肩こりは僧帽筋上部線維を揉んでも治らない

肩こりの原因で最も多いのが僧帽筋上部線維のタイトネスですが、単純に揉んだり叩いたりするだけでは根本的な解決にはなりません。

マッサージをした直後は一時的に緩んで楽になる感覚があっても、次の日にはすぐに元の状態に戻ってしまいます。

しっかりと効果を長続きさせるためには持続的な圧迫と伸張を加えることが有効で、少なくとも2〜3分は圧迫しておくことが必要です。

理由としては、コラーゲン線維を伸ばすためには少なくとも90秒以上の刺激が必要になるからです。

しっかりとコラーゲン線維がほぐれると効果は持続することになり、次回のリハビリ時もやわらかい状態を維持できます。

筋肉をほぐしていくために必要なことはもうひとつあり、それは筋肉のインバランス(不均衡)を改善することです。

代表的なものに「動筋」と「拮抗筋」のインバランスがあります。

拮抗筋は動筋と逆の動きをする筋肉のことで、動筋が収縮すると拮抗筋は急速に弛緩することで滑らかな動きを実現しています。

僧帽筋上部線維が原因の肩こりの場合は、短縮・優位になっている動筋は肩甲骨を挙上させる僧帽筋上部線維で、延長・弱化している拮抗筋は肩甲骨を下制させる僧帽筋下部線維になります。

その状態が続くと徐々に僧帽筋下部線維は機能しなくなっていき、いわゆる慢性的ないかり肩となり、僧帽筋上部線維を弛緩させる機会も減ってしまうことにつながります。

このインバランスを改善させるためには、優位になっている僧帽筋上部線維を緩めるだけでは不十分で、緩めたあとに弱化した拮抗筋である僧帽筋下部線維を鍛えることが必要となるわけです。

いかり肩に対しては、単純に硬くなっている僧帽筋上部線維を揉むのではなく、前述した圧迫下での持続伸張(筋膜リリース)と拮抗筋トレーニングを実施することで改善が期待できます。

なので、是非とも明日からの臨床で役立ててみてください。


vc

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中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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