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骨の構造と機能について|関節が重度に変形しても痛くない理由

正常な骨の構造とその機能について解説していきます。

骨の役割

成人の骨の数は約200個であり、それらが繋ぎ合わさることで関節を作り、全体として骨格を構成しています。

骨には、①硬い芯としての身体支持、②骨格筋による運動作用、③脳や臓器の保護、④造血、⑤カルシウムやリンの貯蔵庫としての役割があります。

骨は多量の膠原線維からなる一種の結合組織ですが、非常に硬いのは基質にリン酸カルシウム、炭酸カルシウムといった石灰質が沈着しているからです。

骨の構成と機能

骨の基本構成は、①緻密骨(皮質骨)、②海綿骨、③骨膜、④軟骨、⑤骨髄の五つです。

種類 分布
緻密骨 層板状で骨の外層を覆う
海綿骨 梁状で骨端部と骨幹端部の内側に位置
骨膜 関節面以外を覆う膜
軟骨 関節面で緻密骨の外層を覆う
骨髄 髄腔や海綿骨内に位置

緻密骨は骨単位と介在層板からなり、骨単位は円柱状の構造で、血管が通るハバース管とその周囲を囲む骨層板(ハバース層板)から構成されます。

緻密骨の関節面以外の外側は骨膜が覆っており、骨膜には血管や神経が通過します。骨膜の血管は横に伸びるフォルクマン管を介してハバース管と連結します。

海綿骨は内部を梁状の骨小柱が交錯して構成されており、それによって骨端部や骨幹端部にかかる圧を分散して折れにくくしています。

骨膜は関節面の手前で関節包に移行するので、関節包も自然と神経に富んだ構造となっています。

関節面には骨膜がない代わりに軟骨が存在しており、関節の動きを円滑にするために非常に滑りやすい構造となっています。

関節部は常に圧迫を受けるために痛みを感じる神経組織や血管は存在せず、すり減っても痛みを感じることはありません。

軟骨が消失してその奥にある骨(緻密骨)が剥き出しても、緻密骨には神経が存在しないために痛みは生じません。

重度の関節変形があり、軟骨が消失して骨がボロボロになっていても、痛みを訴えない患者がいるのはそのためです。

膝関節の構造

痛みが起きているのは主に周囲組織の炎症などであり、関節変形を起こしている症例ほど負担を軽減できずに炎症を起こしやすくなっています。

骨内部の髄腔や海綿骨部には、その間を満たすようにして骨髄が存在します。骨髄には造血機能があり、赤血球や白血球、リンパ球、血小板などを作ります。

造血機能があるのは赤色骨髄のみで、加齢とともに四肢の骨は黄色骨髄に変化し、内部は脂肪組織に置き換わっていきます。

成人を過ぎても赤色脊髄が存在するのは身体の中心にある骨だけで、とくに胸骨や腸骨には大量の赤色骨髄が存在しています。

骨の形態的分類

骨を形状によって大別すると、①長管骨、②短骨、③種子骨、④扁平骨に分けられます。それらは皮質骨と海綿骨によって構成されます。

成長は軟骨内骨化と膜性骨化の二種類があり、前者は骨幹端間にある成長軟骨板で、後者は骨膜によって行われます。

軟骨内骨化では、まず軟骨芽細胞から軟骨組織が形成され、それが破軟骨細胞によって壊され、骨芽細胞に置き換わって骨組織へと変化します。

膜性骨化では、骨膜内層の骨芽細胞が成長して骨組織に入り骨細胞になるといった順序を進んで成長します。

種類 詳細
長管骨 部位 上腕骨,橈骨,尺骨,大腿骨脛骨,腓骨
構造 外側の皮質骨と内側の海綿骨
成長 軟骨内骨化
短骨 部位 手根骨,足根骨
構造 外側の皮質骨と内側の海綿骨
成長 軟骨内骨化
種子骨 部位 膝蓋骨
構造 外側の皮質骨と内側の海綿骨
成長 軟骨内骨化
扁平骨 部位 頭蓋骨,腸骨,肩甲骨
構造 層板状の皮質骨の間に海綿骨が挟まれる
成長 膜性骨化

骨のリモデリング作用

骨のリモデリングにおいては、破骨細胞によって外層に沈着しているカルシウムやリンが溶けて血中に放出されます。この作用により血中濃度を調整します。

破骨細胞によって壊された部分には骨芽細胞が集まっていき、新たな骨組織を作り出します。そのようにして一年間に20-30%の骨が作り替えられます。

カルシウムが不足したり、閉経で骨芽細胞の働きを活性化するホルモン(エストロゲン)分泌が低下すると壊れた分を補うだけの骨組織が作れなくなります。

そのようにして徐々に骨質が溶けて、中の骨密度が低下し、骨が脆くなった状態を骨粗鬆症と呼びます。骨強度には骨密度が70%、骨質が30%関与しています。

骨の血液循環と支配神経

骨は以下の三つの動脈から栄養を摂取しています。

種類 栄養 分布
栄養動脈 70% 長管骨中央に開いた栄養孔を通って骨全体を支配する
骨膜動脈 10% 骨の内部には進入せずに最外周部の骨膜を支配する
骨端骨幹端動脈 20% 骨端や骨幹端から進入して支配する

骨髄内部では静脈洞の状態となっており、動脈から栄養を補給したあとは皮質骨レベルの血管腔(静脈)から中枢に向かって戻っていきます。

骨には骨髄を支配する骨髄神経と、骨膜を支配する骨膜神経があります。骨折の際は、主にこれらの神経により痛みを引き起こします。

骨と骨の連結について

骨の連結は、①骨性連結、②線維性連結、③軟骨性連結、④滑膜性連結の四つが存在し、動きのある関節のすべては滑膜性連結に属します。

骨性連結 動き 不動
部位 寛骨
線維性連結 動き 不動
部位 頭蓋骨
軟骨性連結 動き 不動
部位 頭蓋底、恥骨
滑膜性連結 動き 可動
部位 動きのある関節すべて

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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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