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脊柱管狭窄症のリハビリ治療【ガイドライン参考】


脊柱管狭窄症(Lumber spiral Canal Stenosis:LCS)のリハビリ治療に関して、ガイドラインを参考にしてわかりやすく解説していきます。目次は以下になります。

脊柱管狭窄症の概要

脊柱管狭窄症とは、脊髄の通り道である脊柱管(椎孔の連続)に何らかの原因で狭窄が生じ、中を通過している脊髄や馬尾に圧迫をきたしている状態を指します。

脊髄はL2の高さで終了し、それより下部は馬尾と呼ばれる神経根の束になるので、腰部脊柱管狭窄症のほとんどは馬尾障害を意味します。

馬尾は血管と共に硬膜によって包まれているため、脊柱管が狭窄するとまず硬膜が圧迫を受け、間接的に中に位置する神経根が圧迫を受けます。

狭窄をきたす原因としては、骨性狭窄(脊椎すべり症や脊柱側彎症)、椎間板膨隆、椎間関節の骨性肥厚、黄色靭帯の肥厚などがあります。

1.正常な椎孔
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2.狭窄をきたした椎孔
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症状は神経や血管が圧迫されることで起こり、腰痛や下肢痛、しびれ、脱力感など様々な訴えがあります。

下図は腰椎すべり症にて椎骨のすべりが生じ、脊柱管が狭小化した状態です。

脊椎|後方すべり症

初診時の臨床症状

下記のグラフは、LCSの臨床症状(初診時)になります。初診時のほとんどは、腰痛や間欠性跛行の訴えが主になります。

受診者の約3割はすでに排尿障害(S2-4神経根障害)をきたしている重症例であるため、症状がどこまで出現しているかを慎重に確認する必要があります。

臨床症状

脊柱管狭窄症の予後

好発部位は多い順に、①L4/5、②L3/4、③L5/S1となります。ほとんどは馬尾障害であるため、障害部位より下位のすべてに症状が生じます。

発生頻度は50歳以上で約13%と言われており、自然経過(10年後)は、「改善3:不変3:悪化4」と報告されています。

LCSは靭帯の肥厚や骨性狭窄が原因のため、基本的には改善を認めません。改善する3割のほとんどは神経根型障害であり、椎間板ヘルニアの関与が疑われます。

下記は正常な脊椎と脊柱管狭窄症のMRI画像です。

 正常な脊椎  脊柱管狭窄症
脊柱管,正常,狭窄,MRI 脊柱管狭窄症,MRI,狭小化

引用元:日本整形外科学会HP

椎間板ヘルニアとの鑑別

椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症で同様の所見が現れるのは、神経根を圧迫しているのが「ヘルニア」か「狭窄」かの違いだけであり、圧迫するという意味では状況が同じだからです。

基本的に椎間板ヘルニアの場合は前方から神経根を圧迫し、狭窄症の場合は後方から馬尾(神経根の束)を圧迫することになります。

ふたつが合併している場合も多く、椎間板が膨隆している場合は脊柱管が狭くなりますし、脊柱管が狭いとヘルニアの影響を受けやすくなります。

簡易的な鑑別方法として、背中を反らして痛いなら脊柱管狭窄症、背中を丸めて痛いなら椎間板ヘルニアの可能性が高くなります。

理由として、脊椎が伸展すると脊柱管が狭くなることや、黄色靭帯がたわむことで馬尾の圧迫を強めることが挙げられます。

ヘルニアの場合は、脊椎が屈曲することで神経根が引き伸ばされることや、椎間板が後方に押し出されることで圧迫を強めることが挙げられます。

これはあくまで簡易的な検査であり、診断を確定するためには、MRIや脊髄造影による画像診断が有効です。

脊椎|体幹伸展時|脊柱管狭小化

脊柱管狭窄症では腰椎後屈による馬尾への機械的な圧迫だけによるものではなく、馬尾内の静脈閉塞による血流障害も原因となります。

健常者では、腰椎前屈位に対して後屈位では脊柱管の断面積が9%しか減少しないのに対して、狭窄症患者では67%も減少することがわかっています。

そのため、馬尾は阻血状態となり、下肢痛やしびれが生じます。反対に、前屈位では脊柱管が拡大するので、物理的に馬尾の圧迫を解除されて症状が軽快します。

慢性動脈閉塞症(PAOD)との鑑別

鑑別に最も有効な検査は、血圧脈波検査装置を用いたABIです。下肢閉塞性動脈病変に対して、感度が高く(95%以上)、特異度が非常に高い(100%)と報告されています。

また、足背動脈と後脛骨動脈の触知にて鑑別できる可能性も示唆しています。

健常者でも、足背動脈は約10%の確率で欠損し、後脛骨動脈は約0.2%の確率で欠損するとの報告があるため、後脛骨動脈の触知有無を優先すべきとの指摘もあります。

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分類①:馬尾型障害

馬尾型では、脊柱管の狭窄によって馬尾が圧迫を受けるため、他覚的には両側の多根性障害を示します。自覚的には下肢や殿部の異常感覚、膀胱直腸障害、下肢脱力感や性機能不全を訴え、疼痛はほとんどないのが特徴です。

L4/L5が障害部位の場合、L5神経根は問題がないことも多く、S1以下に両側性の障害が出現することを念頭に置いておくことが重要です。

馬尾障害には有効な保存的治療の方法はなく、リハビリテーションや薬物療法、腰部交感神経節ブロックなどを組み合わせて処方される場合が多いです。

基本的に自然寛解は望めませんので、症状が軽い早期に外科的治療を行うことで高い確率で重症化を予防できると報告されています。

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分類②:神経根型障害

神経根型では、障害部位に限局した単根性障害を呈します。L4/L5が障害部位の場合、片側のL5神経根の支配領域に麻痺が起こります。

一般的に、馬尾型に対して神経根型は自然緩解を示す場合が多いため、保存療法が第一選択となります。

原因が退行性変化による場合が多いため、確実な保存療法はありませんが、リハビリテーションや薬物療法、腰部交感神経節ブロックなどを組み合わせて処方される場合が多いです。

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  L4神経根 L5神経根 S1神経根
腱反射 膝蓋腱反射↓ 膝蓋腱反射→ 膝蓋腱反射→
アキレス腱反射→ アキレス腱反射→ アキレス腱反射↓
筋力低下 足部背屈,内反 足部背屈,足趾背屈 足部外反,足趾底屈
感覚障害 大腿前面から下腿内側 下腿外側から前足部 足底から下腿後面
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分類③:混合型障害

混合型障害とは、馬尾型障害と神経根型障害が混ざり合った状態を指します。そのため、どちらの症状も出現するのが特徴です。

L4/L5が障害部位の場合、片側のL5神経根の支配領域に麻痺と、両側のS1以下の神経麻痺が起こります。

障害部位のL5神経根にブロック注射を実施すると、L5の限局的な痛みは消失しますが、それより下位の馬尾には影響を与えないために改善は部分的に起こります。

その性質を利用することで、どこに障害部位が存在するかを確かめるための診断ツールとして用いることも可能です。

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整形外科的検査の種類

kemp’s test

  • 患者を立位とし膝を伸展したまま、腰椎を後側屈させる。同側の下肢痛を生じた場合を陽性とする
  • LCSでは約半数が陽性となる
kemps-test

SLRテスト

  • 仰臥位に寝かせて膝関節伸展位のまま下肢をゆっくり挙上させていく
  • 主にL5,S1,S2の神経根が伸張される。屈曲角度が70°以下で痛みが出現するなら陽性
  • LCSでは一般的に陰性となる。ヘルニアとの鑑別診断のため実施
SLRテスト②

深部腱反射

  • 障害部にL4が含まれると膝蓋腱反射が、S1が含まれるとアキレス腱反射が低下あるいは消失する
アキレス腱反射

手術療法

腰部脊柱管狭窄症に対する手術の目的は、圧迫されている神経根や馬尾を除圧することにあります。

LCSはその半数が手術加療を必要とし、脊椎手術の中で最も多く行われる疾患となっています。(脊椎手術の31.1%)

75歳以上の患者でも、除圧術により75歳未満の患者とほぼ同等の手術成績を期待できるとされており、高齢という理由だけで手術を回避する必要はありません。

具体的に手術が適応となるケースは以下になります。

1 膀胱直腸障害の出現
2 保存療法が無効
3 明らかな筋力低下及び麻痺症状
4 ADLの重度障害
5 歩行時100m以下での間欠跛行の出現
6 画像所見上硬膜管面積が50㎜2以下の高度狭窄例

従来は後方支持組織を切除する椎弓切除が一般的でしたが、現在はなるべく温存する流れとなっており、顕微鏡や内視鏡を用いた低侵襲手術が増えてきています。

手術①:広範囲椎弓切除術(拡大開窓術)

従来より実施されてきた方法で、棘突起や椎間関節内側を除去して拡大する広範囲の椎弓切除術です。後方から見ると窓を開いたようにみえることから、拡大開窓術とも呼ばれます。

腰椎開窓術 広範囲椎弓切除術

手術②:片側侵入両側除圧術

棘突起や椎間関節内側といった後方組織をできる限り温存するために考案された方法です。症状優位側の片側の傍脊柱筋を剥離して施術します。

片側侵入両側除圧術

手術③:棘突起縦割式開窓術

棘上靱帯や棘間靱帯などを温存しつつ、傍脊柱筋も剥離させずに付着部を温存する方法です。

棘突起縦割式開窓術

手術の効果や術後の経過について

間欠性跛行の有意な改善は椎弓切除術で約70%、腰痛は開窓術・椎弓切除術で約60%に認められます。

除圧術から平均12.8年後に行った追跡調査では、患者の69%が機能面において「good」から「excellent」の成績を示しており、再手術を受けていたのは約10%であったと報告されています。

また、発症してからの罹病期間が長すぎると、神経の不可逆的な損傷を起こしており、十分な改善を得られないこともわかっています。

不可逆性の変性かどうかは圧迫を取り除かないことには判別ができませんので、思うような結果が得られない場合もあります。

しかし、圧迫を取り除いているのでそれ以上の悪化が避けられるという意味では、やはり手術自体は有効であるといえます。

追跡調査では、予後不良を予測する最も重要な因子は「腰痛の重症度」であり、術前にうつ症状があると治療成績は低下することも報告されています。

椎弓切除後の脊椎支持性に関しては、通常、椎間関節の骨切除は2/3以内にとどめるため、不安定性は生じないとされています。

しかし、骨切除が下関節突起内側部にまで及ぶと椎間関節の荷重が減少し、前方の椎間板がその分だけ多く担うことになります。

そのため、椎間板の摩耗が加速したり、椎体圧迫骨折のリスクが高くなるといったリスクも考えられます。

脊柱管狭窄症の保存療法

LCSに対する保存療法では、①薬物療法、②注射療法、③運動療法、④物理療法などが選択されます。

薬物療法では、非ステロイド性抗炎症薬や筋弛緩薬が一般的に使用されます。経口プロスタグランジンEは、神経性跛行及び両下肢の痺れを伴う馬尾症状を有する患者に対して短期間の効果を認めています(Grade B)。

注射療法では、硬膜外ブロック注射や神経根ブロック注射、トリガーポイント注射などが実施されます。

運動療法や物理療法に関しては、文献のシステマティックレビューにて十分なエビデンスを認めなかったとしています。

そのため、リハビリではあくまで二次障害の予防を図ることを目的とし、生活指導などを交えながら実施することが大切です。

リハビリテーション

  1. 生活指導
  2. 脊椎伸展運動
  3. 骨盤後傾の矯正
  4. 脊椎の可動性制限
  5. 重心線の調整
  6. 二次障害の予防

腰部脊柱管狭窄症の生活指導

生活指導で最も重要なのは、硬膜外圧を上げるような動作は避け、なるべく同じ姿勢をとり続けないように注意することです。

体幹が伸展すると痛みが誘発されるため、無意識に身体を丸めて移動している患者さんがよく見受けられます。

体幹を屈曲した状態で生活をしていると、椎間板や脊柱起立筋に過度な負荷が加わるため、結果的にLCSとは関係ない腰痛が出現している場合もあります。

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重心が前方に位置してしまうと、身体を支えるために筋肉が過剰に働いてしまい、それが疲労感となって蓄積してしまいます。

これらの問題を解消するために推奨される方法がシルバーカー(押し車)の使用です。

押し車を把持することにより、従来よりも支持基底面を前方に広げることができ、身体重心を真ん中に保つことができるようになります。

そうすることで、脊柱管の拡大に加えて、背筋群の過活動によって出現していた腰痛を軽減することが可能となります。

押し車,脊柱起立筋,軽減,ストレス,楽になる

脊椎屈曲運動の方法

①仰向けとなり、両膝を抱え込むようにして脊椎を屈曲させていきます。深呼吸をして完全に力を抜き、2-3分間この姿勢のままでいます。
体幹屈曲運動,腰痛,腰椎後彎
②しびれや痛みに左右がみられる場合は、ひねりを加えることで問題部位の除圧効果を高めます。
腰痛体操,ストレッチ,体幹屈曲運動,椎間板,圧

脊椎屈曲運動は即時的な効果を認めますが、長期的な効果は認めません。しかし、一時的にでも痛みから解放され、簡単にセルフエクササイズとして実施できるので積極的に活用すべきです。

実施後のしばらくは姿勢矯正の効果もあって疼痛が楽になるので、一日の中で複数回ほど定期的に取り組んでいくことが大切です。

骨盤前傾の矯正トレーニング

腰椎の前弯(骨盤前傾)は脊柱管を狭窄させる原因となります。そのため、過度な前弯は症状を憎悪させることになります。

脊椎|体幹伸展時|脊柱管狭小化

以下に、腰椎の前弯矯正に関わる筋肉とそのトレーニング方法について記載していきます。

筋トレ①:腹直筋

腹直筋の場所は以下になります。

腹直筋|前面

腹直筋は骨盤の下部(恥骨)に起始を持ち、胸骨や肋骨で停止しています。そのため、腹直筋が収縮することで骨盤は反時計まわりに回転します。

腹直筋が骨盤後傾に作用する理由

そのため、腹直筋に弱化や低緊張が起こっている場合、骨盤が前傾してしまう原因となります。それらを防ぐためにも、腹直筋の強化は必要となります。トレーニング方法としては、一般的な腹筋運動(上体起こし)が推奨されます。

その際に大切なのは、股関節を屈曲させて行うことです。股関節が伸展している場合は、骨盤の前傾を強める腸腰筋が働いてしまうので注意が必要です。

骨盤前傾,修正,トレーニング方法,腹直筋

筋トレ②:大殿筋

大殿筋の場所は以下になります。

大殿筋|後面

大殿筋は骨盤全体(とくに腸骨)に起始を持ち、大腿骨上部に停止しています(一部は腸脛靭帯に移行)。そのため、大殿筋が収縮することで骨盤は後傾します。

大殿筋を鍛えて骨盤前傾を修正する

腹直筋と同様で、大殿筋に弱化や低緊張が起こっている場合、骨盤が前傾してしまう原因となります。それらを防ぐためにも、大殿筋の強化は必要となります。

トレーニング方法としては、重錘やゴムチューブを利用した股関節の伸展運動があります。

骨盤前傾,修正,トレーニング方法,大殿筋

注意点としては、脊柱起立筋が骨盤を前傾させる筋肉であるため、過度な収縮が入らないように確認しながら実施する必要があります。

筋トレ③:ハムストリング

ハムストリングは大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋にて構成されており、大腿後面に位置しています。

ハムストリング②

ハムストリングは坐骨結節に起始を持ち、下腿の脛骨及び腓骨に停止しています。二つの関節をまたぐ二関節筋であり、主に膝関節屈曲に作用します。

ハムストリングを鍛えて過度な腰椎前弯を修正する

腹直筋や大殿筋と比較したら、骨盤を後傾させる作用はそれほど大きくはありませんが、弱化や低緊張をきたさないように確認しておく必要があります。

トレーニング方法としては、重錘やゴムチューブを利用した膝関節の伸展運動があります。

骨盤前傾,修正,トレーニング方法,ハムストリング

注意点としては、股関節の伸展と同様で脊柱起立筋の収縮が入らないように確認しながら、骨盤の後傾を意識して実施していきます。

ストレッチ①:脊柱起立筋

脊柱起立筋は8つの筋肉から構成されており、①頸腸肋筋、②胸腸肋筋、③腰腸肋筋、④頭最長筋、⑤頸最長筋、⑥胸最長筋、⑦頸棘筋、⑧胸棘筋があります。

以下の画像は腰腸肋筋になります。

腰腸肋筋|後面

脊柱起立筋の中でも、腰腸肋筋と胸最長筋は仙骨に付着部を持っているため、収縮に伴って骨盤の前傾が起こります。

骨盤前傾,短縮,腰椎前弯,脊柱起立筋

これらの筋に短縮や過緊張を及ぼしている場合は、腰椎前弯の増強が認められるため、ストレッチなどにてアプローチが必要となります。

ストレッチ方法としては、体幹を丸めるようにして伸長する方法があります。

脊柱起立筋,ストレッチ,方法

ストレッチ②:腸腰筋

腸腰筋は骨盤前面深層に位置する筋肉で、①大腰筋、②腸骨筋、③小腰筋の総称を指します。

腸腰筋①

大腰筋は脊椎に、腸骨筋は腸骨に起始を持っており、大腿骨に付着しています。腸腰筋は短縮しやすい筋肉であるため、骨盤を前傾させる原因となっている場合があります。

骨盤前傾,短縮,腰椎前弯,腸腰筋

腸腰筋をストレッチする方法として、下記のようにベッドを利用した方法がお勧めです。腰椎を伸展位とすることで大腰筋を集中的に伸長できます。

大腰筋,ストレッチ,方法,ベッド,股関節伸展

ストレッチ③:大腿直筋

大腿直筋は大腿四頭筋の中で唯一の二関節筋であり、股関節屈曲にも働きます。そのため、骨盤の前傾にも作用します。

大腿四頭筋

大腿直筋は腸骨上部に起始を持ち、膝蓋骨に付着して膝蓋靭帯に移行します。腸腰筋と同様に短縮をきたしやすい筋肉なので、ストレッチが必要となる場合があります。

骨盤前傾,短縮,腰椎前弯,大腿直筋

ストレッチ方法として、長坐位にて膝関節を屈曲し、足部を殿部の下に移動させます。膝関節屈曲位のまま背臥位になるように体幹を倒していきます。

大腿直筋,ストレッチ,方法

脊椎の可動性制限(テーピング治療)

可動性を制限することで炎症を起こしている馬尾への圧迫を除去することを目的に実施します。方法は装具療法(腰仙椎コルセット)やテーピング治療がありますが、ここでは後者について解説します。

まずは画像検査や神経テストにて問題となっている椎間板レベルが特定し、その後に障害部位の伸展動作を抑制するテーピングを行っていきます。

方法は、下図の黄色い○部分が障害部と仮定すると、上下から障害部の皮膚を引き付けるようにしながら貼付していきます。テープは伸縮性があるものを選ぶことがポイントです。

脊椎分離症に対するテーピング治療|腰椎伸展可動域制限

重心線の調整(足底板の使用)

補高と腰椎前弯|踵上げ

つま先が上がっているような靴を履いている場合、体重を踵で支えるようになるため、重心線が後方に移動します。そうすると、重心線を前方に移動させようとするために腹筋群が働いて腰椎前弯を減少させます。

この性質を利用して、腰椎前弯が増強している症例ではつま先が上がった靴にて重心線を調整することで、馬尾の圧迫を軽減できる可能性があります。

ただし、人によっては後方に移動した重心線を骨盤前傾にて補おうとする場合もあるため、どのような姿勢連鎖が起こるかを確認することがセラピストには求められます。

二次障害の予防

腰部脊柱管狭窄症の患者では、間欠性跛行の出現によって歩行量(活動量)が著しく低下するため、心肺機能や筋力の低下などの二次障害が顕著に現れます。

それらを予防するためにも、症状を増悪させない範囲で積極的に有酸素運動や筋力トレーニングは実施していくべきです。

お勧めの方法は脊椎屈曲位にて有酸素運動が可能なエアロバイクです。LCSの場合は、苦なくペダルを漕ぎ続けることができるので、20-30分の運動が可能となります。

脊柱管狭窄症に対するエビデンスのある運動療法はまだ確立されていないため、その都度、患者に合った治療を勧めていただけたらと思います。

お勧めの書籍(Amazon)

私が執筆している腰痛症の治療に関する書籍も出版されていますので、腰痛について深く理解したい場合は、是非ともご購入を検討してみてください。

参考資料/引用画像


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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