膜の主な成分であるコラーゲン線維を伸ばすためには少なくとも90秒以上の刺激を要すためです。

筋膜リリースは痛みを伴わないことが原則であり、痛みがあると微細損傷している部位にストレスが加わっている可能性が高くなります。

もしも痛みが強い場合は、アナトミー・トレインで連結している離れた部位からリリースしていくのもひとつの手です。

例えば、脊柱起立筋の深筋膜が微細損傷しており、軽く圧迫するだけでも痛みが強い場合は、離れた腓腹筋からアプローチしていくといった感じです。

痛みがなく硬さだけなら直接的に硬い部分をリリースするほうが効果的ですし、在宅でストレッチングを行うことも大切です。

深筋膜をリリースした後は、筋肉が硬くなった原因である「働いていない筋肉」を働かせるように誘導します。

働いていない筋肉を鍛えるときに、すでに働きすぎている筋肉にまで収縮が入ってしまうと痛みが増強してしまうので注意が必要です。

このようにサボっている筋肉をうまく働かせ続けることで効果を実感できるようになるので、結局はカラダの使い方が大切というわけです。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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