膝関節外側の痛みの原因とリハビリ治療

膝関節外側に起こる痛みの原因とリハビリテーションによる治療方法について解説していきます。

①腸脛靭帯摩擦症候群

膝関節外側の痛み|腸脛靭帯炎1

腸脛靭帯は二層構造で、浅層は主に大殿筋の表層腱膜から、深層は大殿筋と中殿筋の筋束、大腿筋膜張筋の移行部から構成されます。

膝関節伸展時には大腿骨外側上顆の前方に位置していますが、膝関節が屈曲すると後方に移動するため、摩擦にて損傷することがあります。

その状態を腸脛靭帯摩擦症候群(腸脛靱帯炎)と呼んでおり、マラソンや自転車競技に多い障害であるため、別名でランナー膝ともいいます。

一般的に患者は一定距離を走ったとき(通常2〜4km)に、膝外側に痛みを訴えることが特徴です。

腸脛靭帯摩擦症候群を起こす主な原因は、大殿筋や中殿筋の弱化によって骨盤が動揺し、それを腸脛靭帯が受け止めて疲労が増すことにあります。

そのため、治療においては臀筋群(とくに中殿筋)を強化することが重要となります。

②外側半月板の損傷

膝関節外側の痛み|外側半月板損傷

半月板の辺縁部1/3には侵害受容器の自由神経終末、機械受容器のルフィニ小体、パチニ小体、ゴルジ腱器官が存在しています。

そのため、外側半月板の辺縁部に損傷が起こると膝関節外側に痛みが起こる可能性があります。

問題の根底には臀筋群の筋力低下などに伴うニーイントーアウトが存在するので、姿勢や動作の修正が必要となります。

また、外側半月板に付着する膝窩筋や半膜様筋に収縮不全が存在すると、外側半月板の挟み込みを引き起こすので機能の改善を要します。

③膝蓋骨の外側偏位

外側広筋の過緊張

膝蓋骨の周囲組織に短縮や癒着、過緊張や萎縮などが起こっている場合、膝蓋骨の位置がずれたり、正常とは異なった軌道を描くようになります。

よくみられるのは腸脛靭帯の過緊張と内側広筋の萎縮により、膝蓋骨が外側に偏位してしまった状態です。

その場合は膝蓋骨外上方に圧痛があり、膝蓋骨を内下方に誘導した状態から圧迫を加えることで痛みを誘発できます。

膝蓋靭帯と膝蓋支帯の違いは、大腿四頭筋が膝蓋骨を介して脛骨へ付着するかどうかで、支帯は介さずに付着する線維を呼びます。

腸脛靭帯や外側広筋の一部は外側膝蓋支帯を形成しているため、過度な緊張が存在すると膝蓋骨の外側偏位に強く関与します。

治療では膝蓋骨の偏位および動きやすさを改善させるために、膝蓋骨を内下方に誘導して外方の組織を伸張していきます。

また、萎縮した内側広筋を強化するために、大腿骨外旋位に保持した状態で膝関節の最終伸展運動を繰り返していきます。

④膝外側側副靭帯の損傷

膝関節外側の痛み|外側側副靭帯

膝の外側側副靭帯は大腿骨外顆と腓骨小頭を結ぶ靱帯で、膝関節の外側不安定性を制御しています。

受傷機転としては、交通事故やラグビーのタックルなどで脛骨が後方や外方に急激に偏移することで起こります。

断裂している場合は、膝関節伸展位での内反ストレステストで動揺性が認められるようになり、損傷部に限局した強い圧痛を訴えます。

治療方法としては、膝関節を固定して損傷した靭帯が伸張されないように動作を制限し、組織が治癒するのを待ちます。

⑤大腿二頭筋下滑液包炎

大腿二頭筋下滑液包炎1

大腿二頭筋と外側側副靭帯の間には大腿二頭筋下滑液包が存在し、摩擦を和らげる役割を持っています。

しかし、大殿筋の筋力低下が存在するとハムストリングス(とくに大腿二頭筋)が緊張し、摩擦力が高まって滑液包に炎症が起こる場合があります。

外側側副靭帯の損傷と鑑別する方法として、筋収縮時に痛みが増悪することと、靭帯よりも下方(腓骨側)に痛みが出ることが挙げられます。

治療方法としては、大腿二頭筋のリラクゼーションを図り、筋への負担がかかりにくい動作指導を行います。


vc

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中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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