腰痛の原因は大殿筋にある

腰痛の原因で大殿筋が関与しているケースは非常に多いですが、具体的にどのような理由で、どう治療するべきかを解説していきます。

大殿筋とBFL障害

アナトミートレイン:筋膜:BFL

大殿筋と腰痛の関係性を考えるうえで、絶対に知っておくべき部分がBFL(バック・ファンクショナル・ライン)です。

BFLは代表的な筋膜の繋がりを示したラインであり、これを知ってるだけで患者の痛みの訴えが理解できるようになります。

BFL障害の特徴を知る

腰痛の原因は様々ありますので、具体的にBFL障害のときはどのような症状が出るかについてを知っておくことが大切です。

まずはBFLの役割ですが、広背筋と大殿筋という大きな筋肉を通して、力の伝達(投球動作など)を効率よくできるようにしています。

筋膜に問題が生じている場合は、筋膜を伸張する方向に伸ばすことで疼痛を誘発できますので、走行をイメージしながら伸張するとよいです。

わたしは仰臥位で下肢を内転・内旋させて、腰をねじるように誘導しながら伸張することが多いですが、BFL障害の場合はこの動きで痛みが出現します。

その時に痛みを訴える場所としては、お尻(大殿筋上部線)、腰(腰仙連結)、背中(広背筋起始部)、太もも(外側広筋)があります。

腰を押すと反対側のお尻に響く(逆もあり)といった訴えがよく聞かれますが、それもBFL障害の症状のひとつになります。

筋膜障害の特徴を知る

次に、疼痛の主因が筋膜障害である場合に、どのような症状が出るかについても知っておくことが大切です。

個人的に最も重要視しているのは、①痛みが日によって変化すること(痛みに波がある)、②痛みの場所がよく移ることです。

もしも腰痛の原因が椎間関節や椎間板の障害であるなら、日によって波があることはほとんどありません。

では、どうして筋膜障害は波があるのかというと、筋肉の状態が日によって大きく変化することが挙げられます。

日常的に身体に触れている治療家なら理解しやすいですが、今日は筋肉が凝っているとか、今日は柔らかいとか、同じ患者でも日によってコンディションが違いますよね。

そこには自律神経の問題なども関与しており、それが認知行動療法が難治性の腰痛に有効なひとつの理由ではないかと考えています。

痛みの場所が移るときは同じ筋膜ラインであることがほとんどで、BFL障害による腰痛では、背部痛や殿部痛に波及しやすいです。

大殿筋萎縮と片脚立位障害

BFL障害の重症度を判定するポイントとして、大殿筋の萎縮程度と片脚立位の評価をすることは有用です。

片脚立位を保持するうえで最も重要なのが大殿筋であり、さらに重心を中央に保つためには対側の広背筋も働く必要があります。

もしもBFLのライン上に硬結が存在し、収縮がスムーズに伝達できない場合は、大殿筋は徐々に萎縮して片脚立位の保持も困難となります。

大殿筋は触れるだけで明らかに萎縮している(お尻の張りが全くない)ので、問題があるようなら片脚立位まで確認してみてください。

BFL障害を治療するためのポイント

大殿筋の起始停止

腰痛の原因でBFL障害が関与しているケースは非常に多く、BFLの中でも、とくに大殿筋の起始部に問題を起こしやすい傾向にあります。

そのため、治療では仙腸関節周囲のモビリティを上げるように伸張操作を加えていくことが有用となります。

具体的には、問題がある大殿筋を上にした側臥位をとってもらい、施術者は患者の正面に立ちます。

その位置から片手は腸骨稜に引っ掛けて、もう片方の手で仙骨を抑え、BFLを伸張するようにイメージしながら動きを出していきます。

治療後に仰臥位で下肢を内転・内旋させて、腰をねじるように誘導していき、最初よりも可動範囲が拡がっていることを確認します。

次に腹臥位をとってもらい、片脚を挙上させて大殿筋を収縮させ、対側の広背筋に力を伝達させる運動を繰り返していきます。

最後に片脚立位を保持させる練習を実施して、しっかりとBFLが働くように調整していくように誘導していきます。

おわりに

ざっくりでしたが、腰痛に大殿筋が関与している理由と、その治療方法について解説してみました。

もちろんBFL障害は大殿筋の起始部以外にも発生するため、患者毎にライン上を触診しながら確認していくことが必要です。

また、筋膜障害は前述したように波があり、生活習慣を変えられない(仕事で負荷が加わる)ケースでは改善しにくいです。

そのため、治療では患者の生活スタイルも含めて、総合的に診ていくことが大切になります。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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