腰部コンパートメント症候群のリハビリ治療

腰部コンパートメント症候群のリハビリ治療について、わかりやすく解説していきます。

腰部コンパートメント症候群の概要

円背姿勢と腰部コンパートメント症候群

脊柱伸筋群(脊柱起立筋や多裂筋)に過緊張が存在すると、筋内圧の上昇に伴う血流障害性の腰痛が起こります。

その状態を腰部コンパートメント症候群といい、脊椎後弯変形(円背姿勢)のある高齢者に多く発生します。

洗面動作のように立った状態で腰を曲げることによって筋内圧が上昇するため、長時間の立位や前かがみの姿勢で痛みが増強します。

腰を反らすことで瞬時に筋内圧が下降して血流が良くなるため、腰痛が楽になることも腰部コンパートメント症候群の特徴です。

筋肉の問題と筋内圧の問題

腰部コンパートメント症候群は血流障害による痛みであるため、脊柱起立筋群を押圧しても明らかな圧痛が認められないことも多いです。

また、筋損傷の場合は痛みが片側性に限局して現れますが、血流障害の場合は痛みが両側性で広範囲にわたります。

立位では脊柱伸筋群の過度な緊張(膨隆)が認められ、臥位では基本的に疼痛は認められません。

上殿皮神経障害の合併

上殿皮神経障害

腰部コンパートメント症候群は腰背部痛だけでなく、場所の少し離れた上殿部にまで疼痛を訴えることがあります。

これは脊柱伸筋群の過度な緊張によって、胸腰筋膜を貫通する上殿皮神経に絞扼が生じるために起こります。

患者は上殿部に痛みを訴えることになりますが、そこに原因は存在しないためにアプローチしても改善は認められません。

上殿部痛を治療するには、脊柱起立筋のリラクゼーションと、上殿皮神経が貫通する腸骨稜上の滑走性を高めることが必要になります。

リハビリテーションの考え方

腰部コンパートメント症候群のリハビリで重要なのは、①硬くなった筋肉(筋膜)をほぐす、②装具の使用、③脊柱後彎変形の矯正の3つです。

腰を押して楽になるのも筋肉の血流が良くなるためであり、一般的なマッサージでも即時に効果が現れます。

ただし、それは一時的であるため、脊柱起立筋を包んでいる筋膜の柔軟性を確保するようにアプローチすることが大切です。

装具の使用目的は、コルセットや矯正ベルトを着用することにより、脊柱伸筋群の活動を抑えて姿勢を保つためです。

脊柱後弯変形は加齢に伴って進行しやすい変形であるため、まだ変形が少ない初期から腰椎前弯を促すトレーニングを行うことが重要です。

具体的には、①脊柱伸筋群の強化、②腸腰筋(大腰筋)の強化の2つが必要となります。

ケンダルの姿勢分類.012
ケンダルの姿勢分類.013

vc

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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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