片麻痺機能テストの代表である上肢のブルンストローム・ステージの評価法について、図を載せてわかりやすく解説していきます。
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上肢のBrunnstrom StageⅠ
非麻痺側の肘関節伸展運動に対して徒手抵抗を加え、その際に麻痺側の大胸筋の収縮の有無を確認する。
連合反応を確認するテストで、収縮がない場合はStageⅠ、収縮がある場合はStageⅡ-1以上となる。
上肢のBrunnstrom StageⅡ
麻痺側の手を反対側の腰へ伸ばすように指示する。動かなくても随意収縮が認められる場合はStageⅡ-2以上となる。
上肢のBrunnstrom StageⅢ
StageⅢの検査は2つ存在するが、不可能を0点とし、不十分を1点、十分を2点として考えると理解しやすい。以下にその例を示す。
判定 | 1の検査 | 2の検査 |
Ⅲ未満 | 不可能 | 不可能 |
Ⅲ-1 | 不十分 | 不可能 |
Ⅲ-2 | 不十分 | 不十分 |
Ⅲ-3 | 十分 | 不十分 |
Ⅲ-4 | 十分 | 十分 |
1.伸筋共同運動
麻痺側の手を反対側の腰へ伸ばすように指示し、伸筋共同運動を確認する。臍下まで動かせるなら十分、臍上で乳頭下までなら不十分、乳頭上なら不可とする。
2.屈筋共同運動
麻痺側の手を反対側の腰から同側の耳まで伸ばすように指示し、屈筋共同運動を確認する。乳頭上まで動かせるなら十分、乳頭下で臍上までなら不十分、臍下なら不可とする。
上肢のBrunnstrom StageⅣ
StageⅣの検査は3つ存在するが、1つが十分ならⅣ-1、2つ又は3つともが十分ならⅣ-2と判定する。
1.肩関節内旋(結帯動作)
麻痺側の上肢をを背中の後ろへ回す。その際に、体幹を動かさないようにし、1動作で行うこととする。脊柱より5㎝以内ところまで可能なら十分とする。
2、肩関節屈曲(90度まで)
麻痺側の肩関節を屈曲する。その際に、肘関節屈曲は20度以内とし、肩関節の水平内外転は±10度以内とする。60度以上の屈曲が可能で十分とする。
3、前腕回内
麻痺側の肘関節を90度屈曲させた状態で前腕回内を実施する。その際に、肘は体側につけて、屈曲角度は90度から±10度以内とする。50度以上の回内が可能で十分とする。
上肢のBrunnstrom StageⅤ
StageⅤの検査は3つ存在するが、1つが十分ならⅤ-1、2つが十分ならⅤ-2、3つとも十分ならⅤ-3と判定する。
1.肩関節外転
麻痺側の肩関節を外転させる。その際に、肘関節屈曲は20度以内、肩関節は屈曲は20度以内とする。60度以上の外転が可能で十分とする。
2.肩関節屈曲(180度まで)
麻痺側の肩関節を屈曲する。その際に、肘関節屈曲は20度以内、肩関節の水平外転は30度以内とする。130度以上の屈曲が可能で十分とする。
3.前腕回外
麻痺側の肩関節を60~90度屈曲、肘関節伸展位に保持し、前腕を回外させる。その際に、肘関節屈曲は20度以内とする。50度以上の前腕回外が可能で十分とする。
上肢のBrunnstrom StageⅥ
StageⅥの検査は2つ存在するが、1つでも十分ならⅥと判定する。
1.肩関節挙上テスト
手先を肩につけて、真上に挙上する運動を10回実施するまでのタイムを計測する。その際に、肘関節屈曲は20度以内、肩関節屈曲は130度以上とする。
非麻痺側も同様にタイムを計測し、麻痺側が非麻痺側のタイムの1.5倍以内なら十分とする。例えば、非麻痺側が20秒なら、麻痺側は30秒以内で十分となる。
2.肩関節外転テスト
肩関節の外転運動を10回実施するまでのタイムを計測する。その際に、肘関節屈曲は20度以内、肩関節外転は60度以上、肩関節水平内転は20度以内とする。
非麻痺側も同様にタイムを計測し、麻痺側が非麻痺側のタイムの1.5倍以内なら十分とする。例えば、非麻痺側が20秒なら、麻痺側は30秒以内で十分となる。