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関節可動域運動(ROMex)の目的と効果|拘縮の改善方法について


関節可動域運動(Range of motion exercise:ROMex) の目的と効果について解説していきます。

ROMexの目的と効果

リハビリにて関節可動域運動を実施する目的は、ROM制限の予防および改善であり、臨床でも幅広く使用されている手技のひとつです。

実際にどの部位に対して、どのような効果が期待できるかについて以下にまとめてみましたのでご参考ください。

関節軟骨 滑液が流動して軟骨への栄養供給を促進
不動や関節炎による軟骨の変性を抑制
関節包 コラーゲン線維の増生を抑制
コラーゲン線維束間が密になるのを抑制
靱帯 コラーゲン線維の平行な配列の不規則化を予防
長軸方向に線維を保つことで断裂強度を保持
筋肉 筋内膜のコラーゲン線維の不規則化を予防
長軸方向に対して横走する線維が増加するのを抑制
皮膚 コラーゲン線維の産出と正常な配列を保持
皮膚張力の低下を防いで破断強度を保持
血管 静脈の血流速度を増加(筋リラクセーション)
血管内径の狭小化を抑制
滑液 滑液が流動して滑膜細胞や軟骨細胞の排出を促進
関節運動時の摩擦を軽減

筋肉の過緊張は拘縮に含めない

ROM制限を拘縮と表現する場合は多いですが、拘縮研究の第一人者である沖田教授は、筋肉の過緊張による制限は拘縮に含めるべきでないとしています。

これには私も賛同で、軽い圧迫や筋収縮を加えることで即時的に改善する制限は、拘縮と呼ぶには不適切であると考えるからです。

なぜ含めて考えるようになったかを紐解くと、英語では拘縮を「contracture」と表記し、収縮するという単語が語源となっているからです。

そのため、筋肉の収縮も拘縮に分類されるようになってしまい、拘縮の定義が拡大されてしまったのではないかと考えられています。

関節可動域運動でROM制限は改善するか

答えはイエスですが、拘縮については改善が望めないともいえます。

筋肉の過緊張が原因となっている場合は、関節を動かすことによって筋内の血流が改善し、即時的にROMを改善することができます。

しかし、関節包や靱帯などが原因による拘縮に関しては、単純に関節を動かすだけでは改善が難しいといえるでしょう。

その理由として、ROM運動のみでは拘縮したコラーゲン線維に対して十分なストレッチ効果を加えられないことが理由として挙げられます。

もちろん拘縮が起こる前の予防法としては高い効果を発揮しますので、大切なのは拘縮を起こさないことだと口酸っぱく言われているのだと思います。

拘縮を改善させるための方法

筋肉以外で主に拘縮を引き起こしている原因組織は関節包と靱帯です。

これらの組織はコラーゲン含有量が高いため、不動や炎症によって変性をきたしやすい状態にあります。

拘縮を改善させるためには、原因組織を加温して柔軟性を高め、そこから徒手的な伸張を加えていく方法が有効となります。

加温は超音波療法が有効で、超音波はコラーゲン含有量が高い組織ほど吸収係数が高く、集中的に組織温を上昇させることができます。

伸張方法については関節モビライゼーションやストレッチングが有用で、拘縮部位に対して集中的な伸張が加わるようにイメージしながら実施していきます。

持続的他動運動療法について

持続的他動運動(continuous passive motion:CPM)とは、モーター駆動の機器を用いて低速かつ等速度で反復される連続的関節可動域運動です。

一般的に人工膝関節全置換術後や前十字靭帯の再建術後といった、各種関節外科術後のリハビリテーションとして施行されます。

CPMは可能であれば術直後より開始し、可能な限り低速度で、24時間連続で一週間以上の使用が理想とされています。

徒手的なROM運動と違い、低速かつ等速度で実施でき、長時間の他動運動が行えることが特徴です。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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