要点サマリ
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腱・靱帯も“適切な負荷”で適応する(コラーゲン合成↑・配向改善)が、筋肉ほど早く・大きくは変化しない。
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数週〜数か月単位でじわっと強くなる。やり過ぎや急増は逆効果。
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予防の核は 荷重管理+筋力(ブレーキ力)+神経筋トレ+フォーム。装具・テーピングや栄養・睡眠も脇を固める。
腱・靱帯は鍛えられるのか?
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主成分はⅠ型コラーゲン。不動で脆弱化、適度な機械刺激で再構築(合成↑、配向・硬さ↑)。
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ただし筋肥大のように目に見えて太くはならない。変化は緩やか・小さめと考えるのが現実的。
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負荷の原則は**「高張力 × 低頻度 × 十分な回復」。コラーゲンの代謝反応は48–72時間**続くため、同部位への高負荷は毎日しないのが基本。
実践の目安
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重めゆっくり(Heavy Slow):3–4秒かけて上げ下げ/8–12回×3–4セット/週2–3回。
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痛みがある局面は等尺性(押し合い)から開始→症状が落ち着けば等張性→プライオへ段階アップ。
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反応は24時間後の痛み・腫れでチェック。強くぶり返すなら量を減らす。
損傷を防ぐための“予防の柱”
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荷重管理:練習量・強度の急増を避ける(目安:週10%以内)。
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筋力(ブレーキ力):関節を“危険方向”へ行かせない筋群を重点強化。
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神経筋トレ:着地・減速・方向転換の動作学習+バランス。
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フォーム・技術:投球数管理、着地での膝内側崩れ(Knee-in)抑制など。
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装具・テーピング:とくに足関節捻挫の再発予防に有効。
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可動性の最適化:足関節背屈制限などストレス源を是正。
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栄養・睡眠:タンパク質1.2–1.6 g/kg/日、ビタミンC(コラーゲン合成に必須)、鉄・亜鉛の不足に注意/喫煙は回復を阻害。
部位別:鍛えるべき筋の例
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足関節の内反捻挫が多い → 腓骨筋群(外反・外がえし)、片脚バランス、着地ドリル。
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膝(ACL)予防 → 臀筋群・ハムストリング(ヒップヒンジ、ランジ、ノルディック)、ジャンプ→着地で膝が内に入らない練習。
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肩・肘(投球) → 回旋腱板(外旋/内旋)+肩甲帯安定筋、投球数管理と休養。
具体ドリル(例)
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チューブ外反:足首にチューブ→外側へ引く(15回×3)
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片脚バランス:床→不安定面→目閉じへ段階付け(30–60秒×3)
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ノルディックハム:週2回、反復少なめで質重視
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着地ドリル:両脚→片脚、膝・つま先・股関節を一直線に保つ
よくある質問(Q&A)
Q. 腱や靱帯は筋トレで“太く”なりますか?
A. 腱はやや太く硬くなる方向の適応が起こり得ます。靱帯は血行が乏しく変化は緩やか。筋肉ほど劇的ではありません。
Q. どれくらいで強くなったと実感できますか?
A. 痛みの軽減や手応えは数週、組織強度の実感は2–3か月以上を見込みましょう(個人差あり)。
Q. ストレッチだけで予防できますか?
A. 静的ストレッチ単独の予防効果は限定的。筋力+神経筋トレ+動的ウォームアップを併用しましょう。
Q. サプリで強くなりますか?
A. ビタミンCはコラーゲン合成に必須。コラーゲン/ゼラチン摂取と運動の組み合わせで合成マーカーが上がる報告はありますが、まずは総合的な食事が前提。
まとめ
腱・靱帯は鍛えられるが“時間がかかる”組織。焦らず段階的に負荷を上げ、十分に回復させること。予防はブレーキ力と動作の質、そして荷重管理が肝です。
最終更新:2025-09-27