背屈制限:まず“内側列”と屈筋支帯を疑う
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背景:足関節内果の下を走る屈筋支帯は、長母趾屈筋・長趾屈筋・後脛骨筋、脛骨神経・後脛骨動静脈の“トンネル”を形成。ここが滑走不全だと背屈で突っ張りやすい。
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優先リリース
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腓腹筋内側頭/ヒラメ筋内側(下腿後内側)
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後脛骨筋(内果後方ライン)
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屈筋支帯そのもの(内果後下方の圧痛・癒着)
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流れ
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下腿内側の筋腹~腱移行部を横剪断+持続圧。
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屈筋支帯を皮膚—浅筋膜—深筋膜の層で“そっとずらす”ように滑走促通。
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直後に壁ふくらはぎテスト(膝を曲げ/伸ばしの両方)で背屈角度・詰まり感の変化を確認。
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補足:前方では上・下伸筋支帯と前脛骨筋/長母趾伸筋の硬さも背屈を鈍らせます。内側主眼+前方補助が効率的。
底屈制限:外側列と上腓骨筋支帯を解放
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背景:底屈にはしばしば内反成分が伴うため、これに拮抗する腓骨筋群(長・短腓骨筋)が硬いと“ブレーキ”になります。腱を束ねる上腓骨筋支帯(外果後方)が滑らないと、底屈終末域で抵抗感が出やすい。
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優先リリース
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長腓骨筋・短腓骨筋(外果後方~第5中足骨基部ライン)
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上腓骨筋支帯(外果後下の索状部)
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流れ
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腓骨筋腱を外果後方で横方向にモーブして滑走改善。
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腓骨筋筋腹は縦走の摩擦で温め→腱側へ段階的に移行。
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直後に底屈の最終域で“つっかえ”が減るか、足関節の軌道が素直かを再確認。
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補足:前方の伸筋群(前脛骨筋など)緊張過多も底屈を止めるので、前方の張りが強い人は上・下伸筋支帯も軽く解放。
現場でのチェックポイント
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支帯の圧痛:内果後下(屈筋支帯)、外果後下(上腓骨筋支帯)、前方(上・下伸筋支帯)。
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関節内の“詰まり” vs 筋膜の“張り”:詰まり感が強ければ関節モビリティ、張り主体なら筋筋膜を優先。
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膝屈曲位/伸展位の背屈差:差が大きい=ヒラメ筋より腓腹筋要素が強い目安。
セルフケア(痛みが5/10以内で)
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壁ふくらはぎ(膝伸展/屈曲):30–45秒×2–3セット。
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フォームローラー
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下腿内側(ヒラメ内側~後脛骨筋ライン)
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下腿外側(腓骨筋)
各60–90秒、呼吸を止めず“痛気持ちいい”圧で。
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足関節A→Z:空中で足首に大きな円と字描きで多方向滑走を促通(各1分)。
炎症急性期、腱の腫脹・発赤・熱感が強いときは強刺激は避ける。骨折/高度不安定性が疑われる場合は医療機関で評価を。
よくある質問(Q&A)
Q1. 背屈はふくらはぎだけ伸ばせば良い?
A. いいえ。屈筋支帯と後脛骨筋が鍵。内側列の滑走を出すと背屈が一気に伸びるケースが多いです。
Q2. 底屈の“つっかえ”は前のスネが硬い?
A. 前方も関与しますが、見落としやすいのが腓骨筋群と上腓骨筋支帯。ここを解放すると滑らかになります。
Q3. どの順番で緩める?
A. 原則は筋腹→腱移行部→支帯。粗さの源流(筋腹)を解いてから“通り道”(支帯)の滑走を出すと再発しづらいです。
Q4. 何日おきに行う?
A. 低~中等度の圧なら1日おき。強い筋肉痛や腫れが出たら48–72時間は休み、炎症反応を観察します。
Q5. 捻挫後、痛みが引かない・不安定感が強い
A. 靱帯損傷・骨軟骨損傷の可能性も。腫脹や軟部組織の圧痛が強い場合は整形外科で再評価を。
最終更新:2025-10-08

